数年前と比べて、企業とユーザーがコミュニケーションを取るのは難しくなっていると私は感じています。最近はマーケティング活動に力を入れる企業が増え、SNSや広告媒体やコミュニケーションツールも増えました。その結果、良いコンテンツや企画を準備してもユーザーに伝えきれなかったり、掲載ツールや伝達ツールの選定をひとつ間違えるだけで、届けたい人に届かない事態に陥ってしまいます。そんな中、日本人の多くが利用しているLINEを活用してユーザーとコミュニケーションを取る企業は少なくありません。日本人のほぼすべてが利用しているツールですので、LINE公式アカウントにて上手くターゲティングしたりコンテンツを考えれば、ユーザーと企業を上手につなぐことができるのです。弊社のクライアントでもLINE公式アカウントを使って上手にコミュニケーションを撮っている企業も多いです。上手に使う上で、まずリッチメニューの設定は欠かせません。本記事はそんな「リッチメニュー」について、やるべき理由から設定方法まで順番に解説していきます。リッチメニューとは?リッチメニューとは、LINE公式アカウントのトーク画面下に固定表示されるメニューのことです。Webサイトへのリンクやクーポン、ショップカード、資料請求フォームへの誘導など、ユーザーをサポートするための動線を用意することができます。画像引用元:リッチメニュー - LINE キャンパスすでに多くのLINE公式アカウントで導入されているリッチメニューですが、店舗やtoCビジネスだけでなく、BtoB企業での活用も可能な機能です。以降では弊社でご支援しているクライアントでの活用事例も踏まえながら、活用方法や設定方法について解説していきます。LINE公式アカウントの「リッチメニュー」が大切なわけLINEだけでなく他のSNSでもそうですが、事業主側がユーザーに対して過度なアクションを求めることは、あまり好ましくありません。ユーザーの納得できるタイミングでWebサイトに訪問してもらったり、クーポンを受け取ってもらったり、お問い合わせしてもらえるようにしておくべきです。そういった意味において、LINE公式アカウントのリッチメニューは過度にユーザーにアクションを求める機能ではないですし、タイミングが合った時にアクションを起こしてもらいやすくする、とてもいい機能です。いくつか具体的な効果をあげるとすると以下の2つが挙げられます。アクションを起こしやすい動線を作ることができる新しい情報(キャンペーン、企画、新商品など)を伝えることができるアクションを起こしやすい動線を作ることができるユーザーが「お店の予約したいな」「おすすめのメニューを事前に知りたいな」と思った時に、すぐにアクションを起こしてもらえるように動線を作ることができます。お問い合わせ方法がなかなか見つからないと、ユーザーの熱は徐々に冷めてしまいます。そうならないように「予約したい!」と思った時に、すぐ予約できる動線をおいておくことは非常に重要です。画像引用元:リッチメニューの活用方法│特長や運用のコツを解説 - LINEヤフー for Business新しい情報(キャンペーン、企画、新商品など)を伝えることができる季節のイベントや、企画・トレンドに合わせてメニューを変更することができます。下の画像はUNIQLOのリッチメニューです。年末に向けてのイベント情報が充実しており、季節に合わせてリッチメニューを用意しているのがわかります。このようにユーザーに積極的に伝えたい情報を意図的に掲載できるのもリッチメニューの優れている点です。リッチメニューの活用事例3選リッチメニューを上手に活用しており、私自身も大変お世話になっている「ゾゾタウン」「ニトリ」「スターバックス」のリッチメニューをピックアップしてみました。ゾゾタウン本記事執筆時がクリスマス前、ウィンターセール時期前ということもあり、それらに合わせたリッチメニューになっています。その中でも「日替わりショップクーポン」や「最大90%オフ!タイムセール開催中」といったメニューもあり、ZOZOTOWNでの購買を積極的に促すような仕様になっていました。ニトリ「今週のチラシ」や「人気ランキング」「創業祭」などの、タイムリーなものをリッチメニューとして設定しています。定期的にリッチメニューを変えることで、LINE公式アカウントのユーザーに飽きられないように工夫されているのが分かりますね。また店頭での購入時に「会員証」を見せる際にもLINEを開く仕様にしていることで、LINE公式アカウントの利用者が増えるようにしているところも素晴らしいと感じました。スターバックススターバックスも「ゾゾタウン」や「ニトリ」と同様に季節に合わせて「ホリデーギフト」のボタンがありました。しかしスターバックスが他社と違う点は、LINEと連動して「LINE スターバックスカード」「ギフト」「モバイルオーダー」「注文履歴」などの店頭での購買体験を良くするようなリッチメニューの設計ばかりがされていました。スターバックスは日本上陸以来、自宅でも職場でもない、第3のリラックスできる場所「サードプレイス」として店舗数を拡大してきました。それだけ店舗に足を運んでいただくことを重要視しており、このリッチメニューの設定は、企業の考えとマーケティング施策が連動した素晴らしい活用方法だと感じました。リッチメニューの作成方法リッチメニューの新規作成を行います。LINE公式アカウント管理画面を開き、「トークルーム管理」 > 「リッチメニュー」を選択します。画面右上の「作成」をクリックし、新規作成画面に遷移します。 「リッチメニュー」を選択します。画面右上の「作成」をクリックし、新規作成画面に遷移します。" width="" height="">次に以下の項目ごとに設定を行っていきます。画像引用元:リッチメニューを作成する - LINEヤフー for business「1」では管理用のタイトルを設定できます。ただしユーザーには表示されませんので、任意のタイトルを設定してください。「2」ではリッチメニューをユーザーの端末に表示する期間を設定できます。イベント期間中だけ表示したいメニューなどを設定する場合は、ここから設定しましょう。「3」はトーク画面でのリッチメニューのプレビューです。設定した内容を確認しながら準備を進めましょう。「4」ではリッチメニューの分割パターンに合わせて、画像作成用のテンプレートをダウンロードすることが可能です。ご希望の画像サイズにあわせて活用いただけます。「5」ではリッチメニューのテンプレートを選択します。テンプレートのサイズによって必要な画像の大きさが異なりますのでご注意ください。「デザインガイド」よりサイズを確認してください。テンプレートを選択することで「リンク領域」を分割することができ、分割したエリアに対してそれぞれアクション(リンク先の設定を変更することができる、等)を設定することができます。「6」ではリッチメニューの画像を設定します。設定は2種類から選択可能です。「7」ではテンプレートの対応箇所にコンテンツを設定します。リンク先のURL等の設定をしてください。「8」ではメニューバーに表示される文言を設定できます。「9」では、ユーザーがトークルームを表示した際のリッチメニューの自動表示について設定ができます。原則「表示する」に設定しておくのが良いでしょう。「10」で設定内容の下書き保存・保存を行います。保存が完了するとリストで表示されます。リストのタイトルから再編集が可能です。よくある質問どのプランで利用できますか?3つのプラン(コミュニケーション・ライト・スタンダード)のすべてで利用ができます。ただしリッチメニューでは、リッチメニューをタップした際に指定のテキストを送信させることができます。そのテキスト送信は1メッセージとしてカウントされるため、プランの無料メッセージや追加メッセージのカウント対象となりますのでご注意ください。表示/非表示の切り替えや期間による出し分けはできますか?トーク画面にリッチメニューをデフォルトで表示させるか、非表示にするかを設定できます。デフォルトで「表示する」を設定すると、トーク画面を開いたとき、リッチメニューが最初から表示された状態になります。「表示しない」を設定すると、メニューバーだけが表示され、メニューバーをタップすることでリッチメニューを表示することができるようになります。画像引用元:リッチメニュー - LINE キャンパスまたリッチメニューごとに、表示する期間を指定できます。たとえば「クリスマスキャンペーン」や「年末スペシャルセール」といった内容のリッチメニューを任意の期間で表示させ、キャンペーンやセール終了後に通常のリッチメニューに戻すといった設定が可能です。リッチメニューの画像も自分で用意しなきゃいけないの?自身でご用意いただくことも、無料テンプレートから取得して設定することも可能です。凝ったデザインでなくても、急いでリッチメニューを設定したい場合や最低限のデザインで設定してパフォーマンスを見てみたい時などは、公開されている無料のテンプレートを使用することができます。参照:無料でもらえるテンプレート画像まとめ - LINE キャンパスリッチメニューはコピーできますか?作成済みのリッチメニューはコピーが可能です。設定方法を下に記載します。まず初めに、コピーを行いたいリッチメニューの「・・・」をクリックし、「コピー」を選択します。次に新規作成時と同様、コピーしたリッチメニューの設定編集を行い、「下書き保存」「保存」のどちらかを選択すれば完了です。 コピーしたリッチメニューの表示期間が[予約・公開]タブのリッチメニューの表示期間と重複する場合、以下の表示がされ保存はできませんのでご注意ください。その場合は、表示期間の変更を行い保存するか、下書き保存をご活用ください。まとめLINE公式アカウントを活用する上で、まず設定しておきたい「リッチメニュー」。無料のテンプレートを使えば簡単に設定できるにも関わらず、非常に効果の大きい機能です。自社のイベントやキャンペーンに合わせてメニューを変えたり、オフライン施策と連動させたりと、活用方法次第でさまざまなコミュニケーション方法が見つかりそうですね。画像さえ準備できれば5~10分ほどで設定可能ですので、LINE公式アカウントの運用前にぜひ設定してみてください。関連記事:記事は公開して終わりじゃない。記事をユーザーに届けるためにできる8つの方法