ユーザーがコンバージョンまでに、さまざまなチャネルと接点を持ちながらコンバージョンに至ることは少なくありません。特に提供しているサービスが高額であったり、販売先が個人ではなく企業とになると意思決定までの検討期間は長くなりやすく、ユーザーは検討期間内に多くのチャネルで企業と接点を持つこととなります。そのため、コンバージョンにつながった経路や貢献したチャネルを把握しておかないと、効果を発揮している施策が分からなくなったり、正しく効果を確認できなくなってしまいます。今回はコンバージョンにつながった経路を確認するための「コンバージョン経路」について解説をします。コンバージョン経路とはユーザーがコンバージョンするまでに接点を持ったチャネルの種類やチャネルと接した回数を時系列順につなぎ合わせ、可視化したデータがコンバージョン経路です。ユーザーは購入の意思決定前に検討を行うことがあります。ユーザーは検討に必要な情報をネット上から集め、集めている最中に自社の複数のチャネルと接点を持つことがあります。(広告・検索・口コミ・看板など)コンバージョンにつながった最終的なチャネルの効果だけを計測するだけではなく、初回接触、再接触を含めた、広い視野で効果を確認するために見ておきたいのが「コンバージョン経路」です。あわせて覚えておきたいデータ「アトリビューション」とはコンバージョン経路と似た指標の一つに「アトリビューション」があります。アトリビューションとは、ユーザーがコンバージョンするまでに接触した各メディアに貢献度を割り当てたデータです。コンバージョン経路との違いは、貢献度を考慮している点です。コンバージョン経路は貢献度を考慮せず、接触したチャネルを時系列順に表示し、コンバージョンに至った経路を示すデータです。一方、アトリビューションはユーザーがコンバージョンするまでに接点を持ったチャネルに、設定したアトリビューションモデルのルールに則した貢献度が割り振られたデータです。※以下の図はデータドリブンアトリビューションの貢献度割り振りの例です。コンバージョンにつながった経路(チャネル)をコンバージョン経路で確認し、貢献度の大きいチャネルをアトリビューションで確認すると、より詳細なデータを取得できます。アトリビューションに関しては弊社の別記事でより詳しく解説をしているので、せひ一読ください。関連記事:Googleアナリティクスのアトリビューションモデルとは?モデルの種類とデータの確認方法を解説コンバージョンの経路を確認する2つの方法コンバージョンの経路を確認する方法は以下の2つがあります。どちらもコンバージョンの経路を確認できますが、入手したい情報によって使い分けを行うのがお勧めです。経路データ検索のレポートから確認する方法コンバージョン経路レポートから確認する方法経路データ検索は、コンバージョンの有無にかかわらず、特定のイベント・べージを「起点」もしくは「終点」に設定し、ユーザーの行動経路をツリーグラフで示したデータです。「起点」もしくは「終点」をコンバージョンのイベントに設定することで、コンバージョンしたユーザーがWebサイト内で辿った経路が確認できます。※以下は経路テータ検索のレポート画像です。Webサイトに訪問したユーザーが閲覧したページや計測されたイベントなどを細かく確認したい場合は経路検索データを使用するのが良いでしょう。ただし、経路データ検索ではチャネルやセッションを跨いだ経路は確認できません。経路データ検索はコンバージョン経路を検索するためのデータではなく、1回のセッション中にユーザーが閲覧したページや経路、計測されたイベントを確認するデータです。過去の接点などは考慮されないので気を付けましょう。一方、コンバージョン経路レポートは、コンバージョンにつながった経路のみを表示し、チャネルやセッションを跨いだ経路が確認できるデータです。コンバージョンにつながった経路を全て表示し、過去に持った接点やチャネルなどを含めたコンバージョンの経路が確認できます。※以下はコンバージョン経路レポートの画像です。コンバージョン経路レポートでは、チャネルやセッションを跨いで経路の確認ができますが、経路データ検索のような細かな情報は確認できません。コンバージョン経路レポートでコンバージョンまでに触れたチャネルを把握し、経路データ検索でWebサイトに訪問したユーザーの導線を確認すると、コンバージョンしたユーザー行動の解像度を上げられます。コンバージョン経路を確認する2つのメリットコンバージョン経路を確認すると広い視野で施策の効果を確認できたり、ユーザーの行動を予測できるようになります。以下ではコンバージョン経路を確認するメリットを詳しく紹介します。行っている施策の効果確認と施策の取捨選択ができるコンバージョン経路レポートを確認すると、ユーザーと接点を持ったチャネルが明らかになります。経路を調べることで、自社が行っている施策のうち、コンバージョンに寄与していないものや接触が少ないものを特定できます。つまり、改善が必要な施策を見極められます。コンバージョン経路を把握せずに施策を変更したり、無闇に改善を行うと、実際にコンバージョンに貢献していた可能性がある施策を失うことになりかねません。コンバージョン経路を見ることで、施策の効果を正確に評価し、最適な戦略を選択できます。コンバージョンにつながる可能性のある施策が予想できる一定数以上のデータ(コンバージョン数)を獲得した状態でコンバージョン経路を確認すると、コンバージョンにつながるユーザーと多く接点をもつチャネルや、よく閲覧されるページなどの傾向がつかめるようになります。掴んだユーザーの傾向を元に、情報の届先をコンバージョンしたユーザーに類似させることでターゲティング精度を向上することができます。また、コンバージョンしたユーザーがよく閲覧するページ内容と類似したコンテンツをさらに発信することで、コンバージョン増加につながる経路を増やすことができます。コンバージョン経路の確認手順前項でも紹介したように、コンバージョン経路の確認方法は2つあります。以降ではそれぞれの確認手順を解説します。経路データ検索を使用した確認方法GoogleアナリティクスのTOP画面左カラムから「検索」のタブをクリックします。(下図赤枠)クリック後に切り替わった画面から画面右端の「経路データ検索」をクリックします。(下図赤枠)クリック後に表示される、デフォルト状態の画面右上から「最初からやり直す」をクリックします(下図赤枠)クリック後にデフォルトのレポートが削除されるので、「終点」をクリックします。(下図赤枠)クリック後にポップアップで検索したい「ノード」(経路を検索する指標)を選択します。今回はコンバージョンにつながったユーザーが閲覧したページの経路を確認します。したがって「ページタイトルとスクリーン名」を選択します(下図赤枠)選択後に右カラムからコンバージョンのページ(サンクスページ)を選択します。(下図赤枠)クリック後に表示されるのが、経路データ検索のレポートです。(下図赤枠)枝分かれしたデータをクリックするとさらに枝分かれして表示され、ユーザーが辿った道筋が分かるようになります。コンバージョン経路レポートを使用した確認方法GoogleアナリティクスのTOP画面左カラムから「広告」タブをクリックします。クリック後に切り替わる画面の左カラム「アトリビューションパス」をクリックします。(下図赤枠)クリック後に表示される画面が「コンバージョン経路レポート」(アトリビューションパス)です。まとめ今回はコンバージョン経路を確認するメリットと確認の方法について解説をしました。コンバージョン経路の確認は広い視野で施策の効果を確認できます。行っている施策が成果につながっていないと、ついつい問題のありそうな施策だけに集中して改善点を探すこともあると思います。しかし、コンバージョンにつながるまでには、ユーザーと自社が複数のタッチポイントを持っていることもありますので、広い視野で施策の効果を確認すると本当の改善点が見つかることもあります。関連記事:Webマーケティングが上手くいっているホームページの特徴って?そんなホームページに共通する、今すぐ真似したい4つの特徴