企業が顧客とコミュニケーションを取る手段のひとつとして、LINE公式アカウントがありますね。メールマガジンでは少し堅すぎる、SNSは見逃されてしまう可能性がある...。顧客と直接コミュニケーションが取れ、且つメールマガジンよりもフランクにやり取りしたい。そんな要望からLINE公式アカウントを導入する企業が、中小企業にも増えてきました。LINE公式アカウントは無料でも使うことができますが、無料プランでは送信できるメッセージ数が多くありません。そして2023年6月1日に料金プランが改定(画像参照)されたこともあって、有料プランの契約や有料プランのアップグレードを検討されている方も多いように思います。この記事ではなるべく安価なプランで、効率良くメッセージを配信し、顧客とコミュニケーションを取るための手法を解説します。無料メッセージ枠とターゲットリーチの仕組みその前にまず、無料メッセージ枠とターゲットリーチのおさらいをしたいと思います。LINE公式アカウントでは、一度のメッセージでターゲットリーチ(画像赤枠)の全員にメッセージを配信することができます。そしてターゲットリーチとは以下の計算式で決まります。ターゲットリーチ = 友だち追加数 ー ブロックしたユーザー数 ー 属性が不明なユーザー数(※)※属性が不明なユーザー数...性別や年代やエリアなどの属性が推測できないユーザーのこと。たとえばA社がコミュニケーションプラン(月額固定費0円、無料メッセージ200通)を契約していてターゲットリーチが200人いる場合、一度に200人全員にメッセージを送ると、そのたった一度のメッセージで無料メッセージ枠を使い切ってしまうことになります。また、B社がライトプラン(月額固定費5,000円、無料メッセージ5,000通)を契約していてターゲットリーチが2,500人いる場合、一度に2,500人にメッセージを送ると、一ヶ月間で1人あたりの顧客に送れるメッセージは2通になってしまいます。LINE公式アカウントへの登録が増えることでターゲットリーチは増えるが、プランによって無料メッセージ枠の制限があるので、プランをアップグレードせざるを得ない。つまり固定費が上がる、というのが他のSNSと違って難しいところです。ターゲットリーチには多種多様なユーザーが存在するメッセージを受け取ってもらえるターゲットリーチの中には、さまざまな友だち(ユーザーの意味ですが、LINE公式アカウントの公式の表現に倣って「友だち」と記載します)が存在します。ターゲットリーチに含まれる友だちは、年齢もバラバラ、性別もバラバラ、友だちに登録してからの期間もバラバラです。そして過去のメッセージ中のリンクをクリックした友だちもいれば、メッセージを開封してくれなかった友だち、特定の追加経路で友だち登録に至った友だちなど、友だち達の行動もバラバラです。ということは、LINE公式アカウントを運営している会社の商品・サービスへの興味や意欲も一人一人異なるということです。そして、それはつまり受け取って嬉しいメッセージも、一人一人異なるということになります。関連記事:LINE公式アカウントのオーディエンスとは?必要な人にメッセージを届けるために、知っておきたい基礎知識と使い方を解説友だち一人一人に合わせたメッセージを送るために友だち一人一人に合わせたメッセージは送れるのでしょうか?DMとしてメッセージを送れば不可能ではないかもしれないですが、時間もかかりますし、個別のユーザー属性(性別、年齢など)やユーザー行動(クリック、メッセージ開封など)は知る術がないので現実的な解決策ではありません。一人一人に合わせて個別にカスタマイズされたメッセージは無理ですが、ユーザー属性やユーザー行動に基づいて配信するメッセージを変えることで、ある程度の精度を持って「友だちが受け取って嬉しいメッセージ」を送ることができます。関連記事:LINE公式アカウントのターゲティングメッセージとは?特徴と絞り込み方法を画像付きで解説そのためにLINE公式アカウントでは、メッセージ配信先の絞り込みや、オーディエンスといった機能があります。これらを活用することで、友だちの行動や属性などを基にターゲットを絞り込み、メッセージ配信の効果を高めることができるのです。そしてターゲットを絞り込むことで一度に配信するメッセージ量が減るため、無料メッセージ枠を効率よく使うことができます。場合によってはプランを上げずとも、同じ無料メッセージ枠の中で、以前より高い効果を実現できる可能性があります。最後にターゲットを絞り込むことで無料メッセージ枠をより効果的に使うことができますが、メリットはそれだけではありません。ターゲットリーチ全員にメッセージを送っている場合、受け取りたくないメッセージまで位受け取っている友だちが一部いるはずです。そういった方はアクション(メッセージ開封、リンクのクリックなど)を起こさないだけでなく、「興味のないメッセージばかり届いて嫌だな」「私が見たいお知らせじゃないな」といった形で、少しずつネガティブな感情を抱く可能性があります。社内でもよく「広告経由で商品を買ってくれた1人の人はもちろん、広告を見たけど商品を買ってくれなかった99人の気持ちを考えよう」と伝えています。LINE公式アカウントも同じように、メッセージを受け取ったけどアクションを起こしてくれなかった方々の気持ちを考えると、友だちをターゲティングして配信することは、「無料メッセージ枠の節約」「メッセージの効果の向上」「メッセージのミスマッチを予防」といった3つの効果があることがわかります。そういった隠れたメリットもあることも知っていただいた上で、ターゲットの絞り込みは設定等も簡単ですので、ぜひ活用していただけると嬉しいです。関連記事:ブログのネタがない!そんな担当者におすすめしている「お悩み発見会」のすすめ