私たちは、外部からクライアントのマーケティング活動を包括的に支援する会社です。何かしらの技術や施策に強みを持つわけではなく、強いてあげるとすると「包括的なマーケティング支援を求めている企業」のご支援を得意とし、クライアントのマーケティング活動に必要な戦略・施策を考え、提案し、ご支援しています。「包括的なマーケティング支援を求めている企業」の多くは、自社にマーケティングチームを持たず経営者や営業部署の方、時には事務の方々がマーケティング施策の大半を行なっていることがほとんどです。またはチームはあるものの具体的なマーケティング活動をまだ開始しておらず、これから始めようとされている方々です。そんな方々のご支援を得意としている弊社ですが、ご支援の中で最も頭を悩ませるのがマーケティングチームの「チーム作り」です。クライアントと連携しながら、情報を収集し、戦略・施策を考え、必要な人材や外部会社をアサインし、できる限り短時間で立ち上げる必要があります(時間がかかればかかるほどコストが上がるため)。立ち上げた後もより高いパフォーマンスが上がるよう、チームが適切な形で運営できるような仕組みづくりも求められます。チームメンバーが同じ目標に向かって迷わず行動でき、行動のズレやパフォーマンスの良し悪しに合わせて、柔軟に修正できる。そんなチーム作りを心がけています。本記事では、私たちが外部から支援するマーケティングチームを作るために、大切にしている5つのステップをまとめました。インハウスのマーケティングチームを作る際も、ほぼ同じプロセスで取り組んで大外れすることはないはずです。そういった取り組みをされている方にも参考になれば幸いです。外部から支援するマーケティングチームを作り、スムーズに運営するために必要な5つのステップ包括的な支援だけに限った話ではないですが、私たちは支援するにあたって「戦略およびすべての施策が適切に連動すること」そして、「限られたリソース(時間、予算、人材)でなるべく多くのパフォーマンスをだすこと」を狙います。そして「単発の大当たり」ではなく「継続的な小当たり」を積み上げるための方法を考えます。SNSやコンテンツでのバズは狙って引き起こせるほど簡単ではなく、高品質なコンテンツを継続的に発信している中で、たまたま起こるものです。またマーケティングの初期段階で「単発の大当たり」を経験してしまうと、そこをひたすら狙うようになり、本来やるべきコンテンツの積み重ねを疎かにしてしまう可能性があるので、極力大当たりを狙うような戦略は考えません。その中で私たちは以下の5つのプロセスでマーケティングチームの立ち上げ・運営を行なっています。順番に解説していきます。ステップ1. 目標を決めるステップ2. やることを絞るステップ3. 実行して調整するステップ4. データを集めるステップ5. データをもとに調整するステップ1. 目標を決める目標がすべての思考の起点となります。「新規のリードを月間○○件獲得したい」「リピーターの数を増やしたい」「今まで獲得できてなかったターゲットからのお問い合わせを増やしたい」など、目標を明確にしましょう。最も危険なのは、マーケティングの初期段階から複数の目標を設定することです。限られたリソースを複数の目標に向けた施策に投下するのは非常に効率が悪いです。まずは目標を1つ決め、そこにリソースを投下する。そしてその目標が達成できたら、2つ目の目標に向かったり、1つ目の目標を達成しつつ2つ目の目標も同時に達成できないか考えましょう。まずは1つの目標に絞ることが大切です。弊社のご支援の中でも、お問い合わせ直後は複数個の目標を掲げたいという意向をいただくことがありますが、原則1つに絞っており、それが達成できたら2つ目の目標に移るor目標を加えるようにしています。ステップ2. やることを絞る目標が決まり、リソースが明らかになると、チームが取れるマーケティング戦略ややれる施策が見えてくるようになります。王道の戦略?を選択することもあれば、トリッキーな戦略を選択することもありますが、いずれにせよチームが実行できそうな施策をテーブルに並べれるようになります。難しいのはここからです。目標達成に最も近づく可能性の高い施策を選択し、絞っていきます。少ないリソースでできることは限られていますので、徹底的にやることを絞ります。やることを増やすのは簡単ですが、減らすことはとても難しいです。施策が1つ増えれば、仕事が1つ増え、管理する指標も1つ増え、良し悪しを判断するための時間が10分増えます。「目標が達成できる最低限の打ち手は何か?」を徹底的に議論しましょう。ステップ3. 実行して調整するやることを決めたら早々に、一度実行してみましょう。マーケティング活動をすでに行なっており、クライアントがマーケティング業務のイメージがつく場合はいいのですが、これから始めて行う場合は必要以上に悩んで考えても、やってみないと分からない事が多すぎます。ある程度の段階まで戦略や施策がまとまったら、実行してしまうのがおすすめです。施策を動かし始めると、思った以上のトラブルや課題が見つかります。逆に、期待以上のスピードで終わる仕事や、初動がいい施策なども見つかるでしょう。初期のファクトデータを集めながら、戦略や施策を調整していきましょう。マーケティングチームがまだ小さい段階で他社に勝てる唯一の強みは、スピードです。戦略を立て、すぐに実行し、ファクトを素早く集めて、戦略や施策を調整する。必要以上に悩むよりも、1つでも多くのファクトを早く集めて、それを元に悩んだ方が、よっぽど速く精度の高い改善につながります。ステップ4. データを集めるマーケティング活動をスタートし、初期の調整をすると、施策がスムーズに回り始めます。そして広告からCVを獲得し始めたとか、公開したブログから少しずつユーザーが自社サイトに訪問してくれるようになったとか、会員登録が増えてきたなどの「施策を継続したことで得られるデータ」が集まるようになります。仕組みの良し悪し、施策の良し悪し、結果の良し悪しなど、やってみて初めて分かるデータを集めていきましょう。このステップでは辛抱強くデータを集めるのが大切です。データが集まる前に施策や仕組みに大きな変更を加えるのは誤りです。継続することで成果が出てくる施策も多いため、初動が悪いからといってすぐに変えないように注意しましょう。できる限り、データを集めてそれを元にチューニングしたいため、施策がうまくいっていてもうまくいってなくても少し様子を見てみましょう。ステップ5. データをもとに調整する実行してみて集まったデータを元に、仕組みや施策を調整します。チェックのプロセスを省略して時間を短縮したり、不必要な施策をやめたり(効果は出てなくても続けるべき施策などもある)、施策の方向性の調整をしたりなど、人材の再配置など、仕組みや施策を調整しましょう。より速く、楽に、低コストな方法で、大きな成果が目指せないか考えて調整しましょう。あとは再度データを観察しながら、仕組みを調整する、ステップ4とステップ5を繰り返します。外部要因や事業のフェーズによっては、ステップ4とステップ5を繰り返しているだけではダメなこともあるため、ステップ1に戻って戦略から練り直しましょう。まとめマーケティングチームの「チーム作り」は以下の5つのステップで進めると良いでしょう。インハウスチームを作る場合も、外部の支援会社と組む場合もぜひこの順番で取り組んでみてください。ステップ1. 目標を決めるステップ2. やることを絞るステップ3. 実行して調整するステップ4. データを集めるステップ5. データをもとに調整するそして成果を出すことが何より重要なのですが、成果はすべてのプロセスの結果であり、マーケティングチームがコントロールできるのはプロセスのみです。(私たちは「企業のマーケティングを支援する会社」ですが、より具体的に記載すると「企業のマーケティング活動に必要なプロセス・チームの最適化を支援する会社」です。)結果が出ない時こそプロセスやチーム作りの過程を疑って、良いプロセスやチームを目指してみてください。事例. 株式会社ライフテック様(建材メーカー)株式会社ライフテック様は、工場や倉庫の屋根に使用する建材を扱うメーカーです。当初は、ご予算や採用の課題もあり、なるべく予算をかけずリードを獲得し、少数精鋭の営業人材で受注につなげること(アウトバウンドではなく、インバウンドマーケティングでのリード獲得)を目指しました。弊社とのインバウンドマーケティングの取り組みの最初に、顧客の悩みや行動の仮説を洗い出し、それに沿ったコンテンツ作り、コンテンツ伝達手段を考えました。その結果、1年で売上は約2倍に成長、お問い合わせ数も約3倍となりました。お客様インタビュー:「ニッチ商品でも、知恵を絞ればマーケティングで成果を出せる」予想外の提案から始まり、売上が2倍以上に伸びた取り組み