Googleアナリティクスを使用してユーザーのWebサイトへの流入経路を見たことのある方は「『Direct』とはどこからの流入のことだろう?」と思った事があるのではないでしょうか?実はひと括りに「Direct」のチャネルとなっていても、「Direct」の流入経路の内訳はさまざまです。本記事ではGoogleアナリティクスの「Direct」の指標について説明し、Webサイトへの流入経路が「Direct」と表示された場合に考えられる原因と、チャネルを確認すべき理由について解説します。Googleアナリティクスの「Direct」とは?GoogleアナリティクスでWebサイトへの流入経路を参照したときに出てくる「Direct」は流入経路が分からないユーザーからの流入を示しています。項目としては「Direct」となっているものの、実際の流入経路は以下の項目のいずれかです。ブックマークやお気に入りからの流入アドレスバーにURLの直接入力をして流入アプリからの流入QRコードからの流入セッションが途中で途切れた場合WebサイトがSSL化されていないページからの流入トラッキングコード未設置のページからの流入ユーザーがブラウザ上で特別な設定やセキュリティソフトを入れている場合いずれかの流入経路からWebサイトに訪問している事が分かっても、「Direct」に分類される流入元を完全に特定することは難しく、分類される原因の内のいずれかであるという認識をするとよいでしょう。以下では「Direct」分類される原因の内容をより詳しく解説していきます。ブックマークやお気に入りからの流入ブラウザのブックマークやお気に入りからWebサイトを訪問した場合には、参照元が無いので「Direct」のチャネルに分類されます。しかしブックマークやお気に入り登録はユーザーのニーズを満たしている証拠でもありますので、必ずしも「Direct」のチャネルが悪い指標というわけではない証拠でもあります。アドレスバーにURLの直接入力をして流入ブラウザのアクセスバーに直接URLを入力した際にも参照する参照元が無い為「Direct」に分類されます。インターネット上で見つけたURLをコピーしてアドレスバーに直接入力した場合や、知り合いから送ってもらったURLをアドレスバーに入力した場合など、「Direct」に分類されます。さらに、メルマガやLINEなどのコミュニケーションサービスからの紹介・受信したURLも「Direct」として計上されます。アプリからの流入LINEやX(旧:Twitter)、InstagramなどのSNSアプリから流入した場合にも「Direct」と表示されます。SNSアプリ内でURLがクリックされた場合にはURLの直接入力と同じような判断がされ「Direct」に分類されます。ブラウザ上のSNSから流入した場合には事前にパラメータ設定をしておくことで特定のチャネルと識別させることが可能です。またパラメーター設定を行ったSNSからの流入やプロフィール欄からの流入は「Direct」ではなく、設定したパラメーターの値に分類されます。QRコードからの流入スマートフォンでQRを読み取ってWebサイトに流入した場合にも参照元が無いので「Direct」のチャネルに分類されます。こちらもアプリやURLの直接入力同様の判断がされますが、QRコードの作成時にパラメーターの設置ができるものであれば、特定のチャネルでの計測が可能となります。セッションが途中で途切れた場合Webサイト訪問の途中でインターネットの通信が途切れたり、ブラウザの戻るボタンでブラウザバックした場合などは、参照元が不明となり「Direct」のチャネルに分類されます。その他にもセッションが切れる細かな条件があり、30分以上のユーザーの操作が行われていない場合や、サイトビューのタイムゾーンが1日の終わり(日付の変更)を跨いだ際にもセッションが途切れた判定となります。参考記事:[GA4] アナリティクスのセッションについて - アナリティクスヘルプWebサイトがSSL化されていないページからの流入WebサイトがSSL化されていないページからの流入も「Direct」のチャネルに振り分けられます。SSL化とはWebサイト上のセキュリティのことで大きく分けて非SSLサイトとSSLサイトがあります。SSLサイトではユーザーの情報を守る為にセキュリティが施されており、Webサイトの情報の引継ぎが可能となっていますが、非SSLサイトはサイトの情報の引継ぎができないようになっている為、参照元なしという判断がされます。トラッキングコード未設置のページからの流入トラッキングコードとはサイトのページに設置をするプログラムのことです。Webサイトのページの中にトラッキングコードがあることで、Googleアナリティクス側がコードを認知して流入の経路を辿れるようになっています。このコードが設置されていないページはGoogleアナリティクスが見落としてしまうので参照元が不明と判断されます。ユーザーがブラウザ上で特別な設定やセキュリティソフトを入れている場合ユーザー自身が独自の設定でWebサイトに訪れていたり、特別なセキュリティソフトを使って設定している場合にも「Direct」のチャネルに分類されます。こちらはサイトの運営側ではどうすることもできません。流入経路を確認するメリットWebサイトへの流入経路を確認するメリットは、自社が行ったマーケティング施策の成果の判断につながったり、今後力を入れていくべきマーケティング活動の方針が見えてくることです。たとえば自社で新しく検索流入を狙ったブログ記事を公開したとします。この時に、検索エンジン経由でブログに到達し、Webサイトに訪問してくれているという経路がしっかりと辿れた場合は、検索流入目的のブログを書くというマーケティングの施策は効果があった(良い施策であった)と判別ができます。他にも、さまざまなWeb広告のパフォーマンスを比較し、良し悪しを判断する際に、流入経路別のパフォーマンスを確認することで、広告費の割り振りを変えてみるなどの改善点が見えてることがあります。上述したチャネル「Direct」以外にも、チャネルの種類はさまざまあります。チャネルの種類さまざまなチャネルがある中で、私たちがよく使用するチャネルの一部を紹介します。表示されるチャネルの種類は企業のマーケティングの施策によって異なりますので、自社が行っているマーケティングの施策と照らし合わせながら確認すると良いでしょう。チャネル名流入経路例Organic Searchユーザーがオーガニック検索結果で広告以外のリンクを介してWebサイト / アプリにアクセスする際のチャネルです。「アルテナ株式会社」を検索してWebサイトに流入した。Displayディスプレイ広告(Google ディスプレイ ネットワークの広告を含む)経由でユーザーがWebサイト / アプリにアクセスする際のチャネルです。広告の画像(バナー)をクリックしてWebサイトに流入した。Directユーザーが保存済みリンクから、または URL を入力してWebサイト / アプリにアクセスする際のチャネルです。お気に入りから流入・QRコードを使ってWebサイトに流入した。(当記事の上部で紹介済み)Referralユーザーが他のWebサイト / アプリ(ブログ、ニュースサイトなど)の広告以外のリンクからWebサイトにアクセスする際のチャネルです他のWebサイトにアルテナ株式会社のURLが紹介されており、Webサイトに流入した。Paid Otherユーザーが検索、ソーシャル、ショッピング、動画として識別された広告以外の広告からWebサイト / アプリにアクセスする際のチャネルです。参照元プラットフォームDV360で、DV 360 のクリエイティブ フォーマットが「Publisher」 「hosted」「Tracking」「Unknown」のいずれかの流入Organic Socialユーザーが Facebook や Twitter などのソーシャル サイトの広告以外のリンクからwebサイト / アプリにアクセスする際のチャネルです。アルテナ株式会社のX(旧:Twitter)の発信をみてWebサイトに流入した。Paid Searchユーザーが Bing や Baidu、Google などの検索エンジンサイトの広告からサイト / アプリにアクセスする際のチャネルです。「マーケティング 会社」で検索して出てきたWeb広告をクリックして流入した。引用元:[GA4] デフォルト チャネル グループ - アナリティクスヘルプ「Direct」を確認するときの2つの注意点「Direct」を確認するときには、2つの注意点があります。成果を正しく計測できるよう、事前の準備を。「Direct」に計上される理由は上述の通りさまざまです。そのため「Direct」に計上されるマーケティング施策を増やし過ぎると、施策の良し悪しの判別が難しくなります。そうならないためにも施策ごとにパラメーターを設定し、効果の判別をしやすくする必要があります。たとえば、”店舗内にQRコードを設置しWebサイトに誘導する施策”と”SNSアプリのアカウントからWebサイトに誘導する施策”を同時に行った場合(パラメーター設定なし)、どちらも「Direct」のチャネルに計上されてしまいます。この場合、どちらの施策が効果的だったかを判別するのが難しくなってしまうので、パラメーターの設定をしておくのがいいでしょう。またマーケティング担当者であれば、「Direct」に反映される施策ばかりを実施する可能性がある場合、事前に社内メンバーやクライアントの担当者に相談し、施策の効果を適切に判断できる準備をすることが大切です。すべての「Direct」が悪いわけではない。アプリ経由の流入やQRコード経由の流入は、パタメーターを付与すれば「Direct」以外に計上されますが、お気に入り登録やブックマークからの流入などはどうしても「Direct」に計上されてしまいます。「Direct」経由の流入が増えてくると「計測できないもの=悪いものではないか?」という誤解で、対策を練ろうとする方もいらっしゃいますが、すべての「Direct」流入が悪いわけではありません。たとえば、お気に入り登録やブックマークからの流入はニーズを満たしているからこその行動です。「Direct」に計上される原因を正しく理解していれば誤解が生まれることもないので、事前に定義を把握し、正しくマーケティング活動に役立てれるといいですね。チャネル「Direct」の確認手順Googleアナリティクスを使って、チャネルを確認する手順を記載します。まずはGoogleアナリティクスを開きます。アナリティクスのホーム左カラムから「レポート」(下画像赤枠)をクリックしてレポート画面に移ります。レポート画面に移った後、左カラムから「集客」(下画像赤枠)のドロップダウンをクリックします。「集客」のドロップダウンの中から「トラフィックの獲得」(下画像赤枠)をクリックします。下画像赤枠の中が「チャネルのグループ」として表示されているものです。「チャネルのグループ」の一つの指標に「Direct」のチャネルがあります。(下画像赤枠)まとめ今回の記事では「Direct」のチャネルに分類される原因や流入経路が判別できるようになることで得られるメリットについて解説しました。今回は「Direct」に絞って解説を行いましたが、流入経路のチャネルは他にもたくさん種類があるので、ぜひGoogleアナリティクスの流入経路を確認して次のマーケティング施策の参考にしてみてください。関連記事:Webマーケティングが上手くいっているホームページの特徴って?そんなホームページに共通する、今すぐ真似したい4つの特徴