ウェビナーとは「Web」と「セミナー」を組み合わせた造語で、オンラインで開催するセミナーのことをいいます。セミナーだけでなく説明会や研修といった場面でもウェビナーが実施されることが増えてきました。オフラインのセミナー開催に比べて、準備にかかる労力や費用が少ないなどのメリットがあります。一方で、参加者とのコミュニケーションが取りづらく、表情などが読み取りにくいといったデメリットもあります。この記事では「ウェビナーとはなにか?」という基礎的な知識から、メリット・デメリット、成果につなげるコツまで解説します。ウェビナーとは?ウェビナーとは、Webとセミナーを組み合わせた造語です。オンラインセミナーやWebセミナーと同義ですが、講演会や説明会などオンラインで開催されるものを広く指しています。ここからはウェビナーとWeb会議の違いや、活用場面、配信方法について解説します。Web会議との違いウェビナーとWeb会議の違いを表にまとめました。例外もありますが、ウェビナーは登壇者が参加者に向けて一方的に話をするもの、Web会議は参加者全員で話を進めていくものというイメージをもつとわかりやすいでしょう。ウェビナーはあくまでセミナーの一種であり、会議ではない点が大きな違いです。ウェビナーWeb会議カメラ登壇者:映る視聴者:任意で映る参加者全員が映るコミュニケーション登壇者のみが話す参加者全員が話すウェビナーでは、参加者は基本的に発言できません。そのかわりに、チャットやアンケート機能を使って登壇者と参加者がコミュニケーションを取ることもあります。ウェビナーの活用場面ウェビナーは、セミナーだけでなくさまざまな場面で活用することができます。講演会説明会社内研修役員挨拶や総会ウェビナーは、双方向でのコミュニケーションを行なうというよりは、一方からの発信を行ない、話し手と聞き手が明確にわかれています。そのため、聴衆に向けて何かを話す・説明するといったシーンに活用されることが多いです。配信の方法配信の方法は、大きく分けるとリアルタイムでの配信と、後日配信するものに分けられます。ウェビナーの配信方法を次の表にまとめます。リアルタイム配信リアルタイムで登壇者が聴衆に向けて話す方法録画配信事前に録画した動画をリアルタイムで配信する方法アーカイブ配信・オンデマンド配信リアルタイム配信したものを録画してHPや動画サイトから見られるようにする方法リアルタイム配信ではチャット機能などで質問を送ったり、拍手機能などでリアクションを送ったりできます。録画配信では、予め動画を撮影しているため、映像の編集が可能です。よりクオリティの高い配信ができるのが良さです。アーカイブ配信やオンデマンド配信は、ホームページや動画サイト(例.YouTube)にアクセスすればいつでも視聴が可能です。当日に都合がつかず参加できなかった人も後日、視聴できるようになります。ウェビナーのメリットウェビナーの主なメリットは、時間や費用のコストが削減できることと、多くの顧客にアプローチできることです。それぞれのメリットについて詳しく紹介します。メリット1. 時間・費用コストを削減できるセミナー開催の準備にかかる時間や費用を削減できるメリットがあります。オフラインでセミナーを実施する場合、会場のブッキングや設営、受付、案内など多くの時間や人手がかかります。会場使用料や人件費も必要です。セミナーの規模が大きくなればなるほど、時間的・経済的コストも大きくなるでしょう。一方、ウェビナーの場合は、ウェビナーを実施するためのツールを用意するだけで開催が可能です。規模によっては配信のためにスタッフが必要になることもありますが、オフラインほど多くのスタッフは必要ないでしょう。ウェビナーであれば、セミナー開催にかかる時間や費用を大幅に削減することが可能ですメリット2. 多くの顧客にアプローチしやすいウェビナーは、オフラインのセミナーよりもアプローチできる顧客の層が広がるのもメリットといえます。オンラインでのセミナー参加は場所を問わないため、ネット環境さえあれば遠方からでも参加が可能です。参加者側も交通費や宿泊費などがかからないので、いままでなら「遠いから」と諦めていたセミナーであっても、ウェビナーであれば参加してくれる可能性があります。また、オンライン配信後にアーカイブ配信やオンデマンド配信をすれば、オンライン配信時に都合がつかない人でもセミナーに参加してくれるかもしれません。オフラインのセミナーに比べると、より多くの顧客にアプローチし、リード獲得などの成果に繋げられる可能性が高まります。ウェビナーの注意点ウェビナーの注意点は、参加者が離脱しやすいことや、音声や映像トラブルが起こる可能性があることです。それぞれ詳しく説明します。注意点1. 参加者が離脱しやすいウェビナーの場合は、興味がないと感じたら、ウェビナーにつなぎつつ関係のないWebページを閲覧する、その場から離れるといったことも容易にできてしまうデメリットがあります。オフラインのセミナーの場合、話し手が話をしている最中に席を立つのははばかられる人がほとんどです。たとえ、セミナー中に「帰りたい」と思っても、とりあえず話が終わるまではその場にとどまる人がほとんどではないでしょうか。また、配信者側も参加者の表情が見えないため「興味がなさそう」「退屈そうにしている」などリアルタイムに反応を読み取りづらく、聴衆の様子を見て話題を切り替えるといったことも困難です。注意点2. 通信環境によっては音声や映像に遅延が生じる配信側・参加者、どちらかの通信環境が悪いと音声や映像に遅延が生じることがあるのもデメリットといえます。配信側が気をつけても、参加者側の環境が整っておらず、視聴してもらえないこともあるでしょう。通信環境の悪さから、画面が停止したり、音声が聞こえなくなったりして、ウェビナーが成立しない可能性もゼロではありません。できるだけそうならないように避けたいところですが、音声や映像のトラブルを完全になくせる手立てはないのが現状です。ウェビナーを開催する際の4つのステップウェビナー開催に挑戦するとしたら、何から始めればよいのでしょうか?何の準備もなしに配信当日を迎えるのでは、失敗に終わる可能性が高まります。ここからは、ウェビナーを開催する手順について準備段階から説明します。ステップ1. 目的・目標設定とテーマ決めまずはウェビナーを開催する目的や目標を決める必要があります。目的や目標が、新規リードの獲得なのか新商品の紹介をして購入してもらうことなのかなどによって、どのようなテーマのウェビナーにするのかが大きく変わってきます。そのため、内容を考える前に、目的や目標をはっきりさせておくことが大切です。ステップ2. 配信に向けての準備目的や目標が決まったら、内容を考えて配信内容の台本(構成)をつくります。配信の日時決め、外部から講師を呼ぶ場合はその手配、ウェビナーで使う資料作成なども必要でしょう。また、Zoomなどウェビナーに必要なサービスのアカウント契約、マイク、カメラ、照明などの機材も必要に応じて準備します。ステップ3. 告知・申込み対応配信に向けての準備を行ないながら、参加者を集めましょう。ウェビナーがあることをホームページ、メルマガ、SNSなどで知らせます。申込みがあれば、ウェビナーへの招待リンクを共有します。開催前日や当日には、参加者へのリマインドも行なうとよいでしょう。ステップ4. 開催開催当日は、配信トラブルを想定して開始時刻の30分くらい前から配信を開始しておくとよいでしょう。トラブルがあっても慌てず対処できるよう、登壇者以外のスタッフで誰が何の対応をするのか役割を決めておきましょう。ウェビナーを成果につなげるコツウェビナーで成果を出すためには、計画や準備が必要です。オフラインのセミナーに比べると会場準備などに手間がかからないからラクだと思われがちですが、ウェビナーの内容についての準備を怠ると、思うような成果が出にくくなってしまいます。ここからは、ウェビナーを成果につなげるコツを解説します。コツ1. 目的やターゲットを明確にして魅力的な内容にする誰をターゲットにするのかによって、ウェビナーの内容や集客方法は変わってきます。リードの獲得、リードの育成、購入者向けの勉強会、何を目的にしているのかも考える必要があります。ターゲットが求めることと、自社がウェビナー開催を通して達成したい目標をすり合わせ、参加者にとって魅力的な内容になるようウェビナーを計画しましょう。コツ2. 参加者の集め方を工夫する自社のホームページやSNSアカウントで、ウェビナー開催の告知をするだけでは参加者が集まらないことがほとんどです。有名企業でもないかぎり、ウェビナーの開催自体を認知してもらうのも難しいでしょう。ただウェビナーの開催を知らせるだけでなく、いかに「参加したい」と思ってもらえるかが鍵になります。たとえば、参加すると資料のダウンロードができるなどのメリットを提示したり、ウェビナーに参加することでどのような情報が入手できるのかを明確に提示したりすると、参加を検討してもらいやすいでしょう。コツ3. フォローアップをするウェビナーが終わったあとに何のアクションも起こさなければ、成果にはつながりません。ウェビナーについてアンケートを実施したり、お礼メールを送ったりして接触の機会をつくることで、問い合わせや成約などにつなげていくことが大切です。まとめウェビナーは、配信者はオフラインのセミナーに比べるとコストが削減でき、参加者も場所を問わず参加できるため、配信者・参加者ともに負担が少ない方法といえます。一方で、どのような内容でウェビナーを行なうのか、どのように参加者を集めるのか、といったことが配信者側の課題になるでしょう。また、ウェビナー実施後のフォローアップも忘れてはいけないことのひとつです。ターゲットとなる参加者、目的やゴールを明確にし、成果のあるウェビナーを実施しましょう。事例. 株式会社ライフテック様(建材メーカー)株式会社ライフテック様は、工場や倉庫の屋根に使用する建材を扱うメーカーです。月に1回以上のウェビナーを企画し、代理店獲得施策を行なっています。弊社ではそれらの企画や実行までを支援しました。施策はウェビナーだけに留まりませんが、インバウンドマーケティングの成功例としてぜひこちらの記事もご覧ください。お客様インタビュー:「ニッチ商品でも、知恵を絞ればマーケティングで成果を出せる」予想外の提案から始まり、売上が2倍以上に伸びた取り組み