情報発信やSEO対策のためにブログ制作に取り組む企業も増えていますよね。一方で、「ブログ記事を書いているけどネタが尽きてしまった…」「コンテンツ制作に取り組もうとしているけれど、何を書いたらいいのかわからない」という悩みを抱えている担当者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、弊社で行っているネタ探しの方法を参考に、ブログ記事のネタの探し方を紹介します。ブログのネタが見つからない理由そもそも、なぜブログのネタが見つからない状態に陥ってしまうのでしょうか?考えられる理由を順に見ていきましょう。ブログのコンセプトが定まっていないブログのネタが見つからない理由の一つとして、そもそもブログのコンセプトが定まっていないことが挙げられます。コンセプトとは、このブログを通して、「どんな人に」「何を伝えて」「どうなって欲しいのか」という情報発信の方向性のことです。コンセプトが定まっていないと、選択肢が広すぎて何から手をつけて良いか分からなくなり、何を記事にすればよいのか決められなくなってしまいます。また、記事を書き始めたとしても、一貫性のない記事になってしまう可能性があります。思いつくままに記事を書いてしまうため、雑多にいろんなジャンルの記事が混在し、読者にとってはあまり関係のない「今日のランチ」といったグルメ記事を書いてしまったり、ブログ全体の方向性が迷走してしまいます。反対に、コンセプトが定まっていると、自然と発信する情報の方向性が見えてきます。例えば「マーケティングに従事している方に役立つ情報を伝えて、現場で活用してほしい」というコンセプトであれば、業界の最新情報やツールの使い方、現場で実践できるお役立ち情報などを発信できそうと思い浮かびますよね。コンセプトを明確にし、ターゲットとなる読者の悩みや知りたいことからブログの方向性を明確にすることが重要です。読者の悩みは深く、解決すべきことはいくらでもあるはずです。インプットが不足している「ブログの方向性はイメージできているけど、書くネタが何も思い浮かばない…」という場合は、単純に「自分の中から出せるものがない」状態かもしれません。ブログの記事を書くという行為は情報のアウトプットです。それに対して、インプットされている情報が少なければ、アウトプットする情報がいずれは尽きてしまいます。ブログのテーマに関する知識や情報のインプットは継続的に行いましょう。インプットの方法については、後述します。自分で発信のハードルを上げてしまう本当はネタになるものであっても、自らの先入観でネタ候補から外してしまっている可能性があります。何か発信できそうなことを思い付いたとしても「こんなこと今更共有しなくてもいいかな」「この情報は見た人に○○と思われてしまうかも」と考えてしまうケースです。自分にとって当たり前すぎる情報に価値を見出せないと感じてしまい、無意識に発信に対するハードルを上げてしまっている方も多いのではないでしょうか。しかし、自分にとっては何気ない話であっても、それを聞いた周りの人から「へぇ!めっちゃ面白いね!」というような反応が返ってきた経験はありませんか?自分では価値がないと感じている話でも、相手にとっては価値がある話だったという場合は往々にしてあります。身近にあるネタの価値に自分では気づいていないことが、ネタが見つからない理由のひとつです。第三者のフィードバックによるモチベーションの低下制作しているブログ記事は、あくまで企業としての情報発信になるため、公開前には社内の関係各所に確認してもらう必要がありますよね。誤った情報を発信していないか、企業のブランドイメージにそぐわない内容になっていないかを第三者に確認してもらうことは非常に重要です。時には情報発信のリスクを指摘されることもあるかもしれません。新しい記事のアイデアを提案してても、「それはこんな受け取られ方をしかねないからよくない」や「これをすると炎上してしまうのではないか」という指摘を受け、思うように企画が進まないこともあるでしょう。情報発信には多かれ少なかれリスクがあることは事実であり、リスクヘッジをすることは企業の信頼を守るうえで大切です。しかし、このフィードバックの質が、担当者のモチベーション低下や、ネタ探しのハードルを上げてしまう要因になる場合があります。情報発信の目的からは大きく外れた部分での細かすぎる指摘や、リスクに対する指摘ばかりで、どのように改善すればよいのか建設的な議論ができていない場合に、このような状態に陥る可能性があります。Webサイト制作・DX支援を行っている株式会社JBNが公開した、企業のコンテンツ制作が進まない問題を扱った記事においても、以下のような記載があります。それはつまり、「書いたら怒られるんじゃないか」「チクチク添削されるんじゃないか」「評価もされないのに書くだけ損じゃないか」という社内の硬直した心理を払拭できた状態です。それがすごく大切です。主たる目的は「書けない会社」から「書ける会社」に体質改善することですから。引用元:BtoBのWeb活用で頻出するコンテンツ書けない問題ネガティブなフィードバックばかりでは記事を書くことに対してどんどん億劫になってしまい、記事制作がさらに進まないという事態に陥ってしまいます。積極的に発信のアイデアが生まれる状態を作るには、情報発信をする目的を共有し、発信に伴うリスクを理解したうえで、リスクヘッジをしながら発信を継続できる体制を作ることが重要です。ブログのネタの探し方続いて、ブログのネタの探し方をご紹介します。日頃の情報収集や日常生活の中から、ブログのネタを見つけていきましょう。ブログのコンセプトを明確化し、読者を想定する先述したように、まずは「ブログを通して、どんな人に、何を伝えて、その人にどうなって欲しいのか」 を明確にすることが最も重要です。具体的な読者像を設定することで、その読者が抱えているであろう悩みや疑問を考えることができ、自然と記事のアイデアが浮かんでくるようになります。弊社では、ブログ記事を書き始める前に、その記事を読んでほしい読者のペルソナを設定しています。以下のような項目に沿ってペルソナを設定しています。年齢・性別・家族構成趣味・嗜好悩みや課題記事を読む際の顕在ニーズ・潜在ニーズ記事を読む前の心理状況記事を読んだ後に後に取ってほしい行動上記の心情・行動の変化を引き起こすために必要な情報ペルソナがどのような悩みやニーズを抱えているのかをイメージしておくと、記事に含めるべき情報が明確になります。また、どのような人に情報を届けたいかによって、情報の粒度や言葉遣いなどの伝え方が変わってきます。事前にペルソナを設定することで、記事の方向性がブレることなく、読者のニーズに合った一貫したコンテンツを提供できます。インプットを増やす「自分の中から出せるものがない」状態であれば、ネタの引き出しを増やすためにインプットを増やすことが効果的です。ブログのテーマに関する知識が深まると、アウトプットとして書く記事の質も高まり、読者にとってより価値の高い記事を書くことができます。インプットを増やすには以下のような方法が挙げられます。テーマに関する読書をするテーマに関する資格の勉強をする実際に体験してみる(一次情報の獲得)インプットによって得た知識だけでなく、読んだ本自体のレビューや、勉強過程自体が記事のネタにもなります。また、ネット記事や書籍の「二次情報」だけでなく、自分で実際に体験して得た「一次情報」はオリジナリティが高く、読者にとって価値のある情報になります。読者の悩みや関心を調査するブログ記事には、「読者の困りごとや悩みを解決するための情報発信」という役割があります。設定したコンセプトに基づいて、読者がどのような悩みを抱えているのか・何に関心を持っているのかを調査することで、記事にすべきネタを探すことができます。キーワード調査ツールを活用するユーザーが実際に検索しているキーワードを調べることで、ユーザーがどのような情報を探しているのかを見つけることができます。実際に検索をしているユーザーは、なんらかの解決したい悩みや知りたい情報があるからこそ能動的に検索をしています。検索キーワードには、ユーザーの悩みや関心が内包されているため、ユーザーが実際に検索しているキーワードや関連キーワードを洗い出すことで、需要のある記事ネタを見つけられます。キーワード調査ツールは、以下のものが活用できます。ラッコキーワードGoogleキーワードプランナーキーワード調査ツールの使い方や、ブログ記事を書く際のキーワードの選び方はこちらの記事で解説していますので参照してください。関連記事:キーワードの選び方とは?検索流入を目指した記事を書く際に意識したい5ステップQ&AサイトやSNSを活用する「Yahoo!知恵袋」などのQ&AサイトやX(旧Twitter)・InstagramなどのSNSは、ユーザーのリアルな悩みや疑問が投稿されています。ユーザーの「生の声」を把握することで、読者の解像度を高めることができ、ユーザーの悩みや疑問に回答する形でブログ記事のネタとして活用できます。また、SNSはトレンドや話題の情報を素早くキャッチするのにも役立ちます。まだ検索キーワードとして広まっていない情報も、SNSでいち早くキャッチし記事化することができます。自身の経験や知識を活用する自分の経験、知識、過去の苦労や成功体験などは、唯一無二のオリジナルネタです。自分にとっては当たり前の話でも、同じ悩みを持つ読者にとって価値のある情報となり得ます。これまでの経験や、普段の生活・仕事で起きた身の回りのできごとは、ブログのネタの宝庫です。日常の中でブログネタを意識し、自分の身近なところにあるネタへの感度を高めていきましょう。客観的に振り返る日頃から日記やメモを付ける習慣をつけると、その日起きた出来事を客観的に振り返ることに役立ちます。「ブログのネタになりそうなものはあるか?」という視点で改めて振り返ると活用できるものがあるかもしれません。また、普段の仕事を振り返ることからも、ネタのヒントを得ることができます。例えば、お客様との商談や社内会議を記録のために録音し、音声を文字起こしする方法があります。文字起こしした内容を客観的に見返すことで、よく話題にのぼる話やお客様の困りごとに気づくことができるかもしれません。お客様の困りごとは、同様に悩んでいる方がいる可能性があるため、記事にして発信すると良いでしょう。日々の小さな事例を共有する自分でネタに気づくことが難しい場合は、第三者に気づかせてもらうという手もあります。普段の仕事で行っていることやお客様とのやり取りなど、小さな事例も積極的に社内で共有し、お互いにフィードバックをしていきましょう。お客様対応をする中で上がってきた質問や、社内のメンバーからリアクションがあった話題には、ブログのネタになるものが溢れています。弊社では、週に1回開催している社内定例会で日々の事例を共有するようにしています。例えば、以下のような情報を共有しています。改善事例(例:このような施策を試してみたら成果が上がった)活動報告(例:お客様と一緒に、こんなことに取り組んだ)最新情報(例:AIを活用して業務効率が改善できた)お客様からいただいた声情報を共有し合う中で、他のメンバーが「面白い!」「他にも知りたい人がいそう」と感じたものはフィードバックし、使えるものをネタとしてストックしています。あらゆることを記事ネタになるかという視点で見るそれでもネタが見つからない場合は、少し考え方の視点を変えてみましょう。どんなことでも切り口を変えればネタになる可能性があります。社内での会話、お昼休憩に出かけたお店、お客様とのやり取り、行き帰りの通勤で通った街中など、日常生活の中で起きたできごとも視点を変えることでネタになるかもしれません。例1:コンビニの人気商品→その商品が人気の理由考察をする例2:社内のフィードバックが細かい→「ここまで確認しています」と信頼感を発信する視点を変える切り口が思いつかない場合は、「オズボーンのチェックリスト」などのフレームワークを活用して考えることもできます。どんな出来事も「ネタにすることはできないか?」と意識して、柔軟な切り口で探してみましょう。【オズボーンのチェックリスト】転用・他の使い道はないか?・部分的に修正したら使い道はあるか?応用・他商品で応用できるものはないか?・類似物はないか?変更・意味、色、動き、音、匂い、形などを変えてみたらどうか?拡大・大きく、強く、高く、長く、厚くしてみたらどうか?・時間や頻度を拡大したらどうか?・増やしたらどうか?縮小・小さく、軽く、低く、短くしたらどうか?・時間や頻度を縮小したらどうか?・減らしたらどうか?代用・他のもので代用できないか?・人、モノ、素材、工程を代用できないか?置換・順序や配置を入れ替えてみたらどうか?・要素を取り替えてみたらどうか?逆転・考え方を逆にしたらどうか?・上下、左右、裏表を反転させたら?結合・別のものを組み合わせてみたらどうか?・目的やアイデアを合わせてみたらどうか?ネタ帳を作るネタが見つかったら、ネタ帳を作成して日頃からストックしておくようにしましょう。普段の生活の中で思いついたネタを、あとでブログを書くときに思い出そうとするのは難しいですよね。思いついたその場で、すぐにメモに残しておくと良いでしょう。弊社では、以下のようなネタ帳を作成しています。ネタの内容をストックする以外にも、実際に制作に取り掛かった際の進捗管理も同じシートで行えるようにしています。ネタ帳は、思いついたアイデアを忘れないよう、すぐにメモできることが重要です。形式にこだわりすぎず、必要最低限の情報で、自分が使いやすく簡単に入力できるものを作成するのがおすすめです。また、作成したネタ帳を活用して定期的にネタを洗い出す時間を設けましょう。ネタ帳を作成した直後に、一度ネタを出したらそれに満足して、その後活用されないケースも多いです。日頃からネタを探すのと同時に、定期的にネタを洗い出す時間を決めて、ネタ帳を継続的に運用していくことが重要です。さいごにブログ記事は「お客様の困りごとや悩みを解決するための情報発信」です。その情報が誰かの役に立つものであれば発信する意味があります。ブログのコンセプトに基づいて、読者の悩みや関心事についてのネタを、日々の仕事や生活の中から見つけていきましょう。関連記事:【ブログの記事更新ネタが無い!とお悩みの担当者向け】ブログのネタ探しのポイントとは?関連記事:ブログのネタがない!そんな担当者におすすめしている「お悩み発見会」のすすめ