弊社が支援しているクライアントでの検証結果についてご紹介します。今回はSaaS関連サービスの、集客における課題解決に向けた検証について解説します。注意:以下の事例は私たちの状況に基づくもので、全てのケースに当てはまるわけではありません。顧客の課題解決ブログを増やし、広告経由のコンバージョン数を改善した事例もともとクライアント自身でFacebook広告を配信をしていましたが、思うような成果が出ず、弊社にご相談をいただきました。そこで弊社からはコンテンツマーケティングとFacebook広告のご支援をさせていただき改善に励みました。関連記事:Facebook広告とは?特徴や成果を出すためのポイントについて徹底解説前提と課題対象は以下の通りです。クライアントが提供しているサービスは、クラウド上で顧客情報を一元管理できるSaaSサービスです。クライアントは、Web集客施策としてFacebook広告を配信していましたが、思うようにお問い合わせ数が増えず、納得いく成果が出ていませんでした。業種SaaSサービスコンバージョン地点資料請求・お問い合わせ対象とする施策Facebook広告コンテンツマーケティング課題コンバージョン数の改善今回はこの課題に対する仮説から実施施策、検証結果までの過程をご紹介します。課題に対する仮説もともとクライアント自身でFacebook広告を配信しており、広告におけるテキストやクリエイティブの変更は行なっていたものの、広告の遷移先となるページは変えずに配信を行なっていました。そこで広告や遷移先ページを確認し以下のような仮説を立てました。サービスページのみを広告の遷移先としている場合、検討中の顧客にしか刺さらない今回の場合、遷移先ページとして使用していたのは、ホームページ内の「サービスページ」です。このページを継続的に広告の遷移先としている場合、検討している層にしか刺さらないのではないか?という仮説を立てました。広告の遷移先ページが限定されている場合、広告上でどれだけ訴求内容を変えても、一定のユーザーしかコンバージョンに至らないことがあります。サービス紹介ページのみでは、すでに検討意欲高い顧客には魅力的なコンテンツに映るかもしれませんが、まだ検討し始めたばかりの顧客には魅力的なコンテンツに映りません(≒検討が進むコンテンツとはなりません)。顧客を次のステージに移せていない遷移先ページがサービスページのみの場合、顧客の課題を次のステージに移せない場合があります。顧客の購入までのプロセスで起こるさまざまな疑問や悩みに対して、解決できるような情報を提供することで、顧客が次のステージへと進めるようサポートしなければなりません。たとえば「顧客管理を効率的に行う方法を知りたい」という課題にして、顧客管理の方法(アナログの管理方法やツールでの管理方法)を情報として提供することで、「顧客管理を効率的に行うツールを知りたい」という課題に進み、購入へと意欲が上がっていきます。しかし今回の場合、サービスページをひたすら顧客に見せていたので、顧客のステージの移動が行われておらず、コンバージョンに至るまで適切にサポートできてないのでは?と考えました。仮説に対して行なった施策上記の仮説をもとに、以下の調整を行いました。1. 顧客の課題に合わせたブログを制作顧客のカスタマージャーニーに沿って、課題別のブログを制作しました。顧客をステージごとに切り分け、次のステージへ移るために必要な情報をブログ内に書きます。たとえば「検討」段階に入っている顧客の課題が「実際に導入後のイメージが湧かない」というものであれば、導入事例や顧客インタビューをコンテンツとして用意します。第三者の声をもとして制作することで、顧客の解像度が上がり具体的なイメージが湧きやすくなります。関連記事:「インタビュー記事」とは? 記事の良し悪しを分ける大切なポイントと「必要な準備・取材・編集」をすべて解説2. ブログ内に広告の訴求と合わせたCTAを用意する顧客の課題→広告→遷移先ページ→CTAのそれぞれが一貫した文脈になるよう設定しました。たとえば、もっと商品について詳しく知りたいと思っている顧客に対して「お問い合わせ」というCTAだと混乱させてしまいコンバージョン率が下がる可能性があります。詳しくしたい方には、セミナーや資料請求など詳しく商品を知れる機会をCTAとして用意しました。広告によって訴求する内容、遷移先で伝える情報、課題解決ができるアクションの一貫性を意識しながらブログ制作します。関連記事:CTAの設置方法によるコンバージョン率の改善事例(医療関連ブログ)3. Facebook広告の遷移先をブログにして配信実際に制作したブログは、Facebook広告の遷移先として使用しました。課題別に広告を用意し、広告で打ち出す訴求に合わせたブログを遷移先とします。施策から得られたデータ上記の改善をおこなった結果、以下のような結果が表れました。コンバージョン獲得件数改善前21件/月改善後45件/月得られたデータを基にした考察あくまで今回のケースでの結果のため、すべてのケースに当てはまるわけではないですが、このような結果となりました。この結果をもとに以下のように考察しました。ブログと広告をかけあわせた施策を行うことで、さまざまな課題をもつ顧客の課題に訴求できるようになるこれまではサービスページを見せるべきでない顧客にまで無理矢理に広告を使って見せていましたが、課題に合わせたブログと、ブログに合わせた広告クリエイティブを用意することで、顧客の課題に合わせた広告配信ができるようになりました。また、これまではサービスページのみを読んでくださった方からのお問い合わせが中心でしたが、施策後は検討初期からクライアントのブログを読んでくださり、お問い合わせ時にはクライアントサービスへの信用が醸成されている状態でお問い合わせしてくれる方も増えました。これにより体感値ではありますが、サービスとマッチする課題を持つ会社からのお問い合わせが増えたとのことです。広告パターンを増やせるため、顧客を”飽きさせない”同じ広告ばかりが表示していては、徐々にクリック率は下がります。ブログを複数作成して遷移先を変えることにより、さまざまな広告クリエイティブを増やすきっかけになりました。たとえば「顧客管理を簡単に行いたい」という課題に対して「顧客管理ツールの見つけ方」や「顧客管理を楽にするツール10選」「チームで使うならこのツール」などのブログが用意でき、ブログに合わせて広告クリエイティブを増やせます。課題に対して、さまざまな視点で書かれた「解決方法の提案ブログ」を増やすことができれば、広告クリエイティブのバリエーションも増やすことができ、顧客を飽きさせないコミュニケーションを行うことが可能になります。さいごに今回の施策は、ブログと広告を掛け合わせた施策を行うことにより、広告のパフォーマンスが向上しました。同じ広告の遷移先ページを使い続けて、改善を繰り返し成果を上げる方法もありますが、今回のようにブログのバリエーションを増やし、広告の遷移先として使用することで、改善することも可能です。ブログなどのコンテンツがすでに十分ある場合は、広告の遷移先として使用することでパフォーマンスを改善するきっかけになるかもしれません。注意:以下の事例は私たちの状況に基づくもので、全てのケースに当てはまるわけではありません。