広告表示オプションは、設定次第で広告のクリック率やコンバージョン率といった指標を大きく改善することができる可能性を持っています。しかしなんの工夫もせずに設定してしまうとほとんど効果がなかったり、反対にユーザーの検索行動を阻害してしまう恐れもあります。広告を通してよりユーザーの役に立つ情報提供ができるよう、広告表示オプションの特徴や一部のオプションの効果的な活用方法、設定ノウハウについて解説しました。皆様の広告運用の参考になれば幸いです。広告表示オプションとは?広告表示オプションとは、広告文の見出しや説明文の下に追加で情報を表示できる機能で、商材やビジネスの特徴に合わせてユーザーに適切な情報を提供することができるようになる機能です。例えば実店舗で行われるビジネスの場合、住所などの詳細な位置情報はユーザーにとって重要な情報の1つとなります。上の例のように広告表示オプションの1つである「住所表示オプション」(赤線部)を使用することで広告に店舗の住所を表示することができたり、クリックすることでGoogleマップにアクセスできたりなど、ユーザーに役立つビジネスの情報を細かく伝えられるようになるというメリットがあります。広告表示オプション(自動)とは?広告表示オプション(自動)とは、Googleが広告の掲載結果向上につながると予測した場合に自動で表示される広告表示オプションです。通常の広告表示オプションとは違い、テキストやリンク先などは設定することなく自動で生成されます。設定が不要なため広告表示オプションを導入しやすいというメリットがありますが、意図しない形で画像やテキストでの訴求がされるといった点には注意が必要です。 訴求したいサービス・商品とは別の情報が使用されてしまう恐れもあるので、広告表現に注意を払う必要がある場合には広告表示オプション(自動)は適用させず通常の広告表示オプションを使用しましょう。広告表示オプション(自動)は手動でオフにしないと勝手に配信されてしまうので注意が必要です。広告表示オプションが表示される場所広告表示オプションが表示される場所は、下部画像赤枠内の広告見出しと説明文の下が基本となります。なお、広告表示オプションは設定しても表示されないこともあります。一般的に広告ランクが高いほど表示されやすくなるので、広告表示オプションをより表示させたい場合は入札を強めたり広告文を改善するなどをして広告ランクを高める必要があります。参考:広告表示オプションの表示条件 - Google 広告 ヘルプ広告表示オプションそれぞれの特徴と設定ノウハウについて解説次に以下の代表的な広告表示オプションの概要と効果的な活用方法、設定ノウハウについて解説していきます。サイトリンク表示オプションコールアウト表示オプション構造化スニペット表示オプション画像表示オプション電話番号表示オプション住所表示オプションプロモーション表示オプション価格表示オプションリードフォーム表示オプションアプリリンク表示オプションサイトリンク表示オプションサイトリンク表示オプションとは、サイト内の特定のページへのリンクを広告に追加表示することができる機能です。ユーザーは興味関心のあるページや、検索語句に現れていないが実は探していたかもしれないページに直接遷移することができます。サイトリンク表示オプションの詳細な設定方法についてはこちらの記事を参照してください。サイトリンク表示オプション|作成する際の考え方から設定方法までサイトリンク表示オプションの設定ノウハウサイトリンク表示オプションを設定する際は、検索ユーザーがどのような情報を求めて検索しているかを想像しながら設定することでより効果的なオプションを作成することができるでしょう。設定するリンクテキストが抽象的になってしまうとせっかくオプションが表示されてもクリックされない恐れがあるので、具体的な訴求内容のフレーズを記載しましょう。具体的な訴求内容を記載したほうがよい件について、以下に例を使用して解説します。例)実店舗をもつビジネスの集客にて、お店の住所や営業時間について記載されたページへ遷移するサイトリンク表示オプションを作成する場合「店舗情報」のように抽象的なフレーズが記載されている場合、クリックした際にどのような情報が得られるのかイメージが付きにくくはありませんか?「アクセス・営業時間」のように具体的なフレーズを記載することで、お店の位置や営業時間を知りたいと思って検索しているユーザーであれば、安心してクリックすることができるでしょう。広告の出稿側はユーザーのクリックに対し広告費を支払っていますが、検索ユーザーもまた検索という行動に時間や労力といったコストを支払っています。クリックしたらどうなるか、瞬時にイメージできないようなテキストでは「コストをかけて失敗したくない」という心理のもとクリックを避けられてしまう恐れもあります。「これをクリックしたらどうなるか」がイメージしやすいテキストを意識して設定することでクリック率の上昇が見込めますし、広告を通したユーザー体験の価値も向上します。コールアウト表示オプションコールアウト表示オプションとは、見出しや説明文に追記できなかった「初回利用無料」や「駅から徒歩2分」などといった、商品やサービスのより詳しい情報を表示することができる機能です。ユーザーはこちらに端的に表示されるテキストから自身が探している情報と関連のある広告かどうかを判断することができます。コールアウト表示オプションの詳細な設定方法についてはこちらの記事を参照してください。コールアウト表示オプション|商品の魅力をワンフレーズで伝えるために知っておきたいことコールアウト表示オプションの設定ノウハウコールアウト表示オプションには、短いフレーズでもユーザーの心理を掴むことができるような意外性のあるテキストを設定すると効果的なケースもあります。例えば「送料無料」というテキストを設定する場合でも、商品の特徴によってそのテキストがユーザーに与える印象は大きく変わってきます。ソファなどの大型家具の場合、一般的に高額な送料が発生することが多いので、送料無料と記載されているとお得な印象をユーザーに感じてもらえるかもしれません。しかし飲料水のような比較的小型な商品の場合、送料無料と記載されていてもあまり意外性はなくメリットを感じてもらえないでしょう。このように同じテキストでも商品やサービスによってユーザーに与える印象は大きく変わるため、コールアウト表示オプションではビジネスの特徴を端的かつユーザーにメリットを感じてもらえるよう意外な側面から訴求できるとより効果的です。飲料水の場合は「定期購入で15%オフ」などと記載されていると、よりユーザーに興味をもってもらえそうですね。構造化スニペット表示オプション構造化スニペット表示オプションとは、商品やサービスに関する特定の側面をアピールするために、広告テキストの下に「ヘッダー」と「値」を組み合わせた形式で表示される広告表示オプションです。より詳細に商品やサービスの特徴や機能をアピールできるため、興味関心の強いユーザーからのクリックが期待できます。構造化スニペット表示オプションの詳細な設定方法についてはこちらの記事を参照してください。 構造化スニペット表示オプション|広告審査に落ちないために気を付けたい事と、ヘッダーと値について知っておきたい事構造化スニペット表示オプションの設定ノウハウ構造化スニペット表示オプションには、ユーザーがサービスを選ぶ中で検討する事項に合わせて情報を記載することで、広告の費用対効果を高められる可能性があります。費用対効果に対する影響についてはGoogle 広告の公式ヘルプにも記載されています。広告に追加情報が表示されることにより、広告の関連性とクリック率が向上します。商品やサービスに高い関心を持つユーザーからクリックを獲得できるため、費用対効果の向上につながります。引用:構造化スニペット表示オプションについて - Google 広告 ヘルプ構造化スニペット表示オプションを設定することで、商品やサービスに関する情報をクリックされる前から表示できるため、見込み客に繋がる可能性の高いユーザーからのクリックを獲得しやすくなります。見込み客に繋がる可能性の高いユーザーからのクリックが増えることで、お問い合わせや購入に繋がる割合が増え、結果的に広告の費用対効果が高まります。画像表示オプション画像表示オプションとは、広告が表示される際に広告枠内に画像を表示できる機能です。テキストだけではうまく魅力を伝えられない場合に、画像表示オプションを使うことでより視覚に訴えた広告を作成できます。画像表示オプションの詳細な設定方法についてはこちらの記事を参照してくださいGoogle 広告 “画像表示オプション” とは?|設定するメリットと、事前に確認しておきたい利用要件画像表示オプションの設定ノウハウ検索結果に画像を表示することでユーザーからの視認性を上げることにつながります。たとえばGoogleによる画像表示オプションの初期段階の調査結果では、モバイル検索広告で画像表示オプションを使用すると、クリック率が平均 10% 上昇することもわかっています。どれだけ端的にわかりやすく表現した広告文でも、検索結果に表示されている他の広告と並んでしまったり、ユーザーが急いでいたりすると広告文を読んでもらえない可能性があります。そうした際に画像表示オプションが表示されることで、ユーザーに対して視覚的に分かりやすく商品やサービスをアピールできます。ユーザーが画像をパッと見たときにクリック先にどのような情報があるのかの判断を助けるような画像を設定できるとよいですね。電話番号表示オプション電話番号表示オプションとは、広告内に電話発信が可能なリンクを追加することができる機能です。お電話での問い合わせがよく利用されるサービスでは、ウェブサイトへ遷移することなくより手短に電話をかけることができるようになります。電話番号表示オプションの詳細な設定方法についてはこちらの記事を参照してください。電話番号表示オプション|概要をはじめ、許可されない場合の対処法や通話レポートまで網羅電話番号表示オプションの設定ノウハウ電話での問い合わせを受け付けている場合、お客様からのお電話に対応できる時間帯が「9:00~18:00まで」などと決まっていることが多いのではないでしょうか。電話番号表示オプションは、オプションを表示させる曜日と時間帯を指定することができます。お電話がかかってきても対応できない曜日や時間帯には電話番号表示オプションを表示しないように設定しておいたほうがよいでしょう。住所表示オプション住所表示オプションとは、会社や店舗の住所、地図、距離などを広告として表示できる機能です。クリックすることでGoogleマップのGoogleビジネスプロフィールへと遷移させることができます。住所表示オプションの詳細な設定方法についてはこちらの記事を参照してください。住所表示オプション|近くのお客様にお店のことを知ってもらうために住所表示オプションの設定ノウハウ住所表示オプションを設定することで、ユーザーがGoogleマップで検索している際にも広告が表示されるようになります。住所表示オプションの掲載先住所表示オプションを有効にすると、モバイル端末、パソコンを問わず、検索ネットワーク、ディスプレイ ネットワーク、Google マップ上において、店舗情報を表示できます。(省略)Google マップなど、Google の検索サイト: 広告は、マップアプリを含む Google マップの検索結果の横、上、または下に表示されます。引用:住所表示オプションについて - Google 広告 ヘルプキーワードを登録する際にはGoogleマップでの検索も想定するとより効果を発揮できるでしょう。 例えば美容院の場合、ユーザーはGoolgeマップで「近くの美容院」と検索すると考えられるため、「近くの美容院」といったキーワードを追加しておくのも良いかもしれません。プロモーション表示オプションプロモーション表示オプションとは、「セール」や「プロモーション」といったより好条件での利用につながる情報を追加表示することができる機能です。プロモーション表示オプションを利用することによって、広告主のサービスや製品をより好条件で利用/購入したいと考えているユーザーに魅力的な情報を追加することができます。プロモーション表示オプションの詳細な設定方法についてはこちらの記事を参照してください。プロモーション表示オプション|具体的なベネフィットを訴求し、ユーザーに興味を持ってもらうために価格表示オプション価格表示オプションとは、テキスト広告の下部にサービス名や商品名と価格をセットにして情報を掲載できる機能です。価格表示オプションをクリックすれば、直接ユーザーを興味や関心のあるサービスや商品のページに誘導が可能です。価格表示オプションの詳細な設定方法についてはこちらの記事を参照してください。参照:はじめての価格表示オプション。事前に確認しておきたい、要件と設定方法。リードフォーム表示オプションリードフォーム表示オプションとは、資料請求や会員登録などをユーザーが表示されている広告から直接行うことができるようになる機能です。ウェブサイトへ遷移する必要がなく、またGoogleアカウントにログインした状態であればメールアドレスの入力もスムーズに行えるので手間がかかることなく申し込みができます。アプリリンク表示オプションアプリリンク表示オプションとは、広告の下にアプリのダウンロードリンクを表示することができる機能です。ダウンロードを促すテキストは自身で設定することができます。 アプリのダウンロード数を増やしたい場合は、アプリ訴求広告も検討してみてください。おわりに代表的な広告表示オプションの概要と効果的な活用方法、設定ノウハウについてそれぞれ解説しました。 広告表示オプションを設定することでユーザーの利便性をさらに向上させられる可能性が大きく拡大します。クリック可能な電話番号や住所など、オーガニック施策では表示できないような情報も検索結果画面に表示することができるので、費用をかけて広告出稿するのであればぜひとも設定したいところです。ユーザーが検索している場面を思い浮かべながら"どういった情報が記載されていればユーザーはより助かるか"を意識して設定できると良いですね。関連記事:顧客の関心が高いブログを使って、新規の獲得顧客を増やしたWeb広告の改善事例(リノベーション事業関連)