電話専用広告とは、文字通り、ユーザーがHPへ移動することなく広告から直接電話をかけることが出来る広告です。水漏れが起きている家の鍵を紛失してしまったなど、ユーザーの緊急度が高い商品やサービスの場合、HPやLPなどを比較検討して商品を検討するよりも、「とりあえず電話をかけたい」というニーズが高まることが予想されるため、緊急度が高い商品・サービスなどでは電話専用広告が有効です。当記事では、Google広告の電話専用広告の概要や設定方法、設定の際のポイントなどを解説します。電話専用広告とは電話専用広告とは、ユーザーが検索結果からHPやLPへ移動することなく、すぐに電話をかけることができるGoogle広告における広告フォーマットの一つです。モバイルデバイスのみに表示されます。以下の画像はアルテナ株式会社という架空のトイレの水漏れ修理サービスの広告です。電話アイコンや見出しの位置へ電話番号が挿入されており、電話をかけるということが視覚的にも分かりやすく表示されています。また、通常のテキスト広告と同様に広告表示オプションを設定することも可能です。広告表示オプションを設定することで、検索結果に対する広告の表示範囲が大きくなるため、より視認性が良くなります。広告表示オプションの追加は無料のため、設定しておく方がいいでしょう。仕組み具体的には、以下の流れでユーザーは広告主へ電話をかけることが可能です。電話専用広告は、通常のテキスト広告同様にユーザーの検索に対して広告を配信されます。ユーザーが広告をタップ設定した電話番号が表示されます。(広告主の電話番号、もしくは※Google広告専用転送電話番号)ユーザーが電話番号をタップして通話が開始されます。参考:電話専用広告について - Google 広告 ヘルプ※Google広告専用転送電話番号については、後述の効果測定方法で解説します。各項目の詳細以下画像は、電話専用広告の設定画面です。各項目をそれぞれ解説していきます。①広告グループ電話専用広告を追加したい広告グループを選択します。②電話番号お問い合わせ用の電話番号を記入します。電話番号はHP・LPに記載されているものしか利用できないため、注意が必要です。③最終ページURL&確認用URL最終ページURLには、広告のリンク先を設定することが可能です。最終ページURLを設定することで、「ウェブサイトにアクセスする」という文言ともにユーザーは電話をかけるのか、HP/LPへ移動するのかを選択することができるようになります。しかし、最終ページURLを設定したからといって、必ず「ウェブサイトにアクセスする」というリンクが表示されるわけではありません。Google 広告 ヘルプにはリンクが表示される条件として、以下を満たす必要があるとしています。「ウェブサイトにアクセス」のリンクを表示することで、掲載結果の向上が見込まれる場合。・広告の掲載位置と広告ランクが十分に上位である場合。「ウェブサイトにアクセス」のリンクを表示するには、Google 広告で一定以上の広告ランクが必要です。引用:電話専用広告について- Google 広告 ヘルプまた、確認用URLには広告で使用する電話番号が記載されたウェブページの URL を指定します。追加したい電話番号がHP上に記載されていない場合は電話専用広告の電話番号として登録できないため注意が必要です。④表示URLのパスパスとは、半角15文字(半角7文字)で表示URLに対してテキストを挿入できる機能です。具体的には「www.example/お電話1本で急行/365日24時間対応 」のように、追加したテキストが広告の上部に表示されます。自社のサービス内容などを記載しておくといいでしょう。⑤広告見出し広告見出しは、広告見出し1と広告見出し2の2つが設定可能です。それぞれ、半角30文字(全角15文字)を登録可能です。電話専用広告では、電話番号の下、ビジネスの名前の隣に表示されます。⑥ビジネスの名前ビジネスの名前には会社や組織の名前を記載します。以下のような場合には、広告が承認されない可能性があるため注意が必要です。・不正確なビジネス名や、宣伝対象となるビジネスを適切に表していない、あるいは類似のビジネスと区別の付かないビジネス名・ビジネス名の項目におけるプロモーションの文言引用:電話専用広告の要件 - Google 広告 ヘルプ⑦説明文テキスト広告同様に、半角90文字(全角45文字)で商品やサービスについての詳細を記入できます。⑧広告のURLオプショントラッキング情報を記録したい場合などにURLパラメータを入力します。トラッキングを行わないのであれば特に設定をする必要はありません。トラッキングについては以下の公式ヘルプを参考にしてください。参考:Google広告でのトラッキングについて - Google 広告 ヘルプ利用可能な電話番号電話専用広告では、全ての電話番号が利用可能というわけではありません。利用する事ができる電話番号かを確認するためには、以下の2つの方法があります。サイトに電話番号を表示するドメインを所有していることを証明する1.サイトに電話番号を表示する広告を配信するサイトにテキストで電話番号を表示します。さらにそのURLを電話専用広告作成画面の[確認用URL]へ追加します。そうすることで、広告作成時に自動的に審査が開始され、電話専用広告の電話番号とサイト内の電話番号が一致していることが確認された場合、電話番号の利用が可能となります。2.ドメインを所有していることを証明するドメインの所有権を証明するためには、Google Search Console と Google 広告アカウントをリンクするか、Google 広告コンバージョン トラッキング タグまたはリマーケティング タグ(いずれもお客様に固有のタグ)をウェブサイトに追加します。参考:リンク先の要件 - Google 広告 ヘルプまた、利用できない電話番号には不正確な電話番号やFAX番号などがあります。その他利用できない電話番号については、以下の記事の[トラブルシューティング:利用できない電話番号]を参考にしてください。参考:リンク先の要件 - Google 広告 ヘルプ入稿規定電話専用広告の各項目の入稿要件は以下の画像の通りです。設定方法以下では、電話専用広告の設定方法を解説します。1.まず、左カラムの[広告と広告表示オプション]を選択している状態で[+]をクリックし、[電話専用広告]を選択します。2.広告作成画面で、各項目を入力してページ下部の保存を押したら完了です。電話専用広告はキャンペーンの目標設定が以下の場合作成することが可能です。販売促進見込み顧客の獲得目標を指定せずにキャンペーンを作成するキャンペーンの目標設定の確認方法は以下の通りです。①Google広告管理画面左カラムから目標設定を確認したいキャンペーン選択②[設定]を選択③[目標]からキャンペーンの目標設定を確認キャンペーンの目標設定については以下のGoogle 広告 ヘルプを参考にしてください。参考:Google 広告 のキャンペーンの目標について - Google 広告 ヘルプ効果計測方法電話専用広告はコンバージョン設定をしなくても配信することが可能ですが、より効果を正確に測りたい場合は、通話レポートを設定する必要があります。通話レポートを使用しなくても通常の広告通りクリック数などの指標を確認することができますが、発信者の電話番号や応対の有無などを正確に確認することができないため通話レポートを利用するのがおすすめです。通話レポートの設定方法通話レポートを利用する場合、広告アカウント単位で通話レポートを「オン」に設定する必要があります。具体的には、Google広告管理画面で左カラム[設定]内の[アカウント設定]から[通話レポート]をオンにすることで設定が可能です。通話レポートでは、さまざまな項目を確認することが可能です。確認できる代表的な項目は以下の通りです。電話の開始/終了時間通話時間発信者の国コード発信者の市外局番発信者の電話番号着信応答の有無これらに加え、レポート画面の列をカスタマイズすることで、キーワード名、キャンペーン名などさまざまな指標を確認することが可能です。通話レポートの確認方法通話レポートは管理画面右上「レポート」→「事前定義レポート」→「広告表示オプション」→「通話データの詳細」で確認することが可能です。通話レポートを定期的に確認することで、「この市外局番からの電話はお問い合わせの確率が高い」や「電話の応対時間でお問い合わせ・成約率に変化がある」などの広告配信において有益な情報を得ることができる可能性があるため積極的に確認することがおすすめです。また、通話レポートを設定すると、通常の電話番号とは別に「Google広告転送用電話番号」という転送用の電話番号が付与されます。この電話番号によってユーザーの電話がトラッキング&レポーティングされ、通話レポートで詳細が確認できるようになります。Google広告転送用電話番号とは?通話レポートを設定していない場合、ユーザーが広告をクリックした際に広告主の電話番号が表示され直接広告主へ電話をかけることが出来るのに対し、Google広告転送用電話番号は一度Googleへ接続され、そこから広告主へと転送されます。このように、一度Google側へ接続されるため、通話の詳細などが通話レポートで確認できます。Google広告転送用電話番号に関しては、Google 広告 ヘルプに以下のような記載があります。可能な場合は、Google 広告専用転送電話番号にはお客様の電話番号と同じ市内局番が使用されます。それ以外の場合は、お客様の地域の市外局番が使用されます。市外局番を Google 広告専用転送電話番号に利用できない場合には、フリーダイヤルの Google 広告専用転送電話番号が広告に表示されます。Google 広告専用転送電話番号は、フリーダイヤル、同じ市内局番の番号、同じ市外局番の番号のいずれかになります。引用:Google 広告転送用電話番号 - Google 広告 ヘルプGoogle広告転送用電話番号の注意点としては、以下のようなものが挙げられます。ユーザーが広告をクリックした際に表示される電話番号が、実際の広告で表示されている電話番号と異なるため、ユーザーに不信感を抱かれる可能性がある。Google広告転送用電話番号の再割り当てによって同じ番号にかけられない可能性がある。再割り当てに関しては、Google 広告 ヘルプに以下のような記載があります。重要: 通話レポートで使用される Google 広告専用転送電話番号は Google の所有物であるため、変更や再割り当てが発生する場合があります。このため、通話レポート、メッセージ レポート、ウェブサイト通話コンバージョン トラッキング以外ではご利用いただけません。引用:Google 広告転送用電話番号 - Google 広告 ヘルプもし、広告主が電話に出られなかった場合においてユーザーが同じ電話番号に電話をかけようとしても繋がらない可能性があります。電話専用広告作成の際の2つのポイント電話専用広告を作成する際は、以下の2つのポイントを意識して作成すると良いでしょう。スケジュール設定を行う電話専用広告を作成する際には、広告主の電話対応が可能な時間を設定します。スケジュール設定を行わないと、深夜など広告主が対応できない時間にも電話が発生してしまう事が考えられます。サービス内容を詳細に記載する電話専用広告は、ユーザーがHPやLPへ移動することなく直接広告主へ電話をかけることができるという事が最大の特徴でした。ユーザーは広告の見出し、パス、説明文などを閲覧し、電話をかけるか否かを判断します。そのため、ユーザーが不安になり電話を躊躇しないように自社の商品やサービスがユーザーの「どんな悩み事を解決できるのか」「どんなメリットがあるのか」などを詳細に記載する必要があります。まとめ電話専用広告とは、ユーザーが検索結果からHPやLPへ移動することなく、すぐに電話をかけることができるGoogle広告における広告フォーマットの一つです。水道管トラブル事業や鍵修理などの緊急商材での広告配信では特に効果が出る手法ですので、ぜひトライしてみてください。関連記事:月50万円の広告配信を有意義なものにするために。望んだ成果が出ない理由と、私たちが成果を出すために意識していること