エリアビジネス(≒商圏が限られているビジネス)を中心に拡大し、今やエリアビジネスでないビジネスにも重要になっているGoogleビジネスプロフィール。ここに登録された情報やクチコミ、評価をきっかけに来店に至る方も多く、世界中で多くのユーザーに利用されているサービスです。関連記事:Googleビジネスプロフィールとは?はじめての方に向けて、登録方法から運用のポイントまで解説しかしこのGoogleビジネスプロフィールで、特定のお店や企業に対して悪質なクチコミを投稿したり、実体験に基づかないクチコミスコアの投稿をすることで、詐欺を働く企業があります。本記事は、そんな詐欺行為からお店や企業を守るために弊社がクライアントと行なっていることをまとめました。どういったトラブルが起こったか?まず弊社にご相談のあった内容をご紹介します。ご相談いただいた企業はいずれも店舗を持ってビジネスを行なっており、Googleビジネスプロフィールに登録していました。トラブルの時系列としては以下の通りです。ある日突然、星1〜2のクチコミが数個〜数十個投稿され、クチコミスコアの平均値(※1)が一気に下がる。数日〜数週間後に、Googleマップのクチコミ対策業者?と名乗る企業から連絡が入る。その企業から「低評価のクチコミはイタズラなので、依頼してもらえれば数日ですべて消せますよ」と提案があるその対応に関する見積りをもらうと40万円ほど。企業に削除依頼をすると、確かに数日〜数週間でほとんどのクチコミが削除された。数ヶ月〜半年後に、再度の星1〜2のクチコミが何件も投稿される以下は2〜6の繰り返しになる、とのことでした。※1. クチコミスコアの算出方法...クチコミスコアは、その場所やビジネスについて Google で公開されているすべての評価の平均値です。参照:スコアの算出方法 - Google ビジネス プロフィール ヘルプ弊社にご相談いただいた際には、おそらくクチコミ投稿から削除までがその企業の自作自演である旨を伝えて、法的手段も視野に入れた対応をおすすめしました。狙われやすいGoogleビジネスプロフィール弊社と弊社のクライアント(Googleビジネスプロフィールを活用している企業)では、上記のご相談をきっかけに以下に該当するGoogleビジネスプロフィールが狙われやすいのではないか?と仮説を立てています。店舗情報や最新のお知らせ等、情報を更新していない投稿されたクチコミに返信していない投稿されたクチコミ数が少ないクチコミを削除するには、投稿者自身で削除するか(※2)、Googleに報告しポリシーへの違反が認められ削除されるか(※3) 、Googleが自身で不適切なコンテンツを検出し削除する場合(※4)の、3つのパターンがあります。※2. 参照:クチコミを編集または削除する - Google ビジネス プロフィール ヘルプ※3. 「Google のポリシーに違反するコンテンツは、マップのリスティングから削除することができます。(中略)報告できるのは、Google のポリシーに違反しているコンテンツのみです。正確性や関連性に問題のないコンテンツを、個人的な理由で不適切として報告することはできません。事業主と投稿者との間で事実関係の食い違いが生じることもありますが、事実を確認する方法がない以上、Google がどちらかの言い分を支持することはできません。」引用:不適切なコンテンツを報告し、修正する - Google ビジネス プロフィール ヘルプ※4. 「クチコミは自動的に処理され、虚偽のクチコミやスパムなどの不適切なコンテンツが検出されます。Google では、Google ポリシーや法律を遵守するため、問題が報告されたクチコミを削除することがあります。」引用:禁止および制限されているコンテンツ- マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー ヘルプGoogleビジネスプロフィールの管理者がこの3パターンを知っていれば、クチコミ対策企業からの提案は、「自身で投稿したクチコミを自身で削除して、手数料をもらう手法」である可能性が高いと気付けるかもしれません。しかしクチコミ対策企業の視点に立った時、情報を更新していないアカウントやクチコミに返信していないアカウントの管理者は上記のようなサービスの仕組みを知っていない可能性が高く見えてしまい狙いやすい、のだろうと考えます。補足:Googleにポリシーへの違反が認められるのは事実関係が認められる場合なので、コメントがなく星1つのみの以下画像のようなクチコミは、Googleに報告しても削除されない可能性が高いです。またクチコミスコアは「すべての評価の平均値」で決まるため、クチコミ数が少ないほど平均値を操作しやすいです。2,000件のクチコミが投稿されており、クチコミスコアの平均値が4.820件のクチコミが投稿されており、クチコミスコアの平均値が4.8このふたつのGoogleビジネスプロフィールの平均値を下げて手数料を貰うためにクチコミ対策企業がかける労力は前者の方が圧倒的に多くなってしまいます。効率よく手数料を貰うためにも、クチコミ数が少ないものを狙っているだろう、というのが僕たちの仮説です。最低限やるべき3つの対策ビジネスオーナー(または支援会社)が最低限やるべきことは、以下の3つです。1. 定期的に情報を更新する定期的に情報を更新することで「このビジネスオーナーはGoogleビジネスプロフィールを使いこなしている」とアピールすることができます。スマートフォンから情報を更新することもできるので、定期的に更新するようにしましょう。2. クチコミに積極的に返信し、悪質なクチコミには法的手段を取る旨を返信するクチコミには積極的に返信しましょう。また悪質なクチコミには法的手段を取る旨を返信することで、その返信内容が抑止力となり、以降の悪質なクチコミを防げる可能性が高いです。現に弊社のクライアントでは防げている様子です。(記事執筆時点)3. 日頃からクチコミを集めておく上述の通り、クチコミ数が多いほどクチコミスコアの平均値を下げる労力は増えるため、日頃からクチコミを増やしておくことは非常に大切です。まとめこういった悪質なクチコミ投稿はプラットフォーム側で対処できればいいのですが、今のところは事実関係の確認等も難しく、なるべくビジネスオーナー(または支援会社)自身で自衛するしかなさそうです。上記の対応で完全に防げるわけではありませんが、自社のGoogleビジネスプロフィールを守るためにもできる限りのことはやっておきましょう。