「友だちに一斉にメッセージを配信すると、契約しているプランのメッセージ上限に達してしまって...もう少しメッセージ数を節約しながら、効率よく配信をしたい」「人によって受け取りたいメッセージは異なるので、メッセージを配信する対象を選ぶようにしたい。友だちと適切なコミュニケーションを図りたい」LINE公式アカウントの運用担当者になると、こんなことを思った経験はないですか?LINE公式アカウントのオーディエンスを使うと、過去のメッセージを開封した人やリンクをクリックした人など、特定の人に絞り込んでメッセージを配信できます。それにより、上限のあるメッセージを節約しながら配信することができたり、必要な方に必要な情報を届けることが可能になります。上記のような悩みがあった方には最適な機能です。本記事では、オーディエンスとは何か?という基礎知識から、使い方、表示されないときの対処法など画像付きで解説していきます。LINE公式アカウントのオーディエンスとは?LINE公式アカウントのオーディエンスとは、特定の人だけにメッセージを送りたいときに配信対象者を絞り込むことができる機能です。オーディエンスを使うとどのような項目で絞り込めるのか、また似たような機能である「配信対象者を絞り込む『属性』」とはどのような違いがあるのかを解説します。7種類のオーディエンスLINE公式アカウントのオーディエンスは7種類あります。それぞれの種類と、どのような絞り込みが可能なのかを表にまとめました。オーディエンスタイプ内容ユーザーIDのアップロードオーディエンスとして絞り込みたい人のユーザーIDをtxt形式やcsv形式のファイルでアップロードして作成するオーディエンスクリックリターゲティング過去に配信したメッセージ中のリンクをクリックした人を対象に作成するオーディエンスインプレッションリターゲティング過去に配信したメッセージを開封したユーザーを対象にしたオーディエンスチャットタグオーディエンスチャットタグとは、運用者が友だちとチャットをしている場合に友だちに対して付けられるタグのこと。たとえば「リピーター」「新規」など自由に設定でき、チャットタグオーディエンスでは任意のチャットタグから絞り込みます。追加経路オーディエンス特定の経路で友だち追加したユーザーを対象にしたオーディエンスウェブトラフィックオーディエンスLINE Tagのトラッキング情報を基にしたオーディエンス予約オーディエンス「LINEで予約」を経由して予約した人を対象としたオーディエンス。参照元:オーディエンス - LINE for Business『属性』と『オーディエンス』の違い似たような機能である「配信対象者を絞り込む『属性』」では、下記の項目にもあるような友だちの「ユーザー属性」から絞り込みをします。性別年代地域友だち期間OSこれに対して『オーディエンス』では「過去にメッセージを開封した」「リンクをクリックした」といった友だちの「行動」から友だちを絞り込むことが可能です。オーディエンスと属性での絞り込みを併用して「以前に配信したメッセージのリンクをクリックした人で20代の女性」といったように配信する対象者を絞り込むことも可能です。こういった絞り込みが可能になると、「友だち一人ひとりに合わせてメッセージを配信したい」という要望にも近づく配信ができるようになります。オーディエンスの作成と配信方法オーディエンスを活用した絞り込み配信は、まずはオーディエンスを作成し、作成したオーディエンスを使って配信を行うという手順で進めます。オーディエンスの作成方法と配信方法について解説します。オーディエンスの作成方法LINE公式アカウント管理画面から作成をおこないます。パソコンで管理画面にログインし「ホーム」の「データ管理」から「オーディエンス」をクリックします。※注意点:オーディエンスを作成して配信をおこなうときは、パソコンを使ってください。スマートフォンアプリからはオーディエンスの作成や配信を行うことはできません。オーディエンスを作成する画面に変わりますので、右上の「作成」をクリックしましょう。下のような画面に変わります。オーディエンスの種類をプルダウンから選択し、任意のオーディエンス名を作成しましょう。オーディエンス名は、オーディエンスのタイトルのようなものです。今回はインプレッションリターゲティング(過去にメッセージを開封した友だちから配信対象を作成する方法)を例に進めます。オーディエンスタイプを選ぶと、ターゲット設定の下に過去配信したメッセージが表示されるので、対象のメッセージを選んでください。選んだメッセージを開封した友だちが、今回のオーディエンスの対象になります。メッセージ右側の「選択」をクリックしてください。「選択」を押すと次の画面に切り替わるので「保存」をクリックして完了しましょう。これでオーディエンスの作成が完了します。オーディエンスを使用したメッセージ配信方法オーディエンスが作成できたら「ホーム」→「メッセージ配信」→「メッセージを作成」をクリックして下画像の画面を開きます。「配信先」は「絞り込み」を選択し、「オーディエンス・過去の配信」の右側にある鉛筆のマークをクリックしてください。下のような小さな画面が出てくるので、作成したオーディエンスの「含める」をクリックし、続けて「追加」をクリックしてください。あとは配信日時やテキストなどを設定し、配信を行えば完了です。オーディエンスを使った配信方法については「LINE公式アカウントのターゲティングメッセージとは?特徴と絞り込み方法を画像付きで解説」でも解説していますので、合わせてお読みください。作成したはずのオーディエンスが表示されない、4つの原因と対処法手順通りにオーディエンスを作成したはずなのに、なぜか表示されない...そんなときに確認してほしい原因と対処方法を解説します。【原因1】オーディエンスのステータスが「準備中」オーディエンスを作成して間もないと、ステータスが「準備中」の場合があります。ステータスが「有効」になるまでには数時間かかることがあります。少し時間を置いてからオーディエンスが表示されるか確認してみましょう。オーディエンスのステータスは、オーディエンス一覧画面より確認可能です。「準備中」の表示から下の画像のように「有効」に変わるまで待ちましょう。今回は5分程度で有効になりました。「有効」のステータスになれば、オーディエンスの利用が可能です。【原因2】オーディエンスの「期限切れ」作成したオーディエンスには期限があります。「チャットタグオーディエンス」「ウェブトラフィックオーディエンス」を除いたオーディエンスの有効期限は、新規作成から180日です。そこからさらに1ヶ月が経過すると、自動で削除されて表示されなくなります。「期限切れ」と表示されていたら、再度作成しなければならないので注意しましょう。【原因3】ユーザーIDファイルによる「エラー」ユーザーIDアップロードをおこなうときにファイルのアップロードに問題が生じていると、オーディエンスのステータスが「有効」にならない可能性があります。ステータスに「エラー」という表示が出ていたらファイルに問題がないか確認してみましょう。なお、次のようなパターンがよく見受けられます。IDのフォーマットが異なる場合ファイル内に重複するIDが含まれる場合アップロードできるID数の上限 (1ファイルあたり 150万) を超過している場合 ※複数ファイルに分けることで150万以上のアップロードが可能ですアップロードされたファイルに有効なIDが含まれていない場合参照元:オーディエンス - LINE for Business【原因4】オーディエンスの「配信対象者が少ない」下記のオーディエンスについては、絞り込んだ結果、配信対象者が50人未満になる場合はオーディエンス機能が利用ができません。クリックリターゲティングインプレッションリターゲティング友だち追加経路オーディエンス予約オーディエンス事前に友だち数を増やすなどして、配信対象者を増やす施策を講じましょう。オーディエンスを使う2つのメリットオーディエンスを使って配信対象者を絞り込むメリットは、主に2つあります。それぞれ解説します。情報が必要な友だちを狙ってメッセージを届けることができるメッセージ配信の費用が抑えられる【メリット1】情報が必要な友だちを狙ってメッセージを届けることができるオーディエンスを使うメリットは、配信対象者を絞り込むことで友だち(LINE公式アカウント上での呼称)にとって関心の高い情報だけを届けることができる点にあります。関係のない情報が送られてくると嫌な気分になったり、迷惑に感じたりする人も少なくありません。その結果、開封率が下がったり、最悪の場合はブロックされたりすることもあるでしょう。オーディエンスを使って友だちが「知りたい」と思う情報だけを届けるように努めることで、より一人ひとりに合わせたメッセージの配信が可能になります。【メリット2】メッセージ配信の費用が抑えられるオーディエンス機能で配信対象者を絞り込むことで、配信にかかるコストを節約できます。配信するメッセージを必要としていない人にまで配信していると、無料メッセージ分を一気に利用してしまいます。各プランで配信できる無料メッセージ数は限られているので、効率よくメッセージを配信したいですよね。画像引用元:料金プラン - LINE for Businessスタンダードプランの場合は追加でメッセージ送信が可能です。しかしコミュニケーションプランやライトプランでは無料メッセージ分を超えて送る場合は配信数に応じた追加費用がかかります。対象者を絞って一回のメッセージ配信数を減らすことで、無料メッセージ分の利用を遅らせたり、スタンダードプランで追加メッセージを送る場合の費用も抑えられたりするといったメリットがあります。まとめLINE公式アカウントのオーディエンスを使うことで、よりお客さまのニーズに合わせた情報を届けることができ、アカウント運営側としても費用削減のメリットも得られます。設定に少し手間がかかりますが、活用できればお客さまとより良いコミュニケーションが図れるはずです。関連記事:記事は公開して終わりじゃない。記事をユーザーに届けるためにできる8つの方法