ブログ記事などを書こうと思った時に、思いつきで書きたいテーマに対して記事を書いていませんか?他のマーケティング施策と同様に、ブログ記事でも大事なのは「ユーザー目線」です。ユーザー目線とは「ユーザーが知りたいと思っている情報に関する記事を書いているかどうか?」ということです。この記事では、そんなユーザー目線を持ったブログ記事を書くために必要な、キーワードの選び方や、よくある失敗例などについて紹介していきます。キーワードの選び方5ステップこの項目では、具体的なキーワード選びの方法について解説していきます。詳細なキーワードの選びの方法になるため、急いでキーワード調査が必要な場合は多少簡単に行っていただいても構いません。ただ、すべてのステップを行っていただくことで「記事を書いたのに検索流入が全くない発生しないけれど、どうしてだろう?」「何について書いた記事だっけ?」という状況に陥らないキーワード選定が可能になると思います。キーワード選びのステップは以下の通りです。Step1:軸キーワードを洗い出すStep2:キーワードを拡張するStep3:検索ボリュームを調査するStep4:検索意図に応じてグルーピングするStep5:キーワードの優先順位をつけるStep1:軸キーワードを洗い出すまずは、サイト全体として自社のお客様になるようなユーザーが検索するであろうキーワードを洗い出します。たとえば工務店やハウスメーカーの軸キーワードは以下のようになることが多いでしょう。新築注文住宅工務店軸キーワードには、自社のサービスと最も関連性が高く、自社の顧客になり得るユーザーが検索する際に使用するであろうキーワードを設定します。なお、この軸キーワードを選んでいく上では以下の2点が非常に大事になります。検索ボリュームは比較的大きいキーワードを選ぶペルソナが検索するであろうキーワードを選ぶ検索ボリュームは比較的大きいキーワードを選ぶこの後のステップで軸キーワードから派生語を探すため、比較的検索ボリュームの大きいキーワードを選びましょう。明確にいくつというのは業種業態によってさまざまですが、ひとつの目安として検索ボリュームが10,000~100,000程度あるといいでしょう。検索ボリュームの多い、少ないの判断は軸キーワード単体の検索ボリュームから考えます。軸キーワードの検索ボリュームが50,000なら、1,000はミドルキーワード、300はロングテールキーワードくらいのイメージです。ペルソナが検索するであろうキーワードを選ぶ自社の伝えたいことではなく、ユーザーの悩みを解決することがコンテンツマーケティングの目的になるため、ペルソナを適切に設定し、ペルソナが知っている(であろう)キーワードを選ぶ必要があります。 実際に検索されないようなキーワードを軸キーワードとして設定してしまうと、求めているユーザーにコンテンツが届きにくくなります。Step2:キーワードを拡張する軸キーワードが決まったら、その軸キーワードを元にキーワードを拡張していきます。たとえば、工務店で軸キーワードを「注文住宅」とした場合は以下のようになります。注文住宅 価格注文住宅 土地注文住宅 流れ上記はユーザーが使いそうなキーワードを想像して決めてもいいですが、より詳細なキーワード(悩み)を発見するためには、以下2つの方法がおすすめです。方法1:ツールを使わずSNSや競合サイトなどから探す方法2:キーワード調査ツールを利用する方法1:ツールを使わずSNSや競合サイトなどから探す具体的には、以下の方法で探します。Yahoo!知恵袋などのQ&AサイトYahoo!知恵袋などのQ&Aサイトには一般のユーザーの悩みが詰まっています。軸キーワードで検索をかけて、同様の悩みに関する投稿を探してみましょう。 (実は、ラッコキーワードからYahoo!知恵袋の検索結果が見れます。)TwitterなどのSNSTwitterなどの検索機能で軸キーワードを検索し、一通り同様の悩みに関する投稿をみてみましょう。キーワードによっては、ユーザーの悩みや困っていることなどがひろえる可能性があります。また、Instagramもキーワード検索ができるため、商材などに合わせて利用してみるといいでしょう。クライアントやユーザーからの直接のヒアリング直接クライアントにエンドユーザーからよく聞かれる悩みなどを聞くのも一つの手です。 また、エンドユーザーに対して直接アンケートを取るなども有効です。時間がかかるので、調査期間が長く取れる場合に利用します。競合サイトのコンテンツから探す競合サイトのコンテンツも参考になります。競合になる(であろう)会社のサイトは一通りチェックし、どんなキーワードで記事を書いているのかを確認しましょう。方法2:キーワード調査ツールを利用するキーワード調査ツールを利用することで、効率的にキーワードを取得できます。それぞれのキーワードツールには特徴があるため、一つのツールのみに依存してキーワード調査してしまわないようにしましょう。主に使用するツールは以下です。ラッコキーワード軸となるキーワードで検索を行い、主にサジェストキーワードを洗い出すために、ラッコキーワードを使用します。ラッコキーワードとは、調査したいキーワードを検索窓に入れると、自動でサジェストキーワードなどを抽出するツールです。有料版もありますが、基本的には無料で使用可能ですので、この機会に登録してみましょう。出てきたキーワードは、全キーワードコピーをして、スプレッドシートやエクセル貼って管理すると、この後のステップがやりやすいです。Google キーワードプランナーキーワードプランナーとは、Googleの提供するキーワード調査ツールです。調べたいキーワードの関連キーワードや検索ボリュームなどを自動で調査可能です。使用するには、Google 広告のアカウントを開設する必要があります。キーワードプランナーでは、主に関連のある語句を調査します。関連のある語句では、軸キーワードが完全に含まれていないキーワードもひろえるため、利用することで軸キーワードの参考にするなど、まったく違う切り口からキーワードが調査できます。1:キーワードプランナーを開いたらまず、画面左側の「新しいキーワードを見つける」を選択します。2:軸キーワードを検索窓に入力し、関連のあるキーワードが下に表示されます。(今回はありませんでした。)ahrefs(有料)キーワード調査の際は、ahrefsの中でも特にキーワードエクスプローラーを使用します。 キーワードエクスプローラーでは、主にフレーズ一致キーワードの洗い出しを行います。フレーズ一致キーワードとは、検索した語句が含まれた複合キーワードのことです。具体的には、「注文住宅」のフレーズ一致キーワードとしては、「注文住宅 相場」などが含まれます。1:キーワードエクスプローラー上で軸キーワードを検索し、概要項目のキーワードの「すべてみる」を開く。2:キーワードを確認し、コンテンツとして作成できそうなキーワードを抽出していく。(必要な場合はエクスポートする)キーワード調査が完了したら、抽出したキーワードをすベてスプレッドシートにまとめます。検索ボリュームなどは次のステップで調べるため、まずはキーワードのみを羅列していきましょう。Step3:検索ボリュームを調査するキーワードの検索ボリュームは非常に重要です。コンテンツを作成していく上で、検索ボリュームの全くないキーワード選定をしてしまっては流入も見込めず本末転倒です。そのため、Step2で拡張したキーワードの検索ボリュームはすべて調べてみましょう。具体的には以下ツールを使って調べます。Google キーワードプランナー1:キーワードプランナーで「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選択します。2:Step2で調査したキーワードをすべてコピぺします。(1行ずつ入れていきます)3:①結果が出たら、表示項目を競合性と月間検索ボリュームのみ表示します。②その後右上のダウンロードボタンをクリック4:.csvかGoogle スプレッドシートでダウンロードします。5:ダウンロードしたものをスプレッドシートへ追加します。その際にキーワード、検索ボリューム、競合性以外の余計な項目は削除しましょう。6:綺麗にまとめたものがこちらになります。Step4:検索意図に応じてグルーピングするコンテンツにおいて一番重要なことは「1キーワード1記事」ではなく、「1検索意図1記事」ということです。検索意図とは、検索キーワードに対してユーザーが抱えている悩みのことです。簡単にですが、「注文住宅 おすすめ」と「注文住宅 相場」というキーワードでは上記のような検索意図があると考えられます。繰り返しになりますが、注意しないといけないことは、「1キーワード1記事」ではないということです。なぜ「1キーワード1記事」ではないのかは、以下で具体例を紹介します。それぞれ以下のキーワードに対して、A,Bの記事を書いたとします。検索キーワード「注文住宅 おすすめ」の対策として書いた記事A検索キーワード「家を建てる 人気」の対策として書いた記事B実際の検索結果を見てみましょう。※調査日時:2021年12月13日タイトルに色がついているものは重複しているものです。上記の表から見てわかる通り、ほとんど検索結果が同じ、つまり、ユーザーの検索意図が同じ(似ている)だとGoogleから認識されている、と言えます。よって、A,Bで記事を分けて作成してしまった場合、以下のような弊害が発生します。弊害1:SEO評価が分散する具体的には、類似コンテンツとして評価されてしまったり、内部や外部の被リンク評価が分散したり、クリックが分散することによるSEO評価データが貯まらないといったことが発生します。 中小企業規模のサイトではほとんどないですが、クロールバジェット(※)が分散する可能性もあります。※クロールバジェットとは、GoogleのクローラーであるGooglebotがそのサイトを一定期間にどれぐらいクロールするかの割り当て量のことです。クローラーは世の中の無数に存在するサイトをクロールするため、1ドメインあたりにかけられるクロール量がざっくりと決まっています。詳細は、Google公式の「Googlebot のクロールの割り当てについて 」を参考にしてください。弊害2:コンバージョンの機会損失が発生する同じ検索意図に対する記事A・記事BのそれぞれのCVRが1%と0.5%だったとします。そうなった場合、本来であれば同じ検索意図を持つユーザー全員を記事Aへ流入させる方がCV数は増加するはずです。記事Bへの流入を作ることで、本来獲得できたはずのCV数が減少することに繋がります。また、検索意図を分類する前に、検索キーワードの分類をざっくりと行なっておくと後々の検索意図のグルーピングが楽になります。検索意図の分類とは具体的に、検索キーワードを4つの分類(Know,Do,Go,Buy)に分けることを言います。検索をする際は大抵の場合、これらのニーズを解決するために検索されます。参考:4 new moments every marketer should know - Think with Googleスプレッドシートでは、以下のようにプルダウンを設定すると分類しやすいでしょう。具体的には以下の流れでグルーピングしていきます。実際にGoogleで検索して、ざっくりとした検索意図(顕在ニーズはもちろん、潜在ニーズも含む)をキーワード別に書き出す。検索意図の近い(同じ記事内で対策してもいい)キーワードでグルーピングする以下の流れでグルーピングしたものがこちらです。この流れでどんどんと検索意図ごとにキーワードをグルーピングしていきましょう。Step5:キーワードの優先順位をつける検索意図をまとめ終わったら、対策するキーワードの優先順位をつけていきます。優先的に対策するべきキーワードは以下の観点から選びます。CVへの近さ検索ボリュームの大きさ自社にノウハウや専門性があるか準備する記事の一貫性1.CVへの近さCVへの近さとは、対象のキーワードで検索するユーザーが目標とするお問い合わせや会員登録、資料請求にどれほど近いのかということです。具体的には、「注文住宅 相場」と検索しているユーザーよりも「注文住宅メーカー 名古屋」と検索している人の方がお問い合わせの確度は高いでしょう。コンテンツSEOの目的はさまざまですが、お問い合わせや商品購入や会員登録、資料請求などを設定している場合が多いでしょう。そのため、まずはキーワードがCVにつながりやすいのかそうではないのかを元に判断しましょう。(CV目的ではない場合は、この項目は意識しなくてもいいです)具体的には、上記の検索意図のグルーピングの際におこなった、検索クエリの4分類を元に考えるといいでしょう。BuyクエリやGoクエリ、DoクエリなどのキーワードがCVに近いキーワードの傾向があります。ただし、直接的に記事などで対策することが難しい傾向にありますので記事で対策するキーワードなのか、それとも固定ページで対策するキーワードなのかはそれぞれ判断する必要があります。2.検索ボリュームの大きさユーザーに検索されるキーワードで対策しなければ、上位表示できても意味がありません。しかし、検索ボリュームの多いキーワードはそれだけ対策されているキーワードとも言えるため最初からボリュームの多いキーワードを対策するのは得策ではありません。そのため、まずは競合が少なく大手サイトでもあまり対策をされていないようなロングテールキーワードと呼ばれるキーワードを優先的に対策していくのがいいでしょう。具体的には、軸キーワードの検索ボリュームを参考に、ボリュームの少ないロングテールキーワードを見つけます。例えば、注文住宅という軸キーワードに対してのロングテールキーワードは以下のようになります。上記の場合、ドメインの強さなど現状のサイトの状況次第ですが、ロングテールキーワードの「注文 住宅 価格 平屋」などの記事から準備していくのでおすすめです。3.自社にノウハウや専門性があるか優先度の中でも最も大切だと思うのがこの、対策するキーワードに対する「ノウハウや専門性があるか」です。CVへの近さや検索ボリュームだけでキーワードを決めてしまうと、ノウハウもなく内容も充実していないありきたりな記事を量産することになりかねません。そのような記事は、検索流入も増えず、万に一つ流入が増えたとしても「ありきたりな内容で参考にならなかった」などど思われてしまう可能性があります。そうなった場合、知らず知らずのうちに自社のブランドを毀損することにもなりかねません。また、Googleの公式でも以下のように有用でオリジナルのコンテンツは上位表示に大きく影響すると明言しています。オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示されるようになります引用元:Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA] : 日本語検索の品質向上にむけてそのため、自社にノウハウがあるのか、悩みなどのキーワードに対する解決策が自社にはあるのかなどを考えながら優先度をつけていきましょう。4.書いていく記事の一貫性一貫性を持たせることも、記事執筆にとって非常に重要です。記事執筆時点でのコンテンツSEOでは、Hubspot社の提唱する「トピッククラスターモデル」が非常に有効と考えています。トピッククラスターとは、コンテンツ同士をトピックごとにまとめることでそのコンテンツ全体、または各記事のコンテンツの評価を高める戦略です。画像引用元:トピッククラスターを活用したブログの最適化例えば、注文住宅の相場に関する記事から「注文住宅 相場 30坪」「注文住宅 相場 40坪」「注文住宅 相場 50坪」などの関連するコンテンツに対して相互にリンクを貼り一つのトピックとするなどです。記事のトピックはバラバラに書き進めるのではなく、上記のような形で一貫性を持って記事を作成し、トピックごとに準備していくと着実にSEO評価も高まっていくでしょう。よくあるキーワード選びの失敗ここからは、良くやってしまいがちなキーワード選びのミスについて以下の3つをご説明していきます。いきなり競合の多いキーワードから書いてしまう記事コンテンツで対策できないキーワードでコンテンツを作成してしまうイメージでキーワードを剪定してしまういきなり競合の多いキーワードから書いてしまう基本的に「競合の多いキーワード = 競合が書いている記事が多いキーワード = 検索ボリュームの多いキーワード」となることが多いでしょう。競合の多いキーワードは大手のポータルサイトなどが検索結果上位を占有していることも少なくありません。ドメインの強さがない場合は、このような競合ひしめくキーワードに挑んでも返り討ちにされてしまうため、まずは競合の対策していないキーワード(ロングテールキーワード)からの対策が必要です。競合の多い、少ないについては、実際に対策するキーワードで検索してみるのがおすすめです。誰もが知っているような大手サイトばかりが上位に表示されていたら、別のキーワードに着手するのがいいでしょう。サイトによっては、そもそもドメインパワーなどの関係から勝負にならないこともあります。記事コンテンツで対策できないキーワードでコンテンツを作成してしまうそもそも、記事コンテンツで対策できないキーワードというものも存在します。そのようなキーワードで記事を書いてしまうと、ほとんど流入が見込めず、苦しい思いをするため気をつける必要があります。例えば、「注文住宅 名古屋」と検索した際の検索結果画面が以下です。「注文住宅 名古屋」と検索される方は、「名古屋の注文住宅メーカーを把握したい」というニーズがあるため、画像のような大手ポータルサイトの「メーカー一覧ページ」や「ハウスメーカーのトップページ」が検索結果上に表示されます。もし、このキーワードで流入を狙いたいのであれば有益なコンテンツを発信し、サイト全体のパワーを高め、トップページなどのブログページ以外のページで対策していく必要があります。これらを見分けるためには、「実際の検索結果画面を見る」→「検索者の検索の意図を理解する」→「対策できるかできないかを判断する」ということが大切です。ここでも決して憶測でキーワードの良し悪しの判断せず、実際の検索結果画面をもとに判断しましょう。イメージでキーワードを選定してしまうこれはリサーチ不足の際に発生しやすいミスです。自分の頭の中のイメージでキーワード選定をしてしまうと、以下のようなことが発生してしまうため注意する必要があります。そもそも検索ボリュームがない検索者の意図とマッチしていない記事が出来上がるそもそも何のキーワードで対策していたかがわからなくなってしまうまとめここまで、キーワード選びについて以下の5つの方法をご紹介してきました。Step1:軸キーワードを洗い出すStep2:キーワードを拡張するStep3:検索ボリュームを調査するStep4:検索意図に応じてグルーピングするStep5:キーワードの優先順位をつけるキーワード選びをせずに記事を執筆してしまうと「誰に向けた」どんな記事なのかが分からない記事になり、結果としてユーザーから評価されず、検索流入が見込めない記事になってしまいます。検索流入を狙った記事においてキーワード選びは最も重要と言っても過言ではありません。そのため上記で紹介した各ステップを実践し、どんな悩みや意図に対して記事を執筆していくのかをより明確にしていきましょう。自社ではキーワード調査が難しい、どんなキーワードに対して記事を執筆していけばいいか分からない、とお悩みの方は、30分程度のコンテンツSEOについての無料相談も受け付けております。お問い合わせよりご連絡くださいませ。