ユニバーサルアナリティクスからGoogleアナリティクス4にアップデートされたタイミングで追加された「拡張計測機能」を皆さんは使用したことがありますか?とりあえず設定・計測だけしている方も多いのではないかと思います。Googleアナリティクス4の拡張計測機能には10種類のイベントを計測してくれる便利な機能があるのですが、それぞれには明確な計測の条件が決まっています。Googleアナリティクス4で計測しているイベントの条件を正しく理解しないまま分析を行うと、誤った分析に繋がってしまいますので、イベントの条件は正しく理解する必要があります。本記事では拡張計測機能で計測できる10種類のイベントのうちの1つ、「スクロール」について解説をします。Googleアナリティクス(拡張計測機能)のスクロールとはGoogleアナリティクスのスクロール計測には、「カスタム設定」のスクロール計測と「拡張計測機能」のスクロール計測の2つがあります。主な違いは、計測されるスクロールの距離です。カスタム設定では、25%や50%など我々が指定したスクロールの距離が計測できます。一方、拡張計測機能ではWebページの90%到達のスクロールしか計測できません。つまり、拡張機能のスクロールとは、ユーザーがWebページの深層部(90%)までスクロールしたことを示すイベントのことを指します。参考記事:[GA4] 拡張計測機能イベント - アナリティクスヘルプGoogleアナリティクス(拡張計測機能)のスクロール計測で分かるユーザーの動きとデータの活用方法拡張計測機能のスクロールを活用することで、Webサイト内のユーザーの動きを理解し、そのデータを利用してWebサイトの改善に役立てることができます。以下では、拡張計測機能のスクロールで分かるユーザーの動きと、データの活用方法について解説します。ユーザーがWebサイトページの内容をおおよそ閲覧していることが分かる拡張計測機能のスクロール計測は「Webサイトページの90%到達時」のみです。つまりユーザーは、そのWebサイトページをおおよそ全て目を通してくれている(正しくは、スクロールしている)ことが分かります。またおおよそ目を通してくれているという事は、自社のWebサイト内にユーザーが求めている情報が載っていたり、商品が魅力的でユーザーが興味を持っている可能性が高いかもしれません。ただし、ユーザーはページを下部までスクロールしているだけで、十分に閲覧していないこともありますのでご注意ください。Webサイトの改善箇所を予想する参考データに使用することもできるスクロール計測で得たデータの活用方法として、前項で述べた仮説を元にして、Webサイトの改善箇所を予想することもできます。たとえば、Webサイトの内容はとても読まれている状態で(拡張計測機能のスクロールが多く計測されている状態)購入やお問い合わせが発生しない場合は、商品・サービズ紹介以降のユーザー導線に問題がある事を予想できます。ユーザー導線の問題とは、お問い合わせフォームが見つけづらいことや、購入までに必要な入力項目があまりにも多かった場合などのことです。このような問題があると、Webサイトの内容がしっかり読まれていても、購入やお問い合わせの段階でユーザーが離脱してしまい、Webサイトの内容は充実しているのに実際の成果が少ない状態が発生します。よって、スクロールを確認する事で「Webサイトの改善箇所は、商品・サービズ紹介以降のユーザー導線部分かもしれない」と予想するためのデータとして使用することも可能です。ただし、ユーザーはページをスクロールしているだけなので、十分に閲覧していない可能性や情報を見つけずらい事が原因でスクロールが発生する可能性もありますのでご注意ください。Googleアナリティクス(拡張計測機能)のスクロール設定と確認方法以下ではGoogleアナリティクス(拡張計測機能)のスクロール設定方法と、設定したイベントの確認方法についてそれぞれ解説をしていきます。Googleアナリティクス(拡張計測機能)のスクロール設定始めにGoogleアナリティクスを開いてTOP画面から「管理」をクリックします。(下図赤枠)クリック後に切り替わった管理画面から「データストリーム」をクリックします。(下図赤枠)データストリームをクリック後に切り替わった画面から「歯車マーク」をクリックします(下図赤枠)歯車マークをクリック後に切り替わった画面から「スクロール数」を青マークのチェックになるように選択すると、拡張計測機能のスクロール計測設定が完了です。(下図赤枠)設定したスクロールの確認方法本項では拡張計測機能で計測したスクロールのデータの確認手順について解説をします。初めにGoogleアナリティクスのTOP画面から「レポート」を選択します。(下図赤枠)クリック後に切り替わった画面の左カラムから、「エンゲージメント」をクリックした後に「イベント」の順にクリックします。(下図赤枠)クリック後に切り替わった画面がイベントの一覧ページです。計測したイベントの中に、「scroll」があります。(下図赤枠)まとめ今回はGoogleアナリティクスの拡張計測機能で計測が出来るスクロールについて解説をしました。拡張計測機能のスクロールは簡単に設定が出来る反面、Webサイト90%到達のスクロールしか計測が出来ないので、実際のユーザーのスクロール率を把握することが出来ません。Webサイトのより細かな分析や、より具体的なユーザーの動きを把握したい場合は、カスタムのスクロール設定もあわせて計測することをお勧めします。そうすることで、Webサイトの読まれていない部分やユーザーが離脱した箇所を絞りやすくなります。簡易的にWebサイトのスクロール率を把握したい場合は「拡張計測機能のスクロール計測」を使用して、具体的なスクロール率を把握したい場合は「カスタムしたスクロール計測」を使用するように使い分けることをお勧めします。関連記事:「たくさんの人がHPを見ているのに、お問い合わせが入らない!」そんな時に見直したい8つのポイント