工務店やハウスメーカーによる集客方法は近年スタイルの変更を余儀なくされつつあります。かつて地方の工務店では住宅展示場にモデルハウスを建て、展示場が開催するイベントをもとに集客する方法が主流でした。しかし近年、人との接触や混雑した場所を避けたり、オンライン上であらかじめ自分好みの工務店を吟味したうえで来場するといった動きが人々の間で広がりつつあります。そのため展示場が開催するイベントに依存した集客では、顧客に見つけてもらうことすら困難になってきています。Instagramなど人々の住宅検討に役立つようなSNSが充実してきているのも相まって、集客施策の主戦場は今やオンライン上がメインと言っても過言ではありません。実際に私たちが支援している工務店のクライアントも、月100万円以下の広告予算でもWeb広告経由で月に数百件のLINE友達追加や資料請求、来場予約といった新規リードを獲得しています。そこで本記事ではこれからオンライン上で集客を行いたいと考えている工務店の方々に向け、Web広告による集客手法を中心に工務店集客のノウハウについて解説していきます。なお本記事では工務店の方々が自力で集客することを目指す際の一助にしていただきたいという趣旨で執筆しているため、ポータルサイトへの掲載に関する内容は割愛させていただきます。工務店集客に効果的な手法の一例オンラインでの集客にはWeb広告のように予算が必要なものから、費用のかからないものまでさまざまな方法があります。本項では代表的な以下4つの方法についてまず解説します。Instagramのオーガニック運用Instagram上の広告コンテンツマーケティングリスティング広告Instagramのオーガニック運用まず始めにInstagramのオーガニック運用についての解説です。"オーガニック"とは一般的に広告による表示以外でユーザーに投稿が表示されることを指します。広告費をかけずにアカウントを運用することをオーガニック運用と言います。Instagramは写真や動画といった視覚情報による投稿を主としたSNSです。20代~40代の子育て世代も多く利用しており、工務店のターゲット層に情報が届きやすいSNSでもあります。Instagram上には一般ユーザーによるお洒落な投稿のみならず、工務店やハウスメーカー、その他インフルエンサーによる家づくりに役立つ情報が充実しています。そのため家づくりを検討している多くのユーザーはInstagram上で情報収集を行っているので、工務店集客においてInstagramのオーガニック運用は、自社を見つけてもらったりより興味を深めてもらうための施策として必須と言えるでしょう。またInstagramでは#(ハッシュタグ)機能により、ユーザーが探している情報をInstagram上で探しやすくなっています。たとえば『#木のお家』と検索すれば『#木のお家』とタグ付けされた投稿を閲覧することができます。またユーザーは気に入った投稿をフォルダごとに整理して保存しておくことができます。ユーザーは気に入った投稿を保存しておくことで、理想の家づくりのヒントとなる画像をいつでも見返せるようにしておくことができるのです。こうした機能も相まって住宅を検討しているユーザーにとってInstagramは非常に便利なツールとなっています。Instagram上の広告Instagram上で広告配信を行うことで、オーガニック運用だけでは届けることができないような幅広いユーザーに対して情報を届けることができます。上述の通りInstagramは住宅を検討している人が数多く利用しています。そのため、Instagram上で住宅に関わる情報を広告配信することで、Twitterなどその他のSNS上に広告配信をするよりも多くの反応を得られる可能性が高いです。ただし注意が必要なのは、Instagram上で多くのユーザーが情報収集をしていることは周知の事実のため、数多くの工務店やハウスメーカーがInstagram上に広告を配信しています。ユーザーもそういった事業者による広告を見慣れているので、「モデルルームの来場予約、受付中」など、ありきたりかつユーザーメリットがあまり感じられない広告訴求では効果がほとんど得られないこともあります。コンテンツマーケティングコンテンツマーケティングとは、自社の顧客となる方向けのコンテンツをWeb上で公開する集客手法の1つです。コンテンツには動画コンテンツやテキストと画像を組み合わせた記事コンテンツ、ダウンロード資料などさまざまな形態があります。中でも自社の特徴に即した記事コンテンツをホームページ内に充実させることで、競合他社との違いや自社の強みをよりはっきりと顧客に理解してもらいやすくなります。たとえば自然素材を活かした家づくりをしている工務店であれば、無垢材や漆喰を住宅に使用することに関する記事コンテンツを豊富に用意するとよいでしょう。また記事コンテンツは自社の特徴をアピールする目的以外にも活用できます。具体的には住宅ローンや土地探しに関する注意点、床暖房と全館空調の違いなどといった顧客が住宅検討の過程で生じる課題の解決に焦点を当てた記事コンテンツを作成するのがおすすめです。その課題に対して自社がどう貢献できるかを記載することでお問い合わせに繋がりやすくなります。そうした課題解決型のコンテンツをInstagram広告をクリックした先のWebページとして使用することで、競合他社では訴求していないようなユニークな切り口からユーザーにアピールすることもできます。リスティング広告最後にリスティング広告の解説です。リスティング広告は別名、検索連動型広告と呼ばれ、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索しているユーザーに対して広告を表示することができます。検索をしているユーザーは、何か抱えている課題を積極的に解決しようとして検索していることが多い傾向にあります。そのためInstagramなどのSNS広告と比べると、モデルハウスへの来場予約などといった比較的ハードルの高い行動でもとってくれる可能性が高い傾向にあります。SNS広告とリスティング広告それぞれの特徴にあった配信目的を設定し、広告配信を行うことでより高い効果を得られます。リスティング広告についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。リスティング広告とは?概要からメリット・デメリットまで分かりやすく解説広告配信を始める前の事前調査次は集客施策を実践する前に必要となる事前調査について解説します。どのような訴求であれば自社の顧客に響くのか、競合他社はどのような訴求をしているのかをあらかじめ把握しておくことでより効果的な集客施策を実践できます。上の画像は弊社が行う事前調査の一部です。このような事前調査があってこそ、有効な広告施策を打ち出すことができます。以下に紹介する調査はほんの一例ですが、みなさんもぜひ取り組んでみてください。なお、事前調査は以下の目的で調査します。競合調査を通して自社が選ばれる理由を整理するため顧客理解を深め、施策で打ち出す効果的な訴求を見極めるためカスタマージャーニーマップを作成し情報の届け方とタイミングを検討するため1.競合調査を通して自社が選ばれる理由を整理するまずは競合調査を行います。競合他社と自社の違いを認識することで、集客施策でどのような点を訴求すれば効果的なのかが分かります。具体的には以下のような観点から調査します。これらの項目は必要最低限なものですので、必要に応じて調査内容を追加するとよいでしょう。ターゲット層:年代や収入など自社がどういった客層を対象としているかユーザーメリット:自社が顧客に選ばれている理由製品特徴(Product):サービスや製品の特長販売価格(Price):施工価格の価格帯販売場所(Place):対象としている商圏、モデルハウスの有無など販売方法(Promotion):行っている集客施策競合他社との違いが明確になることで自社が打ち出すべき訴求ポイントを決めるきっかけになります。次に解説する顧客理解を深める過程を踏むことでより明確な訴求ポイントが見つかるはずです。2.顧客理解を深め、施策で打ち出す効果的な訴求を見極める次に顧客理解を深めていきます。顧客理解とは以下のようなことを指します。顧客理解とは、商品やサービスを提供している「顧客」に関して、抱えている課題や不安をはじめとした気持ちや思考、課題解決のために取る行動、顧客を取り巻く環境や状況など、広く深く網羅的に理解することです。顧客についてどこまで把握できてますか?顧客理解の重要性から意識するポイントについて解説顧客が住宅を検討する中で、どのような課題感や不安を持っているのか、どのようなニーズを抱えているのかといった点を明らかにすることで、そうした顧客の気持ちや思考に寄り添った集客施策を検討することができます。よい訴求というのはどれも、"顧客が"困っていること、"顧客が"解決したいことを中心に訴求する『顧客起点』となっていることが多いです。反対に"会社が"押し出したい特徴や"会社が"顧客にとってほしい行動を促すだけの訴求は、顧客にとって魅力的に映らず無視されかねません。顧客理解と競合調査を通して、どういった顧客にどういった情報を届けたら効果的なのかという点をまずは検討しましょう。顧客理解について詳しく知りたい方は先に引用した記事も参考にしてみてください。3.カスタマージャーニーマップを作成し情報の届け方とタイミングを検討する次にカスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは"顧客が商品やサービスと接点を持つ前から、接点を持ち、購入し、購入した後の一連のプロセスを「旅(ジャーニー)」として表現したもの"です。具体的には以下の画像のように、「顧客が購入に至るまでに、どのタイミングで何に困っていて、どこでどう解決していくのか」を表にまとめます。なぜカスタマージャーニーマップが必要になるのかというと、競合調査と顧客理解で得られた効果的な訴求ポイントを、「適切なタイミングでかつ適切な方法で届ける」手段を検討する際に必要となるからです。例として自社の顧客となりうるユーザーに対して自社を認知してもらうことを目的として施策を検討する場合を想定して解説します。上部のカスタマージャーニーマップの例にあるとおりターゲットとなる顧客の多くがInstagramで情報収集をしていると分かっていれば、FacebookやTwitterを使用するべきか、Google検索している人に向けて施策を行うべきかなどと迷わずにInstagram上で施策を行うという判断ができるはずです。Web施策において、どのような訴求を行うかということと同等に重要となるのが「どのタイミングで情報を届けるか」ということです。「こんな情報がちょうど欲しかった!」と思ってもらえることを目指して施策を検討できるとよいですね。顧客の検討段階に合わせたハードルの接点を持とう先ほどの項で「どのタイミングで情報を届けるか」が重要だということをお伝えしました。住宅に関してまだまだ検討し始めたばかりの顧客と、さまざまなモデルハウスを見学し検討を重ねた顧客とでは抱えている課題も変わってきますよね。集客施策を効率的に行うためにはそれぞれステージにいる顧客がどのような課題を抱えているかを把握し、その課題に合わせた顧客との接点を工務店側が用意しておく必要があります。顧客のモチベーションや要望に応じて接点は複数用意しておく顧客のモチベーションや課題に合わせた接点について、まずはどのような接点を設けることができるのかについて、以下にその一例を紹介します。Instagramの公式アカウントをフォローLINE公式アカウントの友達追加メールマガジンの登録一般非公開の会員限定コンテンツ電話問い合わせ会社資料、カタログの請求モデルハウスへの来場予約オンライン上で完結できるInstagramのフォローやメールマガジンの登録といった接点は、モデルハウスの見学のように家族間で合意をとる必要がなく、かつ工務店側に提供する個人情報も少ないため顧客にとっても比較的安易に行うことができます。対照的にカタログや資料の請求といった行為は工務店側に住所や電話番号といった個人情報を提供する必要があるため、顧客によってはハードルが高く感じられます。またモデルハウスの見学においても来場予約をする過程で顧客の家族間で日程調整を行う必要があるなど、ハードルが高くなる傾向にあります。ハードルが高い接点ほど顧客の見込み度合いも高くなりますが、そればかりを顧客に求めていても信用が得られていない段階では中々行動に移してもらえません。まずはハードルの低い接点から顧客とのつながりを持ち、長期的な視点で顧客との信頼関係を築いていく必要があります。少し興味を持ってくれた顧客と繋がっておくための軽い接点初めて自社を知ってもらったタイミングでは顧客にとって「ちょっとこの工務店いいかも」といったように、少し気に留めていただく程度の興味にとどまるケースは多いです。そういった顧客にはInstagramをフォローしてもらったり、LINE公式アカウントやメルマガを登録しておいてもらうなど軽めの接点を用意しておくとよいでしょう。まだそこまで興味を持ってくれていない顧客に対しても、Instagramやメールマガジンなどのメッセージを通して徐々にコミュニケーションを重ねていくことで、のちに積極的に興味を持ってくれるようになる可能性は十分あります。適度な頻度を心がけて、定期的に顧客へ情報を提供し思い出してもらうための接点をまずは用意しておきましょう。積極的に興味を持ってくれた顧客と繋がるための接点顧客の中でも住宅の購入をすでに決めており、積極的に情報を収集しているような方に自社を気に入ってもらえたら、そういった顧客に対してより密接なコミュニケーションができるような接点を用意しましょう。会社資料やカタログの請求といった行動は住所などの個人情報を提供する必要がある分、顧客にとってはハードルが高い接点です。しかし「届いた資料を家族間で見ながら検討したい」のように見込みの高い顧客にとってもらえる行動でもあります。顧客の個人情報を預けていただく代わりに、顧客のなかでの住宅検討がよりスムーズに進むような密度の高い情報提供ができる接点を用意しておきましょう。※こちらは弊社で支援させていただいているクライアントが顧客へ提供している資料です。自社の紹介だけでなく、顧客の検討を助ける内容の資料も複数あるため、資料送付後にモデルハウスへの来場や商談へと結びつきやすくなっています。このように顧客の中での信頼を得られるように資料があるとその後の成果に結びつきやすくなります。検討を進めたい顧客へより深い検討を促すための接点家を建てる工務店を決めようとしている段階の顧客には、実際にモデルハウスへ来場してもらうのが最も効果的です。ただし来場の予約をするという行為は、ユーザーにとって意外とハードルの高い行動となります。多くの場合、モデルルームへ来場する際には夫婦のニ人以上で来場されることでしょう。その場合家族内の誰か一人の一存では来場の日程を決められず、ニ者間で日程を調整するという段階を踏む必要があります。この時点で、資料請求のように誰か一人の一存で行われやすい行動よりもハードルが高くなってしまうことが分かるかと思います。また「完成見学会」のように見学可能な日程が限られている場合は別ですが、常設されているモデルハウスの場合は「今すぐに行かなくともいつでも見られる」と思われてしまいかねません。「今すぐ見てみたい!」と思われるような魅力を感じてもらえる工夫が少ない場合、常設のモデルハウスへの来場を促しても保留されてしまうことが多いかもしれません。モデルハウスへの来場予約をより多く獲得するためには、ホームページを訪れたユーザーに対して「実際に見てみたい」と思ってもらえるような工夫を施したり、期間限定の来場特典を用意するなどといった施策が必要になります。ただし来場特典を高価なものにしすぎると、それだけを目当てに来場されてしまうおそれもあるので注意が必要です。それぞれの検討段階に合わせた広告を配信しよう競合や顧客について理解を深め、適切な顧客接点を用意したところで次は広告を配信します。広告配信を通してより多くの顧客に自社を知ってもらいましょう。広告配信する際の注意点やノウハウ以下4つについて順に解説していきます。広告媒体を選定しよう顧客接点の獲得に繋がりやすい広告での訴求内容を検討しよう訴求内容に合わせたページを準備しよう『顧客起点』の訴求広告の遷移先ページには、課題解決型のコンテンツを用意しよう1.広告媒体を選定しようまずは広告媒体の選定を行います。予算規模にもよりますが、1カ月あたり200万円未満であれば多くの予算をInstagram広告へ投下するとよいでしょう。先述の通りInstagramを使用して家づくりのイメージを固めているユーザーは多いので成果を見こめる可能性は高くなります。ただしInstagramを閲覧しているユーザーは、必ずしも常に何らかの解決したい課題や目的をもって閲覧している人ばかりではないことも事実です。そのためInstagram広告で獲得を狙う顧客接点は、LINE友達追加やメルマガの登録など比較的ハードルの低いものを中心にしたほうがよいでしょう。GoogleやYahoo!で検索しているユーザーへ広告を表示するリスティング広告へも一部出稿することで、積極的に工務店を探しているユーザーにアプローチすることができます。そうした広告媒体ではユーザーが積極的に情報収集しているタイミングで広告表示ができるため、来場予約など比較的ハードルの高い顧客接点も獲得しやすい傾向にあります。投下予算と獲得している成果のバランスを見ながら広告媒体を選定しましょう。2.顧客接点の獲得に繋がりやすい広告での訴求内容を検討しよう配信媒体を選定したら、つぎはどんな訴求内容で顧客との接点を獲得していくとよいかについて検討しましょう。訴求内容の善し悪しは実際に配信してみないと分かりませんが、これまでの配信経験からのあくまで主観ですが以下のような傾向にあると考えています。ーよい訴求"顧客が"困っていること、"顧客が"解決したいことを訴求する『顧客起点』ー悪い訴求"会社が"押し出したい特徴や"会社が"顧客にとってほしいことを訴求する『会社起点』「顧客が何に困っているのか?」に焦点を当て、その解決策となる提案をお伝えするイメージで広告の訴求を検討できるとより高い効果を望めるでしょう。顧客起点の訴求とは、具体的にどのような訴求方法があるのかについて簡単に事例を紹介します。寒い季節に、床暖房や全館空調などの暖房設備の選び方に関する訴求暑い季節に、断熱材や遮熱材、全館空調など家を涼しくする家づくりに関する訴求平屋を建てる際の気になるメリット、デメリットに関する訴求訴求内容を検討する際にはぜひ競合調査で得られた情報をもとに、競合にはできない自社だからこそできる提案や、顧客のニーズに基づいた提案ができるとよいですね。3.訴求内容に合わせたページを準備しよう魅力的な訴求を思いついたとしても、それに対応した広告の遷移先ページがなければ顧客はすぐにサイトから離脱してしまいます。訴求内容に応じたページを広告の遷移先に設定するか、もし適したページがなければ新たに作成しましょう。たとえばとある工務店が顧客からの資料請求を獲得するために「自由な間取りで設計するのが得意」という訴求で広告を配信しているとします。資料請求をしてほしいがために、いきなり送付先住所などを入力するフォームへ広告で顧客を誘導したとしたらどうでしょうか?せっかく興味を持ってサイトへ訪れたユーザーもいきなり個人情報の入力を迫られたら警戒してしまいます。遷移先のページには最低でも「どのような資料が送られてくるのか?」「個人情報と引き換えにどんな役立つ情報が手に入るのか?」といったことが記載されている必要があります。4.『顧客起点』の訴求広告の遷移先ページには、課題解決型のコンテンツを用意しようよい訴求は「"顧客が"困っていること、"顧客が"解決したいことを訴求する『顧客起点』である」と説明しました。課題を抱えた顧客に訴えかけるような広告の遷移先ページには『課題解決型の記事コンテンツ』を用意するとより効果的です。課題を抱えた顧客は、広告をクリックするとき「抱えている課題が解決できる」と期待してクリックします。その期待を裏切らないためにも課題解決型の記事コンテンツは必要です。さきほどの「自由な間取りで設計するのが得意」という特徴の工務店を例に解説します。間取りを自由に設計したいと考えている顧客は、家事動線が整った家事が楽になる間取りであったり、夫婦それぞれの仕事や趣味に適した間取りをつくりたいと考えているかもしれません。そのような課題に応えるように、過去の施工事例や間取りづくりに関する注意点などを記載した課題解決型の記事コンテンツを用意します。そして記事コンテンツの終わりには資料請求を促すようサイト内の動線を設計します。記事を読んだ顧客が「もっとこの工務店から情報を知りたい!」と思ってもらえたなら、進んで資料請求してくれるかもしれません。社内で役割を分担し施策を推進する以上、Web施策のノウハウについて一通り解説しましたが、最後に社内の役割分担について解説します。Web施策は、複数の人々がそれぞれの役割を担当することでより円滑にして進めていくことができます。社内の部署それぞれでどのような役割を持つべきか、簡単にまとめましたので今後の施策を進めるうえで参考になれば幸いです。広報担当者の役割広報担当者の方はWeb施策の実務面を主に担当することになります。社内の知見をうまくWeb施策へと反映し集客を成功させましょう。代表的な業務としては以下のようなものがあります。SNSのオーガニック運用SNS広告、リスティング広告の運用コンテンツの作成メルマガ配信、LINE友達へのメッセージ会社資料の企画、作成顧客理解、競合調査、カスタマージャーニーマップの作成を主導このように代表的な業務だけでも結構な業務量となります。広告の運用だけは外注するなど、必要に応じて業務量の調整や専門家への委託を検討しましょう。外注をするべきかどうかについて解説した記事もありますのでよろしければ合わせてご確認ください。SMBのマーケティング活動は、アウトソース(外注)を積極活用したほうがいい3つの理由また『顧客理解、競合調査、カスタマージャーニーマップの作成』といった初期調査は施策を検討する前に行いますが、この業務は広報担当者のみならず、後述する営業担当者や経営者も交えて行うことでより鮮明な調査結果を得られます。部署を横断して初期調査を行うことで他部署間でも目線が合いやすくなり、社内全体で一貫したマーケティング施策に取り組むことができます。営業担当者の役割営業担当者の方は最も顧客と関わる立場にあります。顧客の最新の好みや抱えている課題などといった動向、Web施策による影響を社内に向けて発信することで、より効果的なWeb施策へと昇華させることができます。Web施策における営業担当者の代表的な業務は以下のようなものがあります。顧客の好みや抱えている課題などの気づきを広報担当者へ伝達Web施策による影響などがあれば広報担当者へ伝達SNSへ投稿するための画像や動画といったネタを広報担当者へ提供顧客理解、競合調査、カスタマージャーニーマップの作成またSNSへ投稿するネタとなる写真や動画を得やすいというのも現場に近い営業担当者の特徴です。上述のように広報担当者へそうした写真や動画といった素材を提供するのもよいでしょう。経営者の役割経営者の方は主に施策の決済や評価を担当するとよいでしょう。現在行われている施策のアクセルを踏んだほうがよいのか、ブレーキをかけたほうがよいのかなどといった調整も加味できるとよいです。Web施策における経営者の代表的な業務は以下のようなものです。施策の実行可否など決済判断行われた施策に対する成果の評価顧客理解、競合調査、カスタマージャーニーマップの作成まとめ以上、工務店によるオンライン上での集客ノウハウについて解説いたしました。ポイントとしては以下の点となります。自社や競合他社の特徴と、顧客のニーズや行動を把握しよう顧客のモチベーションに合わせた顧客接点を用意しよう顧客起点の訴求を意識した広告配信をしよう社内で役割分担して施策を進めよう工務店は競合他社となる会社が多く、かつ顧客側も人生一度の買い物のため熱心に情報収集を行っているので会社側の情報発信の仕方や内容がとても重要となります。検討期間が長い商材ですのですぐ家を建てたいと思っている成約に近い顧客ばかりでなく、将来家を建てる可能性のある顧客の情報収集や意思決定を手伝うことを意識した集客施策を展開できると、競合他社より一歩進んだ取り組みができます。ぜひ本記事を参考に集客施策の見直しや開始を検討していただければ幸いです。またハウスメーカーのInstagram広告でお問い合わせ獲得を増やした事例も公開しております。併せてご覧くださいませ。関連記事:Instagram広告の「訴求内容」と「広告配信する顧客のフェーズ」を見直して、お問い合わせ獲得を増やした改善事例(ハウスメーカー)