「Webマーケティングを始めたいけど、何から手を付けたら良いのわからない...」と思っている方も多いのではないでしょうか。Webマーケティングは、サイト運営やWeb広告、SEO対策、メルマガ配信など手法が数多くあります。そのため「自社の状況に適したWebマーケティングの施策は結局なに?」「結局のところ何から準備すればいい?」などと混乱しやすいのもWebマーケティングの特徴なのかもしれません。そこで今回はWebマーケティングを行う前に、準備しておくべきことを以下、5つのステップに分けて解説します。【STEP1】Webマーケティングを行う目的を言語化する【STEP2】誰に売りたいかを明確にする【STEP3】商品の強みや差別化要素を言語化する【STEP4】計測環境を整えておく【STEP5】一緒にマーケティングを行うメンバーを揃えるSTEP1から順を追って、詳しく解説していきます。【STEP1】Webマーケティングを行う目的を言語化するまずは「なぜWebマーケティングを行うのか?」という目的を言語化する必要があります。なぜならWebマーケティングは目的によって施策内容が大きく異なるためです。目的から戦略、戦術へとブレイクダウンさせていくことで、目的から一貫したマーケティング施策を行えるようになります。Webマーケティングを行う目的は企業によってさまざまですが、Webマーケティングを行う代表的な目的は、以下のような内容が目的となることが多いです。それぞれの施策例も交えながら解説します。新規顧客の獲得売上アップ認知度の向上新規顧客の獲得新規顧客の獲得はWebマーケティングを始める代表的な動機であり目的です。とくに新しく事業を始めた場合、ターゲットとしている新規顧客を効率的に獲得する必要があるため、Webマーケティングとの相性は良いのです。施策例:Web広告でターゲットユーザーへアプローチリスティング広告やSNS広告などのWeb広告は、年齢や性別などユーザー属性を絞って特定のユーザーに広告配信できるというメリットがあります。これまで獲得できなった顧客の中でも、特に商品に興味をもってくれそうなユーザーに対してアプローチができるため、効率的な施策となります。売上アップ売上アップを目的とする場合は、新規獲得や認知度向上などの施策とは異なります。売上を上げるためには、新規顧客だけでなく既存顧客に対してもアプローチをする必要があります。商品・サービスを購入した顧客に対して「一度売って終わり」ではなく、再度Webサイトへの訪問を促したり、リピートしたくなるプロモーションを行うことで売上向上に繋げます。施策例:メルマガやLINE公式アカウントでアプローチLTV(※)という指標をKPIとして、1人あるいは1社あたりの売上を向上させる施策を行います。たとえば、既存顧客にメルマガやLINE登録をしてもらい、適切なタイミングで顧客の課題が解決できるようなコンテンツを提供します。そのタイミングに合わせて、関連商品など紹介をすることでリピートに繋がったり、セット販売につながり売上が増加します。※LTVとは....Life Time Value(ライフタイムバリュー)の頭文字をとった言葉で、「顧客生涯価値」と訳される指標です。ある顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間に、自社にどれだけの利益をもたらしてくれるかを表した数値です。認知度の向上企業ブランドあるいは自社製品の認知度を上げるという目的でWebマーケティングを行うケースもあります。認知度の向上を目指す場合でも、最終的な目標は売上アップとなりますが、Webマーケティング施策においては、さきほどの売上アップを目的としたものとは異なった施策になります。一般的な購買プロセスを図に表すと以下のようなファネルとなります。売れる仕組みづくりにおける一歩目は認知度の向上であり、ネット社会における現代において、認知を広げるためにWebマーケティングは効果な施策です。次のようなWebマーケティング施策はまさに、認知を広げて購買に繋げるための施策といえます。施策例:SNSキャンペーンSNSを用いたキャンペーンは認知拡大における効果的な施策です。SNSは拡散性があるため、話題のタネになるキャンペーンやユーザーのメリットを上手く訴求できれば、短期間で一気に広がるという特性があります。たとえば、Panasonicが提供している乾電池「エボルタネオ」は、X(旧Twitter)にてプロモーションキャンペーンを行いました。防災の日にちなんだプレゼント企画や「引用リツイートしたら◯◯」というような拡散につながるような投稿を行い、2.7万リツイートされ認知を一気に広げることに成功しています。画像引用元:エボルタNEOくん - Xポストより【STEP2】誰に売りたいのかを明確にする「誰に売るのか」という対象によってもWebマーケティングの施策は変わってきます。たとえば、50代男性と20代女性では趣味嗜好や考え方は異なり、アプローチ方法も変わってきます。誰に向けた施策なのかを明確にすることで、対象に刺さる訴求ができるようになったり、対象の顧客に集中的にリソースを投下できるようになります。ターゲットを決めるマーケティングにおけるターゲットとは「想定顧客層」のことを指します。年代・性別・居住エリアなどの属性だけでなく、職業や価値観などさまざまな条件によって分類したセグメントの中で、狙いたい部分をターゲットと言います。以下はターゲットユーザーの例です。20代女性会社員愛知県名古屋市在住趣味や貯金・投資に関心があるターゲティングを行うときは「STP分析」というフレームワークを使用すると、より詳細かつわかりやすく整理ができるのでオススメです。ペルソナを作成マーケティングにおけるペルソナとは、商品やサービスの象徴的な顧客像を指します。ターゲットと混同されやすいですが、ターゲットが年齢や性別など「集団」をフォーカスしているのに対して、ペルソナはより具体的な「個人」になります。またターゲットは実在する人物たちを指しますが、ペルソナは実在する場合もしない場合もあります。以下は簡易的なペルソナの例です。山本太郎(36歳/男性)不動産営業、年収650万円(週休2日)学歴:名古屋大学 経営学部経営学科趣味はゴルフで平日夜には職場から練習場へ直行するペルソナを設けることにより、マーケティングを行うチームまたは個人がより顧客を具体的にイメージできるようになり、顧客の悩みや課題に寄り添った施策を行えるようになります。ペルソナについてより詳細に解説した記事を書いていますので、合わせて御覧ください。関連記事:「ペルソナ」とは?概要と作るメリット、作成方法まで解説(ペルソナ作成シート付き)【STEP3】商品の強みや差別化要素を言語化する商品の強みや差別化要素をあらかじめ言語化しておくことはとても重要です。商品やサービスが溢れているこの時代に、差別化できる要素がなくては選ばれないからです。Webマーケティングを行って認知を広げれば売れるだろうと考える方もいますが、それだけで売れる商品は非常に稀です。これからマーケティングを始める方は、武器がない状態で認知が広がっても「売れない」という前提を持つ方が無難です。競合の商品・サービスを調査する競合の商品・サービスを調査して、理解を深めることで自社が取るべき戦略や参考にすべき点が見えてきます。競合調査はとくに念入りに行いましょう。ネットで調べるだけでなく、商品を実際に購入してみたり、行っているマーケティング戦略を追ってみるのも良いでしょう。競合調査を行うことで自社がどの立ち位置にいるのか明確なります。「うちの商品は安くて、品質が丁寧だから売れる」と思っていても、調査を進めていくと、さらに安い商品が売っていたり、高品質の商品が見つかることもあるでしょう。自社の優位性を言語化する競合他社と比較したときに、優位にある部分をあらかじめ言語化しておきましょう。市場に競合他社がいる場合は、何らかの優位性が無い状態でWebマーケティングを行っても、顧客にとってはあなたの商品を買う理由がないため、苦戦する可能性があります。他社の商品と比べて自社の商品は、どのような点に優れているのか考えます。その際、以下のように顧客の立場から見た違いについて、言語化しておくとマーケティングにおける武器になりやすい傾向にあります。コストパフォーマンスの良さ品質の良さ利便性スピードの速さ購入後、契約後のサポートや保証【STEP4】計測環境を整えておくWebマーケティングを行う場合、計測環境を整えておくと問題発見から改善までのプロセスがスムーズになります。実際に行ったマーケティング施策が、事業に対して有効に機能しているのか、改善すべき点を判断するためには、定量的な計測が必要不可欠になります。KGI・KPIを設定するKGI(※)やKPI(※)のような指標の計測設定は、Webマーケティングを始める前に準備しておきたいところです。KGIは、経営戦略にも関わってくるような大きめの目標指標で「成約数を◯に伸ばす」や「売上高を◯◯円達成する」といった定量目標です。一方KPIは、KGIを達成するための小目標で「Webサイトのユーザー訪問数」や「広告による獲得単価」など、施策単位のゴールを設定します。KGI...「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」と言います。企業の目指す最終的な定量目標を意味しています。KPI...「Key Performance Indicator」の略で、本語では「重要業績評価指標」と言います。最終目標到達までの、各プロセスの達成度や評価を示す指標です。アクセス解析ツールを導入するWeb広告、SEOブログ、SNSなど、Webマーケテイングの施策には、Webサイトを用いる場合が多いです。そしてアクセス解析ツールとは、サイト訪問者の属性や環境、行動、流入経路などを分析できるツールです。アクセス解析ツールは、Webマーケティングを行う上では必ず導入しておきましょう。準備段階では以下のツールからデータを確認できるように設定しておくことをオススメします。Google AnalyticsGoogle Search ConsoleMicrosoft Clarityこれらのツールは無料で利用することができ、改善をするために必要なデータを概ね取得することができるので、準備段階で使えるようにしておくと良いでしょう。【STEP5】一緒にマーケティングを行うメンバーを揃えるここまで解説した準備を1人で行うのは大変です。またWebマーケティング自体は、専門家でない限り本業とは全く別のスキルや知識が必要になってくるため、ゼロからはじめるのは非常に難儀です。そのため、Webマーケティングはどのようなメンバーで進めていくのかを、事前に考えながら準備を行っていくのが良いでしょう。自社で採用する自社ににマーケティング担当者がいない場合は、マーケティングの経験者を採用するという方法があります。マーケティングを任せるために採用を行う場合、具体的にどんな業務をお願いするのか、どんなスキルを求めているのか明確にしてから採用活動を行います。ただし、採用までに時間がかかってしまったり、相性の良い人材を採用するのは簡単ではありません。相当期間の猶予をもって採用に臨むのが良いでしょう。支援会社にアウトソース(外注)するマーケティングを専門に行なっている支援会社にアウトソースする方法もあります。支援会社でなくても、フリーランスなど個人で活躍されているマーケターに依頼することで、マーケティング活動の初期から「精度の高い打ち手」を打つことができます。しかし、立ち上げ期はあらゆる準備や横断的にマーケティング施策を進める必要もあるため、特化型よりは幅広く業務を依頼できる包括的な支援が得意な支援会社に依頼するのが望ましいです。関連記事:SMBのマーケティング活動は、アウトソース(外注)を積極活用したほうがいい3つの理由まとめWebマーケティングは準備によって初速が大きく変わってきます。「まずはやってみる」の精神も大事ですが、時間を含めたリソースに限りがある場合は「効率」という観点も念頭に入れなければいけません。今回は、これまでのご支援における経験に基づいて5つのステップにわけて解説しました。やはりここの準備をしっかりしてあるクライアント(企業)は、初速が良かったりもします。これからWebマーケティングに力を入れる方は、ぜひ本記事を参考にしていただき準備から始めていただけたらと思います。