お客さまが工務店に住宅建築を依頼すると、そこからのお付き合いは、数十年続くことになりますね。購入後は定期的な点検があり、古くなればリフォーム、家族構成が変わればリノベーション。住宅購入は人生最大の買い物であると同時に、人生最長のお付き合い(個人と企業間の意味)のスタート、と言えるかもしれません。それだけ重要な人生の一大イベントだからこそ、お客さまは慎重に検討し、依頼する工務店を徹底的に調べ、吟味します。この買い物は失敗できないですから。弊社は、さまざまな工務店をご支援するなかで、工務店集客の基礎が抑えられていないが故に、集客に苦戦している企業をいくつも見てきました。昨今の住宅業界のトピックス(ウッドショック、住宅ローン金利の上昇など)、工務店集客の特徴、代表的なマーケティングの打ち手、工務店集客の要点を知っていれば、もしかしたら、より丁寧に効果的にお客さまの検討をサポートすることができていたかもしれません。そしてそれにより、より多くのお客さまを、無理なく獲得できていたかもしれません。工務店の集客が上手くいき始める時は決まって、基礎を抑えた上で、アレンジが効いた施策を展開できているのです。住宅業界の「危機」と「機会」今、住宅業界は非常に厳しい状況にあります。ウッドショックによる建材価格の高騰、可処分所得の減少、土地価格の上昇、そして住宅ローン金利の上昇。いずれも企業単体で解決できるものではないですし、今後、収束の見込みも薄いです。では住宅会社は、例外なく苦しい状況に陥るのでしょうか?私はそうは思いません。なぜなら、家を建てる行為は人類の基本的なニーズであり、縄文・弥生時代のたて穴式住居から現代に至るまで、形を変えながらも途切れることなく続いてきた文化だからです。この普遍的な欲求は、今後も変わることはないでしょう。つまり、住宅に対するニーズそのものは決して消えることはありません。そして、このような変化の時代にこそ、新たなニーズに対応できる企業にとっては、大きなチャンスが生まれるのです。だからこそ、住宅会社はこれを単なる「危機」と捉えるのではなく、むしろ変化・進化の「機会」と捉えるべきではないでしょうか?実際に、中古住宅やリノベーション市場は急成長していますし、省エネ住宅への関心も高まっています。また高級住宅と低価格住宅の二極化も進行しています。こういった変化に合わせて、ターゲットをこれまでとガラリと変える住宅会社も増えてきました。この変化の波に乗るために、工務店の方々には柔軟な対応が求められます。顧客ニーズに合わせて商品設計を変えれば、マーケティングの戦略や戦術もガラリと変わります。改めて、今起こっているこの4つの問題を確認しておきましょう。ウッドショックウッドショックとは、2020年頃から始まった木材価格の急激な上昇と、供給不足の現象を指します。この現象に伴って、住宅価格が高騰しています。弊社の工務店のお客さまからも「これまで3,000万円で建てれた家が、今は3,600万円出さないと建てれなくなった」と、実質20%ほど値上がりしていると聞いています。住宅価格が高騰することで、買い控えが起こったり、工務店側が利益を削って提案しなければならないなど、住宅業界に大きな影響を及ぼしています。ウッドショックが起こった要因は、主に以下の通りです。新型コロナウイルスによる、世界的な住宅リフォームや新築需要の増加新型コロナウイルスによる、木材の伐採・製材・輸送などのサプライチェーンの遅延・停止アメリカの低金利政策による住宅購入者の増加アメリカやカナダで大量発生した虫による森林被害円安による輸入木材コストの上昇(日本は木材の70%を海外からの輸入に頼っています)コンテナ不足や海上輸送費の高騰このような理由からウッドショックが起こり、木材価格は以下のように高騰しています。画像引用元:製材品・集成材・合板価格の推移 - 令和4年度 森林及び林業の動向(林野庁)木材価格は、未だコロナ禍以前の水準には戻っていません。今後は、こういた状況を踏まえた上で、お客さまの要望を叶える住宅の提案ができなければなりません。土地価格の上昇土地価格は日本全体で、上昇傾向にあります。国土交通省が発表している令和5年地価公示(2023年1月1日時点)によると、住宅地用の地価は、三大都市圏では(東京・大阪・名古屋)1.7%上昇しています。また三大都市圏と地方四市(北海道札幌市・宮城県仙台市・広島県広島市・福岡県福岡市)を除いた地方圏では0.4%上昇しています。つまり土地価格は、全国平均で見ると緩やかに上昇しています。画像引用元:第3表 圏域別・用途別対前年平均変動率 - 令和5年地価公示現時点では大幅な価格上昇はないですが、今後特に、利便性の高い都市部や人気の郊外エリアでは、より顕著に土地価格が上昇するでしょう。それにより、狭小地を選ぶお客さまや、郊外の土地を選ばれるお客さまが増えることも予想できます。狭小住宅のお客さま事例や、仕事は都市部・生活は郊外といったライフスタイルを提案するようなコンテンツを作ることが、Webマーケティングで有効な打ち手のひとつとなるでしょう。可処分所得の減少可処分所得を考えるときは、「名目可処分所得(※1)」と「実質可処分所得(※2)」に分けて考えます。ここ数年は、名目可処分所得は上昇していますが、物価上昇分を加味した実質可処分所得は大きく減少しています。※1. 名目可処分所得...収入のうち、税金や社会保険料などを除いた所得で、自分で自由に使える手取り収入のこと。※2. 実質可処分所得...個人所得の総額から支払い義務のある税金や社会保険料などを除いた個人が自由に使える可処分所得に、物価上昇分を加味した実質的な可処分所得のこと。※参照:計数表(家計可処分所得・家計貯蓄率四半期別速報(参考系列)) - 内閣府また昨今は、賃上げの動きもありますが、同時に税や社会保険料負担も増加しており、家計に対する負担率は年々増加しています。※参照:計数表(家計可処分所得・家計貯蓄率四半期別速報(参考系列)) - 内閣府このように可処分所得が減少することで、住宅購入金額が見直されたり、賃貸物件に住み続ける、中古物件の検討、両親との二世帯住宅の検討など、住宅購入意欲に大きく影響します。住宅ローン金利の上昇現在の住宅ローン金利は、特に変動金利において過去最低水準となっています。日本銀行は長年に渡りマイナス金利政策を含む金融緩和を続けてきました。しかし、2024年3月19日の金融政策決定会合で、17年ぶりに利上げを実施し、マイナス金利を解除しました。※画像引用元:民間金融機関の住宅ローン金利推移 - 一般財団法人住宅金融普及協会住宅ローン金利は今後、変動金利も固定金利も上昇していく傾向にあると予想されています。理由としては、主に以下の3つが挙げられます。長年続いたデフレからの脱却を目指して、持続的な物価上昇を実現するため世界的に見ても異例だった日本の金融緩和政策を正常化するため将来的な経済ショックや金融危機に対応するための政策余地を確保するため住宅ローン金利が上昇することで、利用者の返済負担が増えます。特に変動金利型の住宅ローンを利用している消費者にとって、この影響は大きいです。そして金利が上昇することで、借入可能額の減少、住宅購入のハードルが上がるなど、新たに住宅を購入しようとする方々にも大きな影響をあたえます。「販売」から「顧客との長期的な関係構築」へこれからの工務店の集客では、顧客の不安と向き合うコミュニケーションが最も重要と考えています。経済的な不安が高まる中、住宅購入という大きな決断を後押しするには、より丁寧で透明性の高い情報提供が必要です。住宅価格の高騰や金利上昇など、ネガティブな情報も含めて誠実に伝え、その上でお客さまにとってのベストな選択肢を提案する姿勢が求められるのではないでしょうか。特にSNSをはじめとしたインターネットでの情報収集が当たり前となった今、お客さまとのコミュニケーションの主戦場は、店頭や展示場ではなくオンラインです。そして今後さらに、オンライン上でお客さまの不安を払拭するコミュニケーションができるかどうかが、工務店集客を成功させる上での鍵になるでしょう。たとえば弊社が日々、工務店のお客さまと拘っているのは「この記事コンテンツを読んだ読者は住宅ローンの悩みが払拭されるのか?」「この広告画像とその先の特設ページ(=ランディングページ)を見たユーザーは、間取りについての課題が払拭されるのか?」「ありきたりなルームツアーをInstagramリールで投稿するのではなく、お施主さまのこだわりや要望が、ユーザーに正しく伝わる動画になっているか?」など、課題解決型のコンテンツ提供ができているのか?という点です。こういった課題解決型のコンテンツは、詳細な顧客理解や、専門的な知識がなければ書けません。そして顧客ファーストなマーケティング施策です。このような有益な情報を継続的に発信することで、信頼関係を構築し、ブランド価値を高めていくことが重要と考えています。単なる「販売」から「顧客との長期的な関係構築」へ。不安定で困難な市場環境だからこそ、顧客に寄り添い、本質的な価値を提供し続ける姿勢が、今の工務店には求められているのでは無いでしょうか?工務店集客の特徴住宅購入は「人生最大の買い物」と言われるほど、顧客にとって重要な決断です。この決断の重大さゆえに、工務店の集客プロセスは他のtoCビジネスとは大きく異なり、独特の特徴を持つことになります。まずは工務店集客の特徴について、改めて考えてみましょう。特徴を正しく理解することで、セオリーを抑えたマーケティング活動を進めることができるはずです。そしてその上で、自社なりのアレンジを加えて、独自性を高めていくのがおすすめです。法人取引のような綿密さが求められる住宅購入一般住宅は個人向け商品ですが、その購入プロセスは驚くほど法人間取引(BtoB)に似ています。BtoCとBtoBは一般的に以下のような違いがあります。BtoCBtoB検討期間短期長期購買単価少額(数百円〜数万円)高額(数千万円~)意思決定要因シンプル・少ない複雑・多い意思決定者1人複数人個別性比較的少ない・ない多い・オーダーメイド思考の傾向情緒的論理的もちろん完全に法人間取引と同じなわけではありません。ですが意思決定者が複数人、検討期間は半年~1年半程度と長期に渡る、購買単価が高額で慎重にじっくり検討されるなど、工務店のマーケティング活動には法人間取引のような綿密さが求められます。この特徴を知っているだけでも、意思決定に関わる複数人に向けた施策が必要であること、顧客の検討を急かさない配慮など、最低限抑えておくべき点に改めて気が付くことができます。信頼関係を構築するために必要なステップ住宅購入という大きな決断に至るまで、顧客は慎重にじっくり検討します。高額な買い物ですし、今後数十年住み続けることを考えると、絶対に失敗できません。依頼先の工務店選びも、当然、慎重になります。そのため工務店側では、以下のようなステップを想定し、少しずつ丁寧に信頼関係を築きながら顧客の検討をサポートすることが求められます。マーケティングは時間や予算との勝負。そのため工務店は、顧客の検討を急かしてしまいがちです。しかし、まだ信頼関係の築けていない顧客に対して、「今すぐ資料請求を!」「今週末はぜひ、完成見学会へご来場ください!」といった呼びかけは、逆効果です。工務店集客を考える序盤に、このステップ(≒マーケティングファネル)を考えておくことで、顧客の検討を急かさないマーケティングを立案できます。「どんな顧客に、どんな商品を提供できるか」のズレにシビア工務店の集客において、私が最も気にする要素のひとつが「ターゲット顧客と商品のマッチング度合い」です。「人生最大の買い物」は妥協を許しません。つまり顧客(お施主さま)のニーズとピッタリ合致するような商品や提案でなければ、成約にはつながりません。「なんとなく、これでいいや...。」「今回はこれにしておこう...。」といった曖昧な意思決定はないため、顧客のニーズと商品がピッタリと合致しなければ、分かりやすくマーケティングの効果が出ないというのは、工務店集客の特徴の1つです。たとえば、ターゲット顧客の世帯収入は400〜600万円と想定しているにも拘らず、販売している住宅価格が5,000〜6,000万円と(家計のやりくりによっては買えます)、顧客ニーズと商品がズレていることがあります。このズレがあるまま、マーケティング施策を開始しても、一向に良い成果は出ません。また別の例として、25〜30歳のお洒落や流行に敏感で、ホテルライクな家を求めている女性をターゲット顧客としているにも拘らず、販売している住宅が一昔前のデザインのまま、ということもあります。これも、ニーズと商品がズレているため、どれだけ広告画像やSNS投稿画像のPDCAを回したり、HPの改善を行なったところで良い成果は出ないでしょう。こういったズレが、非常にシビアに成果に影響するのが工務店集客の特徴です。この商品はターゲット顧客が求めているのか?というのは事前に徹底的にチェックすべきでしょう。代表的な打ち手と基本的な扱い方工務店のマーケティング活動の中で出てくる、代表的な打ち手を11個ご紹介していきます。中には、選ばない方がいい施策もまとめました。コンテンツの拡充工務店の集客において、ホームページ内のコンテンツを充実させることは非常に重要です。顧客との信頼関係構築の要になる、といっても過言ではありません。住宅購入を検討している顧客は不安です。失敗できない買い物ですし、住宅購入は考えるべき要素が多すぎます。そのため、どれだけWebマーケティングに予算や時間をかけても、不安を拭ってくれない工務店にはお問い合わせをしません。しかし実際には、「Instagramや広告で認知を取って、あとは展示場やオープンハウスで直接話せば成約できる」と考え、ホームページ内のコンテンツを軽視していている工務店・ハウスメーカーも多いようです。しかし私の経験では、コンテンツを充実させることで、「お問い合わせ率」や「お問い合わせ獲得単価」も改善しますし、その後の「営業の成約率」も大きく改善します。お客さまの「お問い合わせをする」「展示場やオフィスに直接会いに行く」という行動は、実は工務店選びのかなり終盤です。何社も会いに行くのは時間がかかりますし、強引な営業をされ自分たちに本当に合った工務店ではない会社に依頼することになってしまうのでは?と心配だからです。そのため、沢山の工務店と会ってから最終的な依頼先を決めるのではなく、沢山の工務店からインターネット上の情報を頼りに数社選び、その数社に会って最終的な依頼先を決めるわけです。その時に以下のようなコンテンツがあることで、顧客に信用してもらえる可能性が一気に高まります。お客さま事例住宅設計や建築に関するノウハウ間取りの考え方省エネへのアドバイス耐震構造に関する解説地域情報(治安の良さ、利便性、学区など)の公開住宅ローンや資金計画のアドバイススタッフや職人の紹介少しずつでもいいので、HP上のコンテンツを拡充させることにリソースを使いましょう。損はないはずです。SEO過度なSEOは大手ハウスメーカーでもない限り必要ないと考えます。適切な構造でのWebサイト構築、構造化データのマークアップ、コンテンツSEOのためのmeta情報や見出しタグの整理...などは最低限、行っておきましょう。特にSEOを意識したコンテンツは非常に効果的なため、以下のようなキーワードで検索した際に検索結果上位に表示される程度のSEOは行なっておきたいです。エリア関連キーワード(「〇〇市 治安」「〇〇エリア 子育てしやすい」など)住宅機能関連キーワード(「全館空調 とは」「裏動線 間取り 工務店」など)素材関連キーワード(「無垢材 注文住宅」「漆喰壁 メリット デメリット」など)また、お客さま事例ページも作り方によっては検索流入を見込めるため、お抱えのホームページ制作会社やマーケティング支援会社に相談しながら進めるのが吉です。気をつけなくてはならないのは「住宅ローン」に関するページです。住宅ローンはYMYL※に該当するため、通常よりも厳しい評価基準によって評価されます。そのため、信頼性の高い情報源を頼りにする、著者のプロフィールや運営元情報を充実させる、専門家に執筆・監修してもらう、などより細かい対策が必要になります。※YMYL...Google のシステムでは、人の健康や安全、経済的安定、社会の福利厚生に大きく影響する可能性のあるトピックについては、E-E-A-T が優れたコンテンツを特に重視します。Google はこうしたトピックを「Your Money or Your Life」、または略して YMYL と呼びます。引用:有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 - Google 検索セントラルホームページのUI/UX改善これから住宅を建てる方々にとって、検討している工務店のホームページが、使いやすいかどうか、見やすいかどうか、体験が良いかどうかは非常に重要です。住宅購入を検討されているお客さまは、工務店を選ぶ際にホームページを細かくチェックします。InstagramやLINEなどのSNSも見られますが、それ以上であることが多いです。なぜなら工務店のことを詳しく知るためには、SNSよりホームページの方が手軽で、包括的に情報を取得できるからです。そのため、ホームページの改善は非常に重要です。たとえば、「ユーザーがスマートフォンとPCのどちらでホームページを閲覧しているか?」「ユーザーが見ているページはどのページか?」たったこれだけの情報を知っているだけでも、改善リソースの分配方法は大きく変わってきます。また、コンテンツが充実しているホームページは、動線が複雑になりがちです。どこをクリックすれば希望の情報に辿り着けるのか、初めて訪れるユーザーには分かりにくいことがあります。動線を改善することで、ストレスなく求めている情報に到達できるようにし、顧客からの信頼を獲得していきましょう。GoogleビジネスプロフィールGoogleビジネスプロフィールは、工務店集客において大切な施策です。しかし、Googleビジネスプロフィールはやればやるだけ成果が出るものではなく、成果の上限が決まっている施策です。方針を明確にして、優先順位をつけながら、運用する必要があります。Googleビジネスプロフィール運用で最も重要なのは、口コミ評価と具体的な感想・意見を獲得することです。高い評価をいただくことが目的になってはいけないですが、お客さまからの評価は、別のお客さまの信頼を獲得する上で非常に価値があります。しかし、口コミは依頼しなければいただけないことも多いため、獲得方法を工夫する必要があります。私がおすすめしている依頼タイミングは、住宅の引き渡し後や引っ越し完了後の、一通り落ち着いたタイミングです。展示場への来場時、契約前の面談時、契約後の打ち合わせ時は、お客さまの時間に余裕がないことも多いです。契約後も、まずはお客さまの満足いく住宅を提供することが最優先です。ひと通りお客さまへのサービス提供が終わったタイミングでお願いするのが良いでしょう。時には評価の低い口コミや、ご指摘をもらうこともあるかもしれませんが、事実を受け止めて誠実に返信対応することが大切です。※関連記事:Googleビジネスプロフィールでのトラブルに巻き込まれないために。実際にあった事例と最低限やるべき3つの対策を紹介また実体験に基づいていない投稿や、企業が提供するインセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)が誘因となって投稿されている口コミは、Googleのポリシー・ガイドラインで禁止されていますので注意しましょう。Google マップに投稿するコンテンツは、お店や場所での実体験に基づいている必要があります。虚偽のエンゲージメントは許可されておらず、削除されます。これには以下が該当します。・実体験に基づいておらず、対象の場所や商品を正確に表現していないコンテンツ・企業が提供するインセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)が誘因となって投稿されているコンテンツ。引用:禁止および制限されているコンテンツ - マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーヘルプ以前、とある展示場内に置かれているフライヤーで「Googleマップへの星5の口コミ投稿で〇〇をプレゼント」と謳っているのを見たことがあります。これらは景品表示法に違反する可能性が高いです。こういった法律やモラル違反をする工務店と認識されてしまうと、会社のブランドを毀損してしまいます。無くなった信頼を取り戻すのは簡単ではありませんので、全くお勧めはできません。参照:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。 - 消費者庁参照:「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準 - 消費者庁基本的なプロフィール設定、代表的な施工事例の写真掲載・サービス内容の簡潔な説明は初期設定として行ってしまい、あとは口コミ獲得に注力しましょう。細かなプロフィール設定の改善や毎日の写真追加・情報投稿も大切ですが、リソースが逼迫している場合はやる必要はありません。※関連記事:Googleビジネスプロフィールとは?はじめての方に向けて、登録方法から運用のポイントまで解説検索連動型広告Google、Yahoo!、Bingなどの検索結果に掲載する広告(=検索連動型広告)ですが、まず屋号キーワードへの広告配信は必ずやっておいた方がいいです。特にお客さまに読んで欲しいページ(例. 施工事例、お施主さまインタビュー、自社の特徴・こだわり)や、次のステップに繋げるためのページは、サイトリンク表示オプション(下画像赤枠)を使い動線を作ることが大切です。屋号キーワードへの広告掲載はクリック単価も特別高くはならないはずですし、自社の屋号キーワードを検索した方を競合に取られないためにも、継続的に広告配信しておくのがいいでしょう。想定しているカスタマージャーニー次第ではありますが、次に配信しておきたいのは、エリア関連キーワードや機能・特徴関連キーワードです。具体的には以下のものです。「{エリア名} 注文住宅」「{エリア名} 平屋 工務店」「全館空調 工務店」「ガルバリウム 住宅会社」「アイランドキッチン お客さま事例」これらのキーワードへの広告配信は、自社の得意・不得意、専用のページがある・ない、によって大きく成果が変わります。思いつくキーワードすべてに広告配信を試みてしまうと予算がいくらあっても足りないため、まずは自社の強みを活かせれて、且つ専用ページがあるものから順に広告を配信しましょう。それらの後は、悩み・不安関連キーワードや、これから一軒家が必要になりそうな方が調べそうなライフステージや生活の変化に関連したキーワードがいいでしょう。「年収500万円 住宅ローン 上限」「40坪 間取り おすすめ」「狭小地 外構」「アパート 毎月8万円 もったいない」「子育て おすすめ 賃貸」「〇〇駅から電車で30分圏内 戸建て」「{エリア名} 結婚式場 おすすめ」ディスプレイ広告ディスプレイ広告とは、Webサイトの広告枠に掲載される、画像・動画・テキストを用いた広告のことです。工務店集客で活用する場合は、まずリマーケティング広告(ユーザー追跡型の広告)から試すのがいいでしょう。工務店集客の特徴でも挙げた通り、顧客は半年~1年ほどかけて、依頼先の工務店を吟味します。非常に検討期間が長いため、一度、ホームページに訪問してもらっても、時間が経つにつれ、忘れられてしまうことが多々あります。それは勿体無いですよね。忘れられないためにも、リマーケティング広告を配信し、何度かお客さまと接点を持つようにしましょう。その時に、何度も同じ広告で接触するのではなく、想定しているステップに合わせて広告の内容を変え、顧客の不安・課題の解消や検討の後押しをすることが大切です。この時に、コンテンツが充実していると広告や特設ページの幅が広がるため、何度も書きますが、工務店集客においてコンテンツの拡充は非常に大切なのです。SNSSNSはまず、Instagramを運用しておきたいです。TikTokやX(旧:Twitter)・Facebookページの運用は、特別な理由がない限りは必要ありません。Instagramではまず初めに、プロフィールとハイライトを整え、ホームページ内の「ユーザーが見たいであろうページ」へ動線を作り、運用を開始します。※関連記事:Instagramのプロフィールとは?フォロー率が上がるプロフィールの編集方法も解説投稿内容は工務店それぞれの強みや特徴に合わせて考えるべきですが、最近はどこも似たようなルームツアー動画やフィード投稿ばかりになってきていますよね。そのため、そのような投稿では反応も得られなくなってきました。他社の真似ではなく、自社独自の投稿を考えましょう。また頻度に関しては、フィード投稿は週に2〜3回、ストーリーズ投稿は1日1回、リール動画は月に2〜4回を目安に投稿するといいでしょう。工務店は商圏が決まっているので、フォロワー数やバズを追って運用する必要はありません。それよりもターゲット顧客に確実に届いているか?(閲覧ユーザーを目視確認する)ターゲット顧客と適切にコミュニケーションを取れているか?(エンゲージメントを確認する)を気にしながら運用するのがおすすめです。※関連記事:工務店のインスタグラム運営、6つの活用ポイント。参考にしたい3つのアカウントもご紹介次にLINE公式アカウントの運用をおすすめします。顧客の検討をアシストするツールとして非常に優秀ですし、チャット機能で個別相談も可能(オープンなSNS上では相談しずらいことも話せる)です。工務店のマーケティング活動においては強力な効果を発揮します。※引用元:LINE プロダクト 媒体資料 LINE公式アカウント - LINEヤフー for Business顧客に直接情報を届けるという意味で、LINE公式アカウントとメールマガジンが比較されることがあります。私はLINE公式アカウントをおすすめしています。ターゲットとなる方々次第ではありますが、メールよりLINEに慣れていることの方が多いからです。※関連記事:LINE公式アカウントの作り方を分かりやすく|作成方法をはじめ、料金プランや認証アカウントについても解説SNS広告SNS広告の中でもInstagram広告は必須です。SNS広告はそのほかにも、Facebook広告・X広告(旧:Twitter広告)・LINE広告・TikTok広告などがあります。しかし特別な理由がない場合はInstagram広告を中心に運用するのが、ハズレがないでしょう。Instagram広告を配信する前に、顧客の検討フェーズ毎に”ターゲティング(≒広告の絞り込み設定)”と”広告画像”と"特設ページ"の組み合わせを、考えれるだけ考えておくことが大切です。組み合わせ数が膨大になるため、すべてを試すには費用がかかりますが、自社の広告予算に合わせて優先順位を付けて試すといいでしょう。しかし準備の段階で考えた広告画像や組み合わせも、実際に配信してみると、多くの場合で成果につながりません。諦めずにそこから得られたデータから仮説を立て、広告画像や組み合わせを何度も改善することで、少しずつ納得のできる成果に近づいていくはずです。広告予算を複数の媒体に分けることで成果を増やそうとするのではなく、媒体を絞り、広告画像や組み合わせの改善にリソースを投資することが、SNS広告で最も早く・安価に成果を出すコツです。YouTube中小規模の工務店(年間50棟未満)であれば、YouTubeには挑戦せず、他のマーケティング施策を優先した方が、早く、安く、高い可能性で成果が出ると考えています。お客さまの意思決定に強烈に影響するような名物社長がいる、自社しかできない特殊な住宅建築技術があるなど、特別な理由があればその限りではありませんが、多くの場合で後回しにしてもいい施策でしょう。YouTubeは非常にリソースが取られるマーケティング施策です。時間はもちろんかかりますし、他社と差別化できるほどの編集を求めると費用もかさみます。公開したとしても、動画を見つけてもらうのは簡単ではありません。YouTubeを試すよりも、Instagramのリール動画を作った方が圧倒的に成果につながりますので、リソースに余裕が出るまでは後回しにしていい施策でしょう。YouTube広告YouTubeは後回しでも良いと考えていますが、YouTube広告は試しておきたい施策です。今は、自宅のテレビ画面でYouTubeを見る方も少なくありません。家族で夕飯を食べている時、土日に何気なくYouTubeを見ている時に、理想としている住宅の広告や、住宅建築に関する悩みの解決につながる広告が流れれば、興味を引くことができるでしょう。株式会社マクロミルの調査によると、2021年末時点で、テレビのインターネット接続率は41.8%に達し、推定人口で約3,400万人規模となっています。テレビでYouTubeを視聴する人の割合は23%と報告されており、これは動画サービスの中で最も高い数字です。※画像引用元:テレビのネット接続率は41.8%、推定人口は約3,400万人。YouTubeユーザーの3人に1人は、テレビから視聴。~2021年 年末最新のテレビ利用動向調査~ - 株式会社マクロミルInstagramと同様にYouTubeもよく使われるSNSのひとつですので、そこに広告を出して認知をとる方法はとても正しいと思います。ただし注意点があります。完成見学会やオープンハウスなど、スポットの企画に対して動画を作るのは予算が潤沢でない限り避けた方がいいでしょう。それよりは工務店の特徴やブランドを表現した動画広告、顧客の課題・不安の解消につながるノウハウ系の動画広告を作るのがおすすめです。そういった動画であれば、比較的長く、広告として活用することができます。展示場、完成見学会、オープンハウスなどの企画・誘導非常に重要な施策ですが、いくつか気を付けなければいけないポイントがあります。たとえば総合住宅展示場内では、自社のモデルハウスは、敷地内に数あるモデルハウスのうちの1つです。いくつもあるモデルハウスの中から1社に選ばれなければいけません。実際にお客さまが中まで入って見学するモデルハウスは2~3棟(下のデータを参照)です。そして、あらかじめ見たいモデルハウスを絞って展示場に来場する方は37.8%となっています。※参照:調査で見る「初めての住宅展示場、ここがよかった!」―総合住宅展示場来場者アンケート2020(6) - 総合住宅展示場あらかじめ決めずに来場した方は62.1%いらっしゃいますが、そのような方々にも事前にアプローチし、訪問予定の2〜3棟に選ばれておくことが大切でしょう。できることとしては、展示場のGoogleビジネスプロフィールの運用、自社オリジナルのイベント・催し物の開催、Instagramでの認知獲得です。総合住宅展示場の集客力に任せきりにならず、自社でも展示場への集客を行うことが大切です。次に、完成見学会やオープンハウスです。完成見学会・オープンハウスを定期的に開催できる場合、なるべく毎回異なるテーマで開催するのをお勧めします。よくある完成見学会タイトルは「◯月◯日、△△町にて完成見学会を開催します!」というものです。そうではなく、完成した住宅の特徴を表すようなテーマで開催した方がよりお客さまに刺さりやすく、興味を持っていただけます。たとえばおしゃれな平屋住宅であれば「のんびり平屋で暮らしたい!家族3人で暮らす、おしゃれな平屋」、家事動線にこだわった住宅であれば「家事も仕事も両立しよう。共働き夫婦がこだわった『家事動線』で効率アップ」といったタイトルが良いでしょう。分かりやすく毎回違うテーマにすることで、お客さまに「あ、私が建てたい家と一緒だ!」と思っていただけますし、お客さまのニーズに合致すれば、スケジュールを調整してでもご参加いただけます。工務店集客の5つの要点工務店集客において、大切なポイントを5つまとめました。顧客の不安・課題に、じっくりお付き合いする。住宅購入を検討しているお客さまは、工務店を知って、ある日突然、住宅建築を依頼するなんてことはありません。上述した通り、複数の検討のステップがあり、一段ずつ登りながら、最終的に希望に沿う可能性が最も高い工務店に依頼することになります。私も工務店や住宅会社のご支援をする際にとても気を付けていますが、お客さまの検討を急かさない、というのは工務店の集客を行う上で非常に大切です。たとえば初めて自社を知ってくれた方に、「今すぐ資料請求を!」「今週末は展示場へ!」と、SNSや広告で伝えたところで、さほど効果はありません。それどころか「この工務店は押し売りしてきて嫌だな」という印象を持たれてしまい、たった一度のアプローチで選択肢から外されてしまう可能性があります。お客さまの検討を急かさず、悩み解決につながるコンテンツを適切に届けながら、不安や悩みを解消し、丁寧にじっくりサポートしていくマーケティングが必要です。施策を絞り、リソースを集中させること。工務店や住宅会社からご相談をいただくと、非常に多くの施策に取り組まれていることが多いです。Instagram・TikTok・リスティング広告・SNS広告・Googleビジネスプロフィール・YouTube・メールマガジン・ポータルサイト、といった具合です。確かに、ペルソナを考えカスタマージャーニーマップを描くと、さまざまな接点を持てることがわかります。しかしすべての接点を生かそうとするあまり、リソースが分散し、一つひとつの施策を有効活用できていない場面を多く見かけます。そんな時は、実行する施策を可能な限り絞り込み、リソースを集中させることが大切です。極端な例ですが、Instagram→ホームページ誘導→LINE公式アカウント登録(コンテンツ発信)→展示場・オープンハウスへの来場→接客・商談、といったシンプルなファネルを描いても良いかもしれません。そしてステージ毎の遷移を広告でもアシストする。施策を絞ることでリソースが集中し、改善も素早く進みます。まずは自社のマーケティング活動に必要な最低限の施策を洗い出すことから始めてみましょう。クリエイティブがとても大事。工務店集客ではInstagramがとても重要であるように、住宅ビジネスでお客さまの心をまず最初に掴むのは”目から入る情報”です。イラスト・写真・動画・広告画像・ホームページのデザインなど、視覚に訴えかける素材(≒クリエイティブ)が、工務店の第一印象を決めます。そのため、視覚に訴えかける素材には特に拘らなければなりません。ここで重要なのは、ターゲットとしているお客さまのニーズに「刺さる」クリエイティブであることです。たとえば、若い家族向けなら明るく活気のあるデザイン、高級志向の家族向けなら洗練された落ち着いたデザインなど、ニーズに合わせた表現が必要です。同時に、誤解を生むようなデザインは避けなければなりません。「安っぽく見える」「信頼できない印象を与える」「どこかダサい」といったネガティブな印象は、一瞬にして信頼を損なう可能性があります。近年では、Canvaなどのツールで、簡単に広告画像やリール動画を内製できるようになりました。確かに、コスト削減の観点からは魅力的かもしれません。しかし、可能であればデザインやクリエイティブのプロに外注することをおすすめします。プロによるデザインは、単なる見た目の良さだけでなく、ブランドイメージの一貫性や、お客さまの潜在的な気持ちを考慮したクリエイティブ制作が可能です。これは長期的に見れば、コストパフォーマンスの高い投資となるでしょう。バズは狙わず、商圏内のユーザーに届ける努力を。多くの人に知っていただくことを目指したいものの、バズを狙う必要は全くありません。たとえば工務店のInstagramの場合、バズらなくてもターゲットに適切にコンテンツが届いていれば十分な効果を発揮します。逆にバズが起こったとしても、ターゲットに届いていなければお問い合わせも成約も増えません。特に、工務店は商圏が限られているので、まずは商圏の方々に届くように運用することが非常に大切です。以前、このようなご相談がありました。その工務店はInstagram運用に注力し、高確率でリール動画をバズらせることに成功しました。地方の工務店であるにも関わらず、リール動画の再生回数は数万回は当たり前、多い時には100万回再生されていますが、一向にお問い合わせが増えません。アカウントを見させていただくと、動画を見ているのも、いいねやコメントをしているのも、ほぼすべてのユーザーが海外在住の方でした。当然、商圏外のユーザーですので、動画を届けたいユーザーではありません。「動画がバズった!」というのは嬉しいことですが、そのバズは「ターゲットにバズっているのか?」というのも常に確認しなくてはなりません。そしてSNSの運用目的は、バズることではなく、興味を持ってくださっているユーザーにコンテンツを届け、信頼関係を築くこと、です。その点を間違えないようにしましょう。PDCAサイクルを回す工務店集客では、一つひとつの施策で丁寧かつ高速に、PDCAサイクル(※)を回すことが大切です。しかしマーケティングの現場では、やらなければいけない施策が多く、顧客の不安・課題も多岐に渡るため、一つひとつの施策がやりっぱなし、一度やって終わりになることが多いように思います。そうならないためにも、戦略策定の段階で、PDCAプロセスで運用・管理することを前提に、計画を立てなければなりません。※PDCAサイクル...事業活動における管理業務を円滑に進める手法の一つです。以下の4つのステップの頭文字を取って名付けられています。・Plan(計画): 現状を分析し、目標を設定して計画を立てる段階。・Do(実行): 計画に基づいて実際に行動を起こす段階。・Check(評価): 実行した結果を測定・評価する段階。・Action(改善): 評価結果に基づいて改善策を検討し、次のサイクルの計画に反映させる段階。このサイクルを継続的に回すことで、業務のプロセスや品質を継続的に改善していくことができます。たとえば、以下のような施策でPDCAを回すことが重要です。広告画像:画像のデザインやテキストの変更による効果検証お問い合わせ・資料請求フォーム:フォームの項目や動線の効果検証展示場・オープンハウスの企画:イベント名称やイベント詳細ページの効果検証以下のシートは弊社が使っているPDCA管理シートです。広告画像であれば、その制作意図は何か?、数字がどう変化したのか?次の広告画像をどう変えたのか?などを記載していき、改善のプロセスを見える化しましょう。全施策が最初から当たるに越したことはないですが、そんなことは100%起こりません。やらなければいけない施策が多いからこそ、一つひとつの施策のPDCAを回し、まずはどれかひとつを当てる。次に、別の施策を当てる。それを繰り返すことによって、全施策がうまく繋がるようになり、顧客獲得単価の大幅削減、顧客獲得数の増加につながります。お客さまのご支援事例弊社がご支援している工務店・ハウスメーカーの事例を3社ご紹介します。検討プロセスに合わせた特設ページ作成・広告施策を行なった工務店A社様工務店A社では、お客さまの検討プロセスを細分化し、各プロセスに合わせた広告施策を展開しました。プロセスごとに計測してみると、A社はターゲットからの認知は取れているものの、次のプロセスに進むための仕掛けがないことがわかりました。そのため、A社の強みである豊富な施工事例数を活かそうと考え、施工事例を見たいお客さまに向けて、タグ別(平屋・コンクリート住宅・インナーガレージなど)に事例を見ることができる特設ページを準備しました。すでにA社を知っている方々に向けて、「お客さまが建てたい家の施工事例を、豊富にご用意しております」として広告を配信し、特設ページを沢山見ていただきました。自分が建てたい家と近い事例を見たお客さまが資料請求する確率は非常に高く、プロセスを1つ改善したことで、A社のマーケティングのKPIである資料請求数を大きく改善することができました。地域情報の発信に取り組み、信頼を獲得した工務店B社様地域情報に関するコンテンツマーケティングに取り組むことで、ニッチな地方市場でも検索流入を獲得することができました。B社はすでに様々な媒体で情報発信に取り組んでいましたが、ここ数年、同商圏の競合がマーケティング施策を強化してきたこともあり、成長が鈍化していました。そこで他社の行なっていない、商圏に関する地域情報を発信し、ターゲットの方々からの信頼を獲得しました。これまではInstagramやYouTubeで知っていただき、すぐに資料請求や展示場来場につなげるという、顧客を急かすようなマーケティングでした。しかし今回は、InstagramやYouTubeで知っていただき、記事コンテンツで地域情報をお知らせすることで、信頼を獲得し、そのお客さまに資料請求や展示場来場を持ちかける、といった運用に変更しました。それにより、お客さまと良好な信頼関係を作ることができ、顧客獲得単価も大きく減少しております。迅速な土地情報の発信で、顧客獲得に成功した工務店C社様とある都市部の人気エリアで事業を展開する工務店C社。このエリアは土地の取り合いが激しく、良質な土地がすぐに売れてしまう状況でした。C社は、この課題に対してInstagramとInstagram広告を活用しました。具体的には、新しい土地情報を入手次第、その土地に建てられる住宅プランとともに、InstagramとInstagram広告で素早く公開するという方法です。これにより、潜在顧客に迅速に情報を届けることが可能になりました。この方法でマーケティングを進めた結果、C社の投稿を心待ちにする顧客が増加。土地情報へのアクセスが早くなったことで、顧客獲得のスピードが大幅に向上しました。C社の担当者からは「お客さまは良い土地で理想の家を建てたいと考えています。私たちが素早く正確な情報を提供することで、お客さまのニーズに応えられるようになりました」とコメントをもらいました。この事例は、SNSはタイムリーな情報発信に非常に向いており、土地激戦区での顧客獲得に大きな影響を与えることを示していますね。まとめ住宅購入は、数千万円の買い物を”個人”がするわけですから、少しでも「怪しい」「怖い」「不安」「急かされてる」と思われた時点で、お客さまの選択肢からは外れてしまいます。そのため工務店の集客を改善するには、お客さまの理解を徹底し、行動や疑問・不安に寄り添ったマーケティングをすることが必要です。本記事で紹介した内容を振り返ると、以下のポイントが重要です。現在の住宅市場を理解し、それに対応した戦略を立てる工務店集客の特徴を把握し、BtoBのような綿密さで顧客対応を行うお客さまの検討プロセスを意識し、急かさずに丁寧にコミュニケーションを取るお客さまニーズと自社商品のマッチングを徹底的に考える効果的な打ち手(ホームページ改善・コンテンツSEO・SNS・Web広告など等)を選び、集中的に取り組むクリエイティブの質にこだわり、ターゲットに刺さる表現を追求するPDCAサイクルを回し、継続的に改善を行う基礎的なことではありますが、まずはこれらを徹底し、長期的に信頼関係を構築できるといいでしょう。住宅は建てて終わりではありません。建てた後も数年おきに点検があり、家族構成が変わればリノベーションなども考えます。つまり、お客さまと十数年のお付き合いのスタートが「住宅購入」なのです。そう考えると、工務店との最初の接点である集客活動の段階で、お客さまからの信頼を獲得しておくことが、どれほど重要か、改めてご理解いただけるかと思います。