レスポンシブ検索広告とは、ユーザーの検索語句に合わせて広告見出しや説明文が自動的に最適化される広告タイプの一つです。この記事ではレスポンシブ検索広告の特徴や入稿規定、具体的な設定方法から作成時に抑えておきたい3つのポイントなどを網羅的にお伝えします。レスポンシブ検索広告とはレスポンシブ検索広告(Responsive Ads for Search、RAS)とは、複数の見出しや説明文を使ってよりユーザーに対して関連性の高いメッセージを配信できる広告タイプの一つです。一般的なテキスト広告との違いは、以下の通りです。複数の見出しを設定できる複数の説明文を設定できる登録された複数の見出しや説明文からユーザーの検索に合わせて自動でそれぞれを組み合わせて配信されるGoogle広告では以前からレスポンシブ検索広告が存在していましたが、Yahoo!広告では2021/5/21より新しくレスポンシブ検索広告が追加されました。Yahoo!広告のレスポンシブ検索広告については後述いたします。Google広告レスポンシブ検索広告とは前述の通り、複数の広告見出し、複数の説明文のアセットを登録することができます。登録した広告見出しと説明文の全てが表示されるわけではなく、最大3つの広告見出しと2つの説明文が表示されます。登録した広告見出しや説明文は自動的に組み合わせのテストがされ、もっともユーザーの検索語句と関連性が高くなる組み合わせによって表示されます。参考:レスポンシブ検索広告について - Google 広告 ヘルプ入稿規定Google広告のレスポンシブ検索広告の入稿件数や文字数の指定などは以下の通りです。表の通り、Google広告のレスポンシブ検索広告では最大15の広告見出しと4つの説明文を追加する事ができます。また、拡張テキスト広告同様に、表示URLにパスを2つ設定する事が可能です。拡張テキスト広告に関してはこちらの記事をご覧ください。関連記事:テキスト広告の基礎知識|設定方法や概要、文字数制限などの詳細を網羅的に解説各項目の詳細以下の画像はGoogle広告のレスポンシブ検索広告の入稿画面です。それぞれの項目について以下で解説を行います。①最終ページURL最終ページURLには広告をクリックした際にどのページへリンクさせるかを設定します。②表示URLのパスパスとは広告の表示URLに対してテキストを追加できる機能です。パス1,パス2ともに半角15文字(全角7文字)のテキストを登録可能です。リンク先のページがどのようなものかを記載するといいでしょう。パスの詳細については以下公式ヘルプを参考にしてください。参考:パス - Google 広告 ヘルプ③広告見出し広告が表示される際に最も大きく表示される項目です。広告見出しはそれぞれ半角30文字、全角15文字まで追加することが可能です。また、広告見出しは[広告見出しを追加]から最低3個、最高で15個追加することが可能です。[その他の候補]では、既存の拡張テキスト広告で使用されている広告見出しを閲覧し見出しに設定することが可能です。④説明文広告が表示される際に見出しの下に表示される項目で、それぞれ半角90文字(全角45文字)まで登録が可能です。また、説明文は[説明文を追加]から最低2個、最大4個まで登録することが可能です。⑤広告のURLオプショントラッキング情報を記録したい場合などにURLパラメータを入力します。トラッキングを行わないのであれば特に設定をする必要はありません。トラッキングについては以下の公式ヘルプを参考にしてください。参考:Google広告でのトラッキングについて - Google 広告 ヘルプ各種機能レスポンシブ検索広告には、以下のような様々な応用的な機能が備わっています。使い方によってはとても便利な機能なのでぜひ参考にしてみてください。位置固定キーワードの挿入カウントダウン地域の挿入以下でそれぞれ解説をしていきます。1.位置固定広告見出しや説明文の横にマウスカーソルを持ってくるとピンのようなマークが現れ、画像赤枠のように広告見出しや説明文を固定することが可能です。固定された広告見出しや説明文はその位置でのみ表示されます。例えば、「アルテナ株式会社」という広告見出しを広告見出し1へ固定した場合、広告見出し1にはそのほかの広告見出しは表示されません。しかし、「リスティング広告代理店」という別のキーワードを広告見出しへ追加し、広告見出し1へ固定を行った場合は広告見出し1に「アルテナ株式会社」「リスティング広告代理店」のどちらかが表示されます。レスポンシブ検索広告の特性上ユーザーの検索意図に合わせて見出しや説明文が表示されます。しかし、位置の固定を利用することによってユーザーの検索と広告見出し、説明文の一致する確率が減ることが予想されます。位置固定は便利な機能ではありますが、ユーザーの検索語句に対して自動で関連性の高い広告を配信するというレスポンシブ検索広告の特徴が制限されてしまうため必要最低限の利用がおすすめです。参考:レスポンシブ検索広告について - Google 広告 ヘルプ2.キーワードの挿入キーワードの挿入機能を使用することによって、ユーザーが検索し、広告表示につながった同じ広告グループ内のキーワードを自動的に追加することが可能です。この機能を活用することで、広告グループ内にあるキーワードとユーザーの検索語句が一致した場合に自動的に追加することが可能になるため、よりユーザーの検索と関連性の高い広告を作成することが可能です。キーワードの挿入機能は広告見出し・パス・説明文で利用可能で、具体的には、挿入したい箇所に中かっこ({)と入力をし、プルダウンメニューから[キーワードの挿入]を選択することで利用可能です。詳しくは以下のGoogle広告公式ヘルプが参考になります。参考:キーワードの挿入機能の概要 - Google 広告 ヘルプ3.カウントダウンカウントダウン機能は、[カウントダウンを終了する日]、[カウントダウンを開始する日]、[タイムゾーン]を入力することで、設定した終了日までのカウントダウンを自動的に表示させることできる機能です。例えば、[イベントまであと4日]や[キャンペーン終了まであと35分]などイベントや期間限定商品の終了をリアルタイムで反映させながら表示させることが可能です。カウントダウン機能の具体的な設定方法などは以下の公式ヘルプを参考にしてください。参考:カウントダウンでイベントの期待を高める - Google 広告 ヘルプ4.地域の挿入地域の挿入機能を用いることで、地域ごとに広告をカスタマイズすることが可能です。具体的には、ユーザーの現在地や見込み顧客が関心を持っている地域に応じて、都市名、都道府県名、国名が広告に自動で表示されます。参考:レスポンシブ検索広告の地域の挿入機能について - Google 広告 ヘルプまた、拡張テキスト広告にない項目として広告の有効性という項目が存在します。この項目は「未完了」「低い」「平均的」「良好」「優良」という5段階で評価されます。この項目では、以下の画像のように広告文に何が足りないかを視覚的に判断できます。たとえば、以下画像なら「広告見出しを追加」「よく使われているキーワードを広告見出しとして設定」などを行うことで、現在の広告の有効性「低い」を改善することが可能です。しかし、これはあくまでGoogleからの評価になりますので、この項目はあくまで参考程度に考えましょう。実際に自社の商品・サービスを購入してくれる人はどのような人かを考え、どのような見出しや説明文が購入に繋がるのか・効果的なのかを考え運用していくことが大切です。作成方法1.Google広告の管理画面からレスポンシブ検索広告を追加したい広告グループを選択。左側の[広告]を選択した状態で、青色の+ボタンをクリックし、[レスポンシブ検索広告]をクリックします。2.最終ページURL、パス、広告見出し、説明文など必要な項目を追加し、[保存して広告表示オプションを設定]もしくは[広告を保存]をクリックして設定は終了です。3.キャンペーン管理画面から追加した広告文を確認します。レスポンシブ検索広告の場合、広告タイプに「レスポンシブ検索広告」と表示されているはずです。Yahoo!広告レスポンシブ検索広告とはYahoo!広告では、今までレスポンシブ検索広告が利用できませんでしたが、2021年5月12日(水)よりYahoo!広告でもレスポンシブ検索広告(Responsive Ads for Search、RAS)の提供が開始となりました。参考:【検索広告】レスポンシブ検索広告提供開始のお知らせ - Yahoo!広告Google広告同様にタイトル・説明文を構成するテキスト(アセット)を複数入稿し、ユーザーの検索に合わせて自動的にタイトルや説明文が組み合わせられ、動的にテキスト広告を作成することが可能です。入稿規定Yahoo!広告のレスポンシブ検索広告の入稿件数や文字数の指定などは以下の通りです。各項目の詳細以下の画像はYahoo!広告のレスポンシブ検索広告の入稿画面です。それぞれの項目について以下で解説を行います。①広告名広告名は広告に対して文字通り名前をつけることができる機能です。それぞれの広告を識別するために自社の覚えやすい名前をつけるのがいいでしょう。②タイトル広告が表示される際に最も大きく表示される項目です。Google広告の広告見出し同様、半角30文字、全角15文字まで追加することが可能です。また、タイトルは[タイトル(アセット)を追加]から最低3個、最高で15個追加することが可能です。③説明文広告が表示される際に見出しの下に表示される項目です。Google広告の説明文同様に半角90文字(全角45文字)まで挿入が可能です。また、説明文は[説明文(アセット)を追加]から最低2個、最大4個まで登録することが可能です。④最終リンク先URL&表示URL最終リンク先URLには広告のリンク先として設定をしたいリンク先を登録します。表示URLはGoogle広告でいうパスに当たり、それぞれ半角15文字(全角7文字)のテキストを登録可能です。⑤スマートフォン向けURL&URLオプションスマートフォン専用のURLをお持ちの場合スマートフォン向けURLを利用します。別ドメインのスマートフォンサイトがなければ特に設定する必要はありません。URLオプションには、トラッキングコードなどを追加可能です。トラッキングURLやカスタムパラメータについてはトラッキングを特に実施しないのであれば設置は必要ありません。詳細については、以下の公式ヘルプが参考になります。参考:トラッキング情報の管理について(トラッキングパラメータ、カスタムパラメータ)各種機能拡大テキスト広告と比較して、利用可能な機能は以下の表をご覧ください。作成方法1.Yahoo!広告のキャンペーン一覧画面から、[広告]を選択し、真ん中下にある[+広告作成]をクリックします。2.追加したいキャンペーン、広告グループを選択し広告タイプの[レスポンシブ検索広告]をクリックします。3.最終ページURL、広告見出し、説明文など必要な項目を追加し、[保存]をクリックして設定は終了です。4.キャンペーン管理画面に戻り、追加した広告グループの[広告]をクリックして、追加したレスポンシブ検索広告が追加されているかを確認しましょう。適切に追加されている場合は、広告タイプが[レスポンシブ検索広告]と表示されているはずです。レスポンシブ検索広告作成時に抑えておきたい3ポイントレスポンシブ検索広告は通常のテキスト広告と違い、ユーザーの検索ニーズに合わせて、自動で広告見出しや説明文を最適化されるという特徴がありました。一見、とても便利な機能のように見えますが、使い方を間違えると広告文として適切ではないものになってしまう可能性も多々あります。そんな事態を防ぐためにレスポンシブ検索広告の作成の際のポイントとして、以下の3つが挙げられます。単体で意味をなす広告見出しや説明文を設定する拡張テキスト広告とクリック率のみの比較をしない実際に検索をして組み合わせを確認するそれぞれについて以下で詳しく解説していきます。1.単体で意味をなす広告見出しや説明文を設定するレスポンシブ検索広告は複数の広告見出しや説明文を登録することが可能です。その中から検索ユーザーに合わせて自動的に広告の見出し3つ、説明文2つが表示されます。その際、単体で意味をなしていないキーワードを登録していると広告文として意味の通らない広告文が作成されかねません。具体的に、以下の広告見出しを登録した場合を考えてみましょう。広告見出し1:リスティング広告の依頼なら広告見出し2:アルテナ株式会社広告見出し3:成果を出す広告代理店広告見出し4:web広告を検討中の方へ広告見出し5:ネット集客にお困りの方は広告見出し6:まずは無料相談この中から、最大で3つの広告見出しが表示されます。表示される例としては以下のようなものが考えられます。リスティング広告の依頼なら|アルテナ株式会社|成果を出す広告代理店リスティング広告の依頼なら|web広告を検討中の方へ|ネット集客にお困りの方はさまざまな組み合わせがありますが、1つ目のような場合3つの見出しが並んでも違和感のない文章になっていますね。しかし、2つ目の広告見出しは日本語として不適切な広告となってしまっています。このように文章の流れや語感まで汲んで自然になるように組み合わせを自動化してくれません。そのため、登録する広告見出しなどはそれぞれ単体でも意味をなし、語順がどのようなものであっても文章としてしっかりと意味の通るもので設定する必要があります。2.拡張テキスト広告とクリック率のみで比較をしないレスポンシブ検索広告はGoogle広告の公式ヘルプで以下のように解説されています。レスポンシブ検索広告では、より豊富なテキストを使って、ユーザーに関連性の高いメッセージを表示する広告を作成できます。レスポンシブ検索広告の作成時に複数の広告見出しと説明文を入力しておくと、その後 Google 広告によってさまざまな組み合わせが自動的にテストされ、掲載結果が最も高い組み合わせが使用されます。レスポンシブ検索広告では、広告のコンテンツと見込み顧客の検索語句との関連性が高まるように調整されるため、キャンペーンの掲載結果の向上を見込めます。引用:レスポンシブ検索広告について - Google 広告 ヘルプそのため、ユーザーの検索語句との関連性が高まるように広告が調整をされるためレスポンシブ検索広告を使用すると、一般的なテキスト広告と比較して広告のクリック率が改善される可能性があります。しかし、クリック率の向上がリスティング広告における最終目標ではないため、レスポンシブ検索広告を配信したことによって望む目標CPAを達成できているのかなど、本来の目的を見失わないように判断をする必要があります。3.実際に検索をして組み合わせを確認するレスポンシブ検索広告は、広告見出し15個、説明文4個と多くの見出しや説明文を追加できるのが特徴でした。しかし、広告が表示される際はユーザーの検索語句に対して様々な組み合わせで広告が表示されます。そのため、設定した広告見出しや説明文が狙っているキーワードで検索された際、適切に望む形で表示されているのか、また、望まない形で表示されてしまっていないかなどを確認することが大切です。実際に広告に触れるユーザーは広告の管理画面のことはわかりません。そのため、自分もユーザーと同じ目線で実際に検索をしてみることで広告文の改善ポイントや「もっとこういった言い回しの方が読んだときに違和感がないな」などの気づきがあるかもしれません。まとめレスポンシブ検索広告(Responsive Ads for Search、RAS)とは、複数の見出しや説明文を使ってよりユーザーに対して関連性の高いメッセージを配信できる広告タイプの一つです。使い方やノウハウ次第で大きく成果を左右しますので、ぜひ有効活用してみてください。関連記事:月50万円の広告配信を有意義なものにするために。望んだ成果が出ない理由と、私たちが成果を出すために意識していること