SNSやLINE(LINEも一応SNSですね)が増えても、いまだに使い方によっては絶大な効果があるメルマガ(メールマガジン)。弊社のクライアントでも実施していることが多く、メルマガ経由でブログを読んでくださる方、お問い合わせをしてくださる方、「コラムを楽しみにしてるよ〜!」と言ってくださる方もいて、企業のマーケティング活動の中でも非常に重要な施策となることが多いです。本記事では、メルマガの目的からメリット、そして「難しい」と言われる理由まで、弊社の事例や画像付きで解説します。メルマガとは?メルマガ(メールマガジン)とは、特定の読者に対してニュースやプロモーションなどの情報をメールで配信するマーケティング手法です。顧客との継続的なコミュニケーションを実現し、信頼関係を構築するために、このような情報伝達手段は欠かせません。TwitterやInstagramなどのSNSも重要ですが、メルマガやLINE公式アカウントなどの、ユーザーにダイレクトに情報を届けることができる手段は、有効活用できれば高い効果を発揮します。メルマガの目的メルマガには次のような目的が挙げられます。商品やサービスの購買への誘導リピート利用への促進顧客との信頼関係構築や満足度向上企業が行うメルマガの目的はやはり「営利目的」ではあります。しかし、その目的をメルマガ全面に押し出し「商品を売ろう」「再利用を促そう」「セミナーを紹介しよう」といった、売り込みの強いメルマガになってしまうと顧客は嫌気が差してしまいます。ピーター・F・ドラッカーは著書の中で、マーケティングの目的を以下のように書いています。翻訳すると「マーケティングの目的は、営業を余分なものにすることである」ここでいう「営業」とは「営業マン」ではなく、「売り込む行為」や「押し売りする行為」と訳せます。the aim of marketing is to make selling superfluous.メルマガの配信も同様です。マーケティング活動の一環としてメルマガ配信を行うなら、売り込みの強いものにするのではなく、そんな行為をしなくても商品を買ってもらえるような、関係づくりを目指していくべきでしょう。メルマガで配信する内容メルマガで配信する内容は次のようなものがあります。コラムキャンペーンやイベント情報顧客の興味関心を刺激する話題やサービスの紹介ブランドストーリーお客さまの体験談ブログへの誘導ニュースレターのメール版を想像するとイメージがつきやすいでしょうか。配信する内容にルールがあるわけではないので、「顧客がどんな情報を受け取ったら嬉しいのか?」を考えながらメルマガを作成しましょう。メルマガの形式メルマガの形式は、主に2種類です。HTML形式:フォント・色・大きさ変更、画像や動画の挿入が可能テキスト形式:文字だけでつくられたものHTML形式では、Webページのような視認性の高いメルマガを配信できるのがメリットです。開封率を測定できるため、配信したメルマガがどのくらい読まれているのか計測することも容易です。一方で、受信者側の環境によっては正しく表示されない場合もあるため注意しましょう。また、この形式でメルマガを作成する場合HTMLの知識が必要になりますが、昨今のメルマガ配信ツールはHTMLの知識がなくとも視認性の高いメルマガを作ることができます。ツールを選ぶ際は、どんな機能が備わっているのかを事前にチェックすると良いでしょう。またテキスト形式は、HTML形式のように専門的な知識がなくても、簡単に作成できるメリットがあります。記号や空白を使って段落を分ければ、ある程度は視認性を上げることも可能です。表示するときも受信者側の環境の影響を受けにくいというよさもあります。メルマガを配信する3つのメリットメルマガには、主に3つのメリットがあります。低コストで顧客へ情報を届けられる配信者側から能動的にアプローチ可能さまざまなコンテンツを配信できるここからは、3つのメリットについて解説します。低コストで顧客へ情報を届けられるメルマガは、低コストで顧客へ情報を配信できるメリットがあります。たとえば、キャンペーン情報をダイレクトメールで送付しようとすると、印刷代や郵送代などの費用がかかります。顧客の数が多かったり、送付頻度が高かったりすると、費用面の負担が大きくなりがちです。しかしメルマガは、印刷代や郵送代をかけずに配信できるため、低コストで運用が可能です。予算に制限があっても始めやすく、ほかのマーケティング手法と組み合わせても、費用面では負担になりにくいでしょう。関連記事:記事は公開して終わりじゃない。記事をユーザーに届けるためにできる8つの方法配信者側から能動的にアプローチ可能配信者側の好きなタイミングでお客さんへアプローチできるのもメルマガのメリットです。たとえばWebサイトであれば、原則、顧客が訪問するのを待つことになります。企業側からのSNSや広告でのアプローチで訪問を促すことはできますが、それらを使用しない場合、基本的には「訪問を待つ」ことになります。顧客側からの訪問がなければ、情報を伝えられません。メルマガは企業側(配信者側)からアクションを起こせるため、企業が関係づくりをリードできる点が、非常に大きなメリットです。さまざまなコンテンツを提供できるさまざまなコンテンツを提供できるのもメルマガのメリットです。キャンペーン情報や割引クーポンなどのお得情報から、新製品や新サービスのリリース情報、活用事例、ブランドストーリーなど、さまざまなコンテンツを自由に提供できます。そのため配信者はひたすらに「顧客に役立つ情報は何か?」「顧客が喜んでくれる情報は何か?」に向き合ってメルマガ配信を行う必要があります。また動画素材、画像素材、テキスト素材に特化といったように、メルマガは何かの素材に特化しているわけではないので、さまざまな形式(動画、画像、テキスト)で配信が可能です。関連記事:【ブログの記事更新ネタが無い!とお悩みの担当者向け】ブログのネタ探しのポイントとは?メルマガの注意点・メルマガが難しいと言われる点メルマガの注意点、またメルマガが難しいと言われる点には次のようなものが挙げられます。順番に解説します読者(メルマガ購読者)を増やすのが難しい開封率はダイレクトメールに比べると高くない迷惑メールと思われると、今後読まれる可能性がほぼ無くなる継続的にメルマガ配信する社内体制を作るのが難しい読者(メルマガ購読者)を増やすのが難しいメルマガを配信したくても、そもそもメルマガへの登録者獲得が難航し、メルマガ配信を諦めてしまうことがあります。ブログやSNSで呼びかけても、メルマガに登録してくれる顧客はそう多くありません。メルマガは登録した読者にだけ届くものなので、登録者が少なければ期待するほどの成果が得られない可能性もあります。顧客がメルマガに登録したくなるような工夫が必要になります。たとえば、(弊社のブログでも実施していますが)ブログの下部にメルマガ登録への誘導バナーを設置する、オフラインで顧客に合う機会にメルマガ誘導のフライヤーをお渡しする(下画像参照)、他のSNSでメルマガを紹介する、メルマガ登録ページに過去メルマガのアーカイブを掲載する、などを行う必要があるでしょう。開封率はダイレクトメールに比べると高くないメルマガの開封率は一般的に15~25%前後と言われています。これは閲読率は80%前後となる自分宛てのダイレクトメール(一般社団法人日本ダイレクトメール協会が行なった「DMメディア実態調査2021」による)と比べると低い数値です。コストや準備にかかる時間の問題もあるのでこれらを単純比較はできないですが、メルマガとダイレクトメールそれぞれを10,000人に配信した場合、メルマガの開封数は2,000人ですが、ダイレクトメールは8,000人が開封することになり、ふたつの施策ではおおよそ6,000人もの開封数の差が出ます。こう見ると、メルマガってあまり開封されないですよね。メルマガの開封率は15〜25%ですので、”思った以上に開封されない”ということを覚えておくと良いでしょう。闇雲に「目標開封率は80%」などと目標設定すると、メルマガ施策は頓挫します。迷惑メールと思われると、今後読まれる可能性がほぼ無くなるメルマガ読者が「営業ばかりだな」「つまらないな」「面白くないな」と感じてしまうと、メルマガが読まれなくなってしまいます。そしてそう感じた読者が、メルマガを再度読み始めることは、ほぼ無いと言っていいでしょう。最悪の場合、迷惑メールに登録され、メルマガが読者に届かなくなる可能性もあります。上記のような理由で顧客が迷惑メールへ登録することもあれば、ドメイン評価が低いために自動で迷惑メールとして処理されることもあります。迷惑メールに振り分けられると受信フォルダに表示されなくなる場合もあり、配信しても届いていないのと同じ状態になりかねません。継続的にメルマガ配信する社内体制を作るのが難しいメルマガの準備はある程度の時間がかかります。自社のブログや記事へのリンクを貼るだけであれば、20~30分ほどの作業時間で終わります。しかし、面白いコラムを書いたり、画像や装飾で分かりやすくするための工夫をしていると、作成に1時間以上かかる場合もあります。そういった準備時間が確保できないと、メルマガ配信が継続できません。メルマガ配信を行う担当者の時間は十分確保されているか?、配信に困らないようなスキルを持っているか?他のSNSやブログと連動して、効率よくメルマガの準備ができているか?などを担当者の上長は常に確認し、継続的にメルマガ配信ができるようにしましょう。上述の通り、メルマガの目的のひとつは「顧客との信頼関係構築や満足度向上」ですので、継続的な配信体制の構築がマストになります。「向いているビジネス」と「向いていないビジネス」顧客がメールを受け取る(よく読む・よく使う)習慣があれば、メルマガは有効なマーケディング施策になり得るでしょう。逆に、顧客がメールを受け取らないビジネスもありますよね?そう言ったビジネスでは、そもそもメルマガが見られないため、向いてないと言えるでしょう。たとえば、弊社のようなマーケティング支援会社のクライアントは、企業の経営者や、所属するマーケティング担当者の方々です。多くはメールを日常使いしており、企業のメルマガを受け取っている方も多いでしょう。そういったビジネスではメルマガは有効な手段となります。実際に、一般社団法人日本ビジネスメール協会が行なった「ビジネスメール実態調査2022」では、仕事上のコミュニケーション手段はメールが98.69%と最も多い結果となっています。このことからも、弊社のマーケティング施策では、メルマガが有効な施策である可能性が高いです。画像の通り、BtoBサービスを提供する会社の顧客インタビューをメルマガにて配信し、そこからお問い合わせが発生するなど、相手がメールを利用する習慣があれば、内容次第でメルマガ経由でお問い合わせを獲得することが可能です。まとめメルマガ(メールマガジン)は、特定の読者に対してニュースやプロモーションなどの情報をメールで配信するマーケティング手法です。顧客との継続的なコミュニケーションを実現し、信頼関係を構築するために、このような情報伝達手段は欠かせません。良い商品を作って終わりではいけないからこそ、こういった手段を使って、顧客と丁寧に関係作りができるマーケティングが非常に重要、と私たちは考えます。開封率や、メルマガ経由うのセミナー参加数ばかり追いかけるのではなく、「顧客とって役立つメルマガなのか?」を徹底的に考え続けた企業だけが、この先メルマガで成果を出すことができるでしょう。関連記事:メルマガの開封率を高める10のポイント!開封率を高める件名作成のアイデアもご紹介