「自分たちが誰に対してビジネスを行なっているのか?」それを明確にするためにペルソナを考える必要があります。ペルソナは考えて終わりではなく、すべてのマーケティング活動の入口となるものです。まずは「誰に対してビジネスを行なっているか(行いたいか)」を定義し、それを起点に、これからどのようなマーケティング活動に取り組むかを考えていくためのものです。また、その「誰か」は全社員で共通認識を持てているでしょうか?「弊社は全社員で共通認識を持ててるよ」と思うかもしれません、しかし、経営者が考えるお客様像、マネージャーが考えるお客様像、営業担当者が考えるお客様像、システム担当者が考えるお客様像は、思っている以上に異なるものです。その認識の違いが、マーケティング活動の「ベクトルのズレ」を生み、効果の出にくい活動にしてしまいます。まずは「自分たちが誰に対してビジネスを行なっているのか?」を明確にしながら、それを従業員全員で共有することがマーケティング活動の第一歩と私たちは考えています。ペルソナとは?私たちの考える「ペルソナ」とは、サービスや商品を利用する人物(顧客)の特徴を持った個人のイメージ像、です。※よく比較される表現として「ターゲット」があります。ペルソナはサービスや商品を利用する人物の特徴を持った”イメージ像”ですが、ターゲットはマーケティング施策の対象となるため、イメージではなく”具体像”である点が「ペルソナ」とは異なります。ペルソナに関して考えるべき特徴はさまざまありますが、商品やサービスの内容に合わせてできる限り詳細に考えます。年齢、性別、家族構成、年収(可処分所得)、使っているスマートフォンの機種やブラウザや検索エンジン、趣味、学歴、座右の銘、悩みや課題、性格、社内や家庭での立ち位置、将来の夢や目標などをできる限り詳細に考えることで、より具体的な顧客のイメージを持つことができます。そしてその具体的なイメージが、具体的なマーケティング施策を考えることにつながるため、ざっくりと決めるのではなく、可能な限り細かく決めましょう。弊社で作成しているペルソナはこのような表にまとめています。より具体的なイメージを持つためにも、イラストを入れたり、ペルソナに関係のあるイメージ画像をシート内に貼るのもおすすめです。ペルソナを細かく考えてもマーケティング施策の対象は狭まくならないまた過去に「ペルソナを細かく考えすぎるとマーケティング施策の対象が狭くなるのでは?」「ペルソナを細かく設定すると現実にいない人物を狙うことになってしまうので、細かく決めすぎるのは良くないのではないか?」というご質問をいただいたことがあります。私はペルソナを詳細に考えたとしても、マーケティング施策の対象は狭くならない、と考えています。たとえば、スーパーカーなど数千万円するような車を購入するペルソナを考える場合、実際にそのような商品を購入する方々の特徴を細かく書き出していくと、それが当てはまる方々は日本に僅かしか(または全く)いない事になる場合があります。広告などをはじめとしたマーケティング施策の対象(ターゲット)はそれらを購入できる方ばかりではなく、その車に憧れている方々や、ペルソナと近しい特徴を持った方々(将来購入するかもしれないですし、その周りの方々が購入するかもしれません)とすれば、マーケティング施策の対象は少なくないはずです。つまり、ペルソナ = ターゲットとは限らないのです。また逆に、ペルソナ = ターゲットとなる場合もあります。ペルソナの特徴を持つ方々だけである程度の市場規模があり、マーケティング施策のターゲットとして活用できる場合です。意思決定に関わる人物が複数人いる場合は、それぞれのペルソナを考える購入や契約の際に、意思決定に関わる人物が複数人いる場合は、それぞれのペルソナを考えましょう。関係者の合意が取れることで商品購入が決定するため、その中の1人に向けたマーケティング施策ではなく、関係者それぞれに向けたマーケティング施策を考える必要があります。たとえば工場に高額な機械を導入する場合など、契約を決定する前に「技術者」「技術責任者」「経理責任者」「社長」といった形で複数人が契約の決定に関わる場合は、それぞれのペルソナを描き、それぞれの人物に向けたマーケティング施策を考案しましょう。他にも、住宅購入は複数人のペルソナを考える必要のある商品です。「夫」「妻」「子供」「お互いの両親」など、住宅購入の際は複数人が関わることになります。それぞれのペルソナを描き、それぞれに対するマーケティング施策を考える必要があります。意思決定の際に「気にするポイント」や「重視するポイント」は人それぞれ異なります。それらをひとつの施策でまとめて解消するのは不可能であるため、それぞれに合わせた解決策や対策を行うことが、顧客にとって心地の良いマーケティング活動につながるでしょう。ペルソナを作るメリットペルソナを作るメリットは、「自分たちが誰に対してビジネスを行うのか」の「誰」について、社内で共通認識を作れることで一貫性のあるマーケティング活動を行いやすくなること、でしょう。記事冒頭でも記載しましたが、組織は規模が大きくなればなるほど、従業員一人ひとりの思い描くペルソナの解像度は低くなっていきます。所属する部署や従事する役職によって思い描くペルソナは異なり、いつしかそれがマーケティング施策のズレを生みます。しかしペルソナを作成しながら全社員間で共有することで、一人ひとりが「自分たちが誰に対してビジネスを行なっているか」を具体的にイメージできるようになります。ディスプレイ広告を配信する際には「このクリエイティブはペルソナに刺さりそうか?」とチェックできますし、ブログ記事を執筆する際は「ペルソナはこの記事を読んだら、次のアクションを起こせそうか?」といった具合です。ペルソナと施策を照らし合わせながら検討することで、より顧客満足度や施策の精度を上げることにつながるでしょう。ペルソナの作り方ペルソナを作る際のテンプレート資料を用意しました。フォーム入力不要で、こちらから無料でダウンロードできますので、ご自由にコピーまたは印刷してご利用くださいませ。【社外配布用テンプレート】ペルソナ設計シートまた、作成する際はなるべく全社員で作るようにしましょう。上述の通り、同じ社内の人間でも人によってイメージするペルソナは異なります。ペルソナを作成する行為は、全員が同じ顧客像(ペルソナ)をイメージできるようにするためのものでもあるので、なるべく全社員で作成するようにしましょう。ビジネスが発足した初期は創業者ひとりで考えるしかありませんが、従業員数が2~30人規模であれば全員でペルソナを考えるべきでしょう。それ以上の規模の場合は、各部署の代表者が集まりペルソナを作成し、その後全社員に共有することで、全員が同じ顧客像をイメージできるはずです。ペルソナ作成時の失敗パターンとして、企業側の目線”のみ”でペルソナを作ってしまうパターンがあります。企業側の目線のみで作成してしまうと、現状のマーケティング活動や商品に都合の良いペルソナが出来上がってしまいます。そうではなく、作成時は顧客へのヒアリングや、顧客体験などを行なった上で、顧客側の目線も加味して作成すると良いでしょう。より現実的なペルソナが思い描けるようになるはずです。まとめ「ペルソナ」とは、サービスや商品を利用する人物(顧客)の特徴を持った個人のイメージ像、です。そのイメージを会社全体で共有し、同じ顧客像に向けたマーケティング施策を考えることで、一貫性のあるマーケティングを行えるきっかけとなります。ペルソナを作成したからマーケティングが上手くいく、というわけではないですが、ペルソナを作成することが、良いマーケティング活動の起点となるため、時間をかけてでも必ず作成するようにしましょう。作成する際はこちらのテンプレートをご利用くださいませ。フォーム入力不要で、無料でダウンロードが可能です。ご自由にコピーまたは印刷してご利用いただけます。【社外配布用テンプレート】ペルソナ設計シートまた細かいペルソナ設計がご支援の成果に大きく貢献した事例がこちらになります。併せてご覧ください。関連記事:オープン初月から600件以上のお電話獲得。無名のBBQ場がスタートダッシュを決めた裏にある、選択した2つの施策とは