ブログの運営をしているとリライト(過去の記事を修正する) することが大切だとよく耳にするかと思います。実際、ある程度記事を公開しているサイトでは、新規記事を書くよりもリライトする方がより早く成果が出る場合があります。では、どんな記事をリライトしたらいいのでしょうか?社内外にブログ(オウンドメディア)の担当者が数名〜数十名いるような企業であれば、過去のブログを一気に修正することができますが、そういった企業に比べて人手が少ないことの多いSMB(Small and Medium Business)であれば、修正するブログの優先度を決め、効果の出やすいものからリライトをするべきです。この記事では、時間のないブログ担当者の方向けに弊社で行っているリライト記事の選定方法や具体的なリライト方法について紹介していきます。最後まで読んでいただければ、すぐにリライトに取り組める内容になっています。まずは、なぜリライトをするのかを整理するまずは、どんな記事からリライトをするかの前にリライトの目的や重要性について解説します。リライトの目的は、主に以下のようなものになります。問い合わせや資料請求などのCVを増やす検索流入の増加過去の情報の修正問い合わせや資料請求などのCVを増やすほとんどの企業がブログ運営をすることで「集客を増やして売上を拡大したい」と考えていると思います。そのため、問い合わせに近いキーワードやすでに問い合わせが発生している記事から優先的にリライトをするといいでしょう。具体的には、「業務用エアコン 業者 探し方」などのキーワードは業者を探している人が検索している可能性が高く、問い合わせに近いと考えられます。逆に、問い合わせから遠い記事のリライトに時間を割いてしまうと「集客を増やして売上を拡大したい」という目的が遠のく可能性があるため注意が必要です。問い合わせから遠い記事とは、具体的には「業務用エアコン 取り外し方」などのキーワードで作成した記事です。キーワードから推測するに取り外し方を知りたいという検索意図のため、まだ購入を検討しているキーワードではなさそうです。このように記事ごとに問い合わせから近い遠いなどを判断し、優先的に問い合わせの発生しやすい記事からリライトをしていくのがおすすめです。検索流入の増加前述の問い合わせや資料請求などのCVを増やす前に、まずはサイトへ訪問してくれるユーザーを増やす必要があります。ブログ集客の基本は「サイトへの流入ユーザーを増やす」→「流入ユーザーにお問い合わせや資料請求などのCVを促す」という流れのため、ユーザーが集まらなければ何も始まりません。そのため、まだ流入ユーザー数が少ないサイトであればこちらを優先するべきです。逆にサイトへの流入ユーザー数が一定以上ある場合は上記の「お問い合わせや資料請求などのCVを増やす」ためのリライトをする必要があります。過去の情報の修正ブログ運営をしていると、数年前に公開した記事で一度も修正をしていない記事などもあると思います。過去の情報がそのまま残っているとユーザーにとって不利益となることもあるため、定期的にメンテナンスをする必要があります。例えば、商品の価格改訂前の金額が掲載されていたり、過去に実施したキャンペーンの情報がそのまま掲載されていたりするとユーザーは混乱し、最悪の場合にはクレームなどにつながる可能性もあります。そのため常に最新の状態へ修正するためにもリライトは必要です。具体的にどんな記事をリライトしていくべきかここからは、具体的なリライト記事の選定方法について解説していきます。弊社の考える優先度の高いものから順に解説していきますので、ぜひ自社のフェーズに合わせて参考にしてみてください。検索順位が1位〜5位程度で問い合わせや資料請求が少ない記事CVが発生しているが検索順位が低い記事対策キーワードの順位が5位〜10位程度の記事のリライトそれぞれについては以下で具体的に紹介していきます。検索順位が1位〜5位程度で問い合わせや資料請求が少ない記事検索順位が1位〜5位と高いにもかかわらずCV(問い合わせや資料請求など)が少ない(1,000人が閲覧しているが1人しかCVしていないなど)場合は優先的にリライトをしましょう。なぜならすでにCVが発生している、かつ、検索順位も高い記事なので少しの修正によりCV数が大幅に増加する可能性があるためです。たとえば、「業務用エアコン おすすめ」というキーワードを狙った記事で上位表示ができているにもかかわらず、記事内で紹介している業務用エアコンの問い合わせなどが少ない場合などが該当します。少ない多いの定義は非常に難しいですが、ブログ記事からの場合は問い合わせ率(CVR)0.5%を基準として判断しましょう。問い合わせ率とは、以下の計算式で算出することが可能です。問い合わせ率(CVR)=CV数÷ユーザー数×100たとえば、1,000人閲覧して3人しか問い合わせをしなかった場合のCVRは、以下の計算から0.3%となります。このように0.5%を下回っている場合はリライトの対象としましょう。問い合わせ率(CVR)=3÷1,000×100=0.3%記事のリストアップ方法ここからは、検索順位が1位〜5位程度で問い合わせや資料請求が少ない記事のリストアップ方法について解説していきます。リストアップにはサーチコンソールとGoogle アナリティクスを使用して以下の手順のように進めます。サーチコンソールで掲載順位が高い記事を抽出する抽出した記事の問い合わせ率(CVR)をGoogleアナリティクスで確認する1:サーチコンソールで掲載順位が高い記事を抽出するサーチコンソールを開き、過去28日間を指定し掲載順位を昇順に並び替えます。そうすることで自社サイト内の記事で直近で高い検索順位につけているクエリ(キーワード)がわかります。その後、任意のクエリをクリックし、どのページがそのクエリに反応して上位表示されているかを確認します。ここまで行うことで、どのページがどんなキーワードで上位表示されているかがわかると思います。2:抽出した記事の問い合わせ率(CVR)をGoogleアナリティクスで確認する上記の1で見つけた、上位表示されているページを今度はGoogleアナリティクスで見ていきます。Googleアナリティクスで、「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」を指定し、データを確認したい記事のディレクトリ*を指定します。*ディレクトリとは、URLのドメイン配下部分のことを指します。具体的には「altenas.jp/blog/how-to-set-goals-for-owned-media」というURLの「/blog/how-to-set-goals-for-owned-media」の部分のことです。最後にコンバージョン率(お問い合わせ率)の欄を確認し、お問い合わせ率が低い(目安0.5%)ようであればリライト対象の記事とします。CVが発生しているが検索順位が低い記事たとえば「業務用エアコンの費用の相場とは?」という記事で「業務用エアコン 費用 相場」というキーワードで検索順位が10位程度だが、1人程度は資料請求や問い合わせをしてるような記事が該当します。つまりこのような記事は、より上位(1位〜5位など)に表示させ、多くの人を呼び込むことができればCV数を増やすことができる可能性がある記事と言えます。以下で具体的に記事のリストアップ方法やリライト方法について紹介します。記事のリストアップ方法リストアップは以下の手順で進めます。ここでは、Google アナリティクスとサーチコンソールを使用します。Google アナリティクスを使用してCVが発生している記事を見つけるサーチコンソールで該当記事のメインキーワードの順位を確認する狙っているキーワードの順位が5位以下ならリライト対象とする1:Google アナリティクスを使用してCVが発生している記事を見つけるまず、Google アナリティクスを使用してCVが発生している記事を選定していきます。具体的には、Googleアナリティクスの左カラムから「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」を選択し、「目標の完了数」を降順に並べ替えることでCVがついている記事が発見できます。2:サーチコンソールで該当記事のメインキーワードの順位を確認するここからはサーチコンソールを使って記事の順位を確認し、リライトする or しないを判断していきます。たとえば、https://example.jp/blog/xxx というブログでCVがついている場合、そのURLをそのままサーチコンソールに追加し、最新の記事順位を確認します。上記のように日付とページを指定した状態で、下にスクロールをすると以下のような画面に切り替わり、クエリ(検索語句)ごとの順位が確認できます。(画像右端の平均掲載順位)3:狙っているキーワードの順位が5位以下ならリライト対象とする上記のサーチコンソールを確認し、該当ページで狙っているキーワードの順位が5位以下の場合は、リライト対象とします。たとえば、問い合わせが発生していた記事が「業務用エアコン 価格 相場」というキーワードに対するブログだった場合「業務用エアコン 価格 相場」の順位を確認します。「業務用エアコン 価格 相場」の検索順位が7位などであればリライトの対象とするべきです。逆に1位〜5位などの高順位かつCVが一定数獲得できていれば、他の記事のリライトを優先した方がいい可能性があります。対策キーワードの順位が5位〜10位程度の記事上記の2つのリライト記事の抽出は主に、CV数を増やすことを目的としていました。ここでは、逆にブログ記事経由の流入数を増やすという目的からリライト記事を抽出する方法を紹介します。CV数が増える前に、サイトへの流入数を増やす必要があるため、サイトへの流入が少ない場合はこちらが参考になるはずです。記事のリストアップ方法ここではサーチコンソールのみを使用します。具体的にはサーチコンソールを確認し、掲載順位が5位〜10位の改善の余地がある記事を見つけていきます。記事数によってはこれらの記事は膨大な数見つかる可能性があります。その場合は、リライト対象のキーワードでGoogle検索を行い、競合の記事と比較して勝てそうな記事から対策していきましょう。勝てそうというと抽象度が高いですが、大手などのサイトが上位を独占しているようなら後回しにしていくと考えていただければOKです。具体的にどんなリライトをすると良いのかここまでリライトする記事の抽出方法について詳細に解説してきました。ここからはリライトをする際にどんなリライトをするといいかについて以下の方法を紹介していきます。タイトルの修正ディスクリプションの修正足りない情報の追加最新情報へ更新CTAバナーの追加/修正ただしここで紹介する方法はあくまでリライトの手段の一つなので自社のサイトの状況などによって複数を組み合わせたり、違うリライトの方法が適している場合があります。そのため参考程度にしてみてください。タイトルの修正記事のタイトルは検索順位を決定する非常に重要な要素です。実際弊社のクライアント様でもタイトル修正を行なっただけで順位が10位程度から2位へと改善した事例もあります。タイトルの修正は、具体的には以下のポイントを意識して行うと良いでしょう。狙っているキーワードが含まれているか文字数は多過ぎず少なすぎないか端的でわかりやすい内容かこれらの修正のポイントは「titleタグとは?概要から設定時のポイントについて」で詳しく紹介していますので合わせて読んでいただくとより理解が深まると思います。メタディスクリプションの修正ディスクリプションとは、検索結果上のタイトル下に表示される部分のことです。以下のように100文字程度で記事の内容を簡潔に要約したものになります。タイトル同様に検索結果上に表示されるため、ユーザーが記事に興味を持ってクリックするかどうかを決定する要素の一つのため、ユーザーの検索意図からどんな内容が含まれているとクリックされやすいかを常にテストすることが大切です。具体的には以下の5つのポイントに注意しながら設定するといいでしょう。コンテンツを端的に要約する独自性の高い内容にする文字数に注意する前半部分に対策したいキーワードを入れる各ページで固有のものを設定する設定のポイントの詳細は「meta descriptionとは?概要やSEOとの関係、設定時のポイントを紹介」にて解説しているため合わせて読んでみてください。足りない情報の追加ブログ記事の検索順位は、世界中の競合の記事との相対評価で決まると言っても過言ではありません。つまり、検索順位が1位ではない状態は自社の記事よりも他社の記事の方がわかりやすく、情報の網羅性があり、検索者の意図を満たしていると検索エンジンに評価されている状態と言えます。そのため、競合の記事と比較して足りない情報や検索意図を満たすために必要な情報は積極的に追加しましょう。具体的には、以下の方法で足りない情報を見つけることができます。狙っているキーワードで自社の記事よりも上位の競合記事を読む再検索キーワードを参考にする1:狙っているキーワードの1位〜10位の記事を参考にするたとえば、「業務用エアコン 費用 相場」という記事のリライトをする場合、実際の検索結果上位の記事(自社記事よりも評価されている記事)を参考にするといいでしょう。ただし、競合の記事に含まれているからという理由で盲目的に情報を追加してはいけません。対策しているキーワードを検索している人がその情報を求めていると判断できた場合のみ、追加するようにしましょう。ただし競合の記事を参考にするあまり、内容がほとんど一緒になってしまうとオリジナリティのない記事になってしまいます。競合の記事はあくまで参考程度にしましょう。2:再検索キーワードを参考にする再検索キーワードとは、検索結果の最下部に出る他のキーワードのことです。このキーワードはユーザーが特定のキーワードで検索した後、一度検索結果に戻り2回目の検索をしたキーワードのことです。たとえば、「業務用エアコン 費用 相場」と検索した際に表示される再検索キーワードは以下のようになっています。つまり、「業務用エアコン 費用 相場」と検索したユーザーが検索結果上に表示された記事を読んだ後に2回目の検索窓に入力したキーワードです。つまり、検索の意図が満たされなかった、もしくは満たされたが次に気になる内容がブログ内になかった、ということが考えられます。そのためこれらのキーワードで自社のブログを閲覧した方に提供できる情報があれば追加しましょう。最新情報へ更新ブログ記事に対してユーザーは基本的に最新の情報を求めています。また、検索エンジンもそれを理解し情報の鮮度を大切にしています。そのため、過去の記事で古くなっているものは定期的にメンテナンスすることが大切です。毎年更新されるような情報なのであれば内容の修正と同時にタイトルに【2022年】などを含めると検索結果上で最新の情報だということが一目でわかるため効果的です。ただし、内容は古いままなのにタイトルだけを変えるなどは効果がないため、タイトル修正はしっかりと内容の見直しとセットで行いましょう。CTAバナーの追加/修正ブログ記事では、ユーザーの検索意図に合わせたCTA(アクションを促すボタン)を追加するといいでしょう。たとえば、おすすめの業務用エアコンの紹介記事であれば、以下のように「この商品の中古を探す」などのCTAを商品紹介のすぐ下に追加すると効果的です。また、CTA画像は色やデザインなどによってもクリックのされやすさが変わります。そのため、定期的に見直し、問い合わせ率が低いのであれば色を変えたりデザインを変えるなどの対応を行いましょう。まとめここまで、具体的なリライト記事の選定方法やリライトのアイデアについて紹介してきました。ブログ記事は、公開してから実際の検索結果上での順位やユーザーの行動などをみながら常にリライトをしていく必要があります。紹介してきた以下の順番に自社のブログ記事でもリライトをしてみてください。検索順位が1位〜5位程度の記事で問い合わせや資料請求が発生していない記事CVが発生しているが検索順位が低い記事対策キーワードの順位が5位〜10位程度の記事のリライトまた、もしブログ運営について困っている場合は、こちらの記事もご覧ください。ニッチなジャンルですが、コンテンツマーケティングに取り組み1年でお問い合わせ数を3倍以上に改善した事例です。改善事例:「ニッチ商品でも、知恵を絞ればマーケティングで成果を出せる」予想外の提案から始まり、売上が2倍以上に伸びた取り組み