弊社が支援しているクライアントでの検証結果についてご紹介します。今回は、医療関連のブログにおけるホームページ来訪ユーザー数、ブログ経由のコンバージョン数を改善をするために弊社にて課題の発見、施策の検証におけるプロセスについて解説します。注意:以下の事例は私たちの状況に基づくもので、全てのケースに当てはまるわけではありません。顧客目線のブログとSEO対策で、7.7倍のリードを獲得できるまで伸びた医療ブログの改善事例弊社にてマーケティング活動をご支援させていただき、その中のひとつの施策であるブログ経由での集客を強化すべく取り組みをスタートしました。前提と課題対象サイトは以下の通りです。業種は医療関係、主な集客方法はブログコンテンツとなっています。疾患や治療方法、個人でできる対策など患者にとって役に立つ知識や情報を発信し、サイト訪問者数の向上およびお問い合わせの獲得につなげています。業種医療関連コンバージョン地点電話お問い合わせ対象とする施策ブログコンテンツ(主な流入経路:自然検索)課題ブログ経由のサイト訪問者数の向上およびコンバージョン数の向上今回ご紹介するクライアントはご支援させていただく前から、自身でブログの発信をしていましたが、ある時期からサイト訪問者数が増えず、それに伴ってお問い合わせの数も増えていませんでした。課題に対する仮説今回のゴールはブログ経由のサイト訪問者数を向上させ、なおかつお問い合わせを増やすことです。これまでの公開されていたブログの傾向から伸びていない理由に以下の仮説を立てました。仮説1.ターゲットが「本当に知りたいこと」は書かれていないお問い合わせにつながらない理由として「ターゲットが『本当に知りたいこと』は書かれていない」のではないか?という仮説を立てました。主に以下の傾向から、この仮説に至りました。内容が専門的すぎて理解が難しい原因や根拠は記載されているが対策が明記されていない医療系の記事は、明確な根拠や専門的な内容を記載する必要がありますが、あまりに専門的すぎる内容や難しい用語を使用することは、読者を困惑させる可能性もあります。そうなるとブログから読者に与える印象は「詳しそうな病院だけど、自分の困りごとを解決してくれるのかわからない」などと距離感が生まれてしまい、お問い合わせにはつながりづらくなる可能性があります。仮説2. SEO対策を十分行った競合ブログの台頭これまで公開されていたブログ記事の傾向として、内容はとても具体的ですがSEO対策がしっかりと取れていませんでした。コラムとして書かれる記事が大半だったため、検索しても検索結果に出てこないという課題が見えてきました。中には検索順位がもともと高い記事もありましたが、ブログ集客に力を入れる競合医院も増えてきていたため、徐々に検索順位は低下しサイト訪問者数が減少していました。仮説3. E-E-A-Tに沿った対策が不十分E-E-A-Tとは、Googleが高品質なコンテンツを決める上で要視している基準です。医療系のブログは「健康」に直接関与するジャンルですので、この基準はとくに重視される傾向にあります。当ブログにおいては、「執筆者が不明瞭」「一次情報の不足」「引用元の未記載」など、コンテンツの品質を低下させる要因がいくつか見られました。E-E-A-Tは、SEO対策の一環としても重要視されていますが、医療系のブログにおいては読者の信頼を得る上でも非常に大切です。E-E-A-T 自体はランキングに直接影響する要因ではありませんが、E-E-A-T が優れているコンテンツを特定できる要素の組み合わせを使用することは有効です。引用元:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成仮説に対して行なった施策上記の仮説をもとに、主に3つのポイントを考慮しながら変更しました。記事毎に特定の患者を想定して制作読者となる対象を明確にすることから始めました。実際に対象の病気で困っていた患者さんの話を具体的にヒアリングし、読んで欲しい対象者の解像度を上げることに専念しました。年齢、性別、良くある質問などをヒアリングをして、対象の読者にとってわかりやすく参考になるような内容にします。専門用語を控え、細かく補足を入れる、図解やイラストを作成し内容をわかりやすく整理する、自分で解決する方法や対策、自分での解決が難しい場合の対策など、ターゲット読者にとって課題解決につながるかどうかを軸に制作しました。キーワードから戦略を設計するコラム記事がメインだったこれまでのブログから、キーワードから戦略を立てて検索順位で上位に上がるようなブログ構成に変更しました。競合医院の記事をチェックキーワードのニーズをチェック関連キーワードの調査 ...etcキーワード調査を行い、読者のニーズを洗い出し、ブログ記事で課題解決にむけた次の行動へと移せるように設計をしました。また検索上位に上がっている競合医院の記事を読み、それらの記事において足りない情報を補うなど、差別化ができるように構成を作成しました。E-E-A-Tを意識した設計で制作医療関連のブログにおいて、Google 検索で検索順位を上げるためには、特にE-E-A-Tの基準を満たして良質なコンテンツとして認識される必要があります。E-E-A-Tは「Expertise(専門性)」「Experience(経験)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」4つの基準で評価されます。これまでのブログでは、E-E-A-Tにおける具体的な対策が取られていなかったため、コンテンツの品質を向上させるべく主に以下のことを行いました。記事の監修者を具体的に明記するSNSへの投稿でサイテーションを高めるGoogleビジネスプロフィールにも掲載する具体的な根拠を明記する専門的な一次情報を入れるSEO対策としてだけでなく、これらのアクションは読者の信頼にもつながる可能性があり、ひいてはお問い合わせにつながる確率を高めることができます。施策から得られたデータ1年をかけて改善を行い、ホームページへのサイト訪問者数、ブログ経由のコンバージョン数を前後比較してみました。いずれも1年間の合計から平均を割り出していますが、以下のように変化が表れました。項目変更前変更後月間平均サイト訪問者数約11万約33万月間コンバージョン数-変更前の7.7倍※正確なサイト訪問者数、コンバージョン数は記載できないため、記載できるレベルまで情報を伏せております。得られたデータを基にした考察あくまで今回のケースでの結果のため、すべてのケースに当てはまるわけではないですが、このような結果となりました。この結果をもとに、以下のように考察しました。検索上位が高くてもコンバージョンにつながるわけではない結果的に、全体の7割以上の記事が対象のキーワードで1ページ目に表示され、多くのユーザーが訪れるようになりました。しかしサイト訪問者数が増加してもコンバージョンが大きく向上するわけではなく、読者を次の行動へと導く設計がされていなければなりません。読者を次の行動へと導き、コンバージョン率の改善をするためには、CTA(※)と呼ばれるサイト内のボタンなどにも工夫をする必要があります。※CTAとは...「Call To Action」の略で、日本語で直訳すると”行動喚起”という意味です。Webサイト内でユーザーをコンバージョンへと誘導する要素です。以下の記事では、別医院の事例ですがコンバージョン率改善に向けたCTAの検証を解説しています。コンバージョン率に課題がある方は、こちらも合わせて参考にしてみてください。関連記事:CTAの設置方法によるコンバージョン率の改善事例(医療関連ブログ)”病名”ではなく”悩み”に焦点を当てることでお問い合せにつながる病名を起点とした記事と、悩みを起点とした記事の両方を制作しましたが、コンバージョン数においては後者の記事が圧倒的に多い結果となりました。医療関連の検索キーワード調査をすると、悩みに関連したキーワードよりも、病名がついたキーワードの方が検索ボリュームが大きくなる傾向があります。キーワードを選ぶ場合、検索ボリュームが大きいキーワードを選びがちです。しかしお問い合わせにつなげることを目的とした場合は、病名だけでなく悩みや症状を表したキーワードを選び、悩みの対策における記事にした方がコンバージョン率が上がる場合もあります。(※業種、業界、記事の内容によって変わります)さいごに医療関連のブログは「健康」に関わる内容ですので、Googleからの評価も厳しくなる傾向があります。そのため医療関連のブログからのお問い合わせを増やす場合は、専門性、具体性、信ぴょう性などさまざまな基準で、品質を上げなければなりません。また今回の検証結果でも、お問い合わせが多かった記事はこれらの情報が充実している記事ばかりでした。もし医療関連のブログをこれから始める方や現在行っている方にとって少しでも参考になれば幸いです。注意:以下の事例は私たちの状況に基づくもので、全てのケースに当てはまるわけではありません。