まず「LINE」とは、ご存知の通りスマホやパソコンで利用できるコミュニケーションアプリです。現在(2022年10月)では「LINE NEWS」や「LINE MUSIC」など、コミュニケーションツールとしての領域を超えて、さまざまなサービスを展開しています。月間利用者数は9,200万人(2022年6月時点)となっており、10代から60代まで幅広いユーザーに使用されています。本記事ではLINE広告がLINEのどの部分に配信されるのか?どのくらいの費用がかかるのか?など基本的な内容から、LINE広告運用におけるポイントを交えながら解説します。ぜひ最後まで見ていただき参考にしてみてください。LINE広告とは?LINE広告とは、LINEに関連するあらゆるサービスに広告を配信できる運用型広告配信プラットフォームです。9,200万人いるユーザーへリーチができるため、日本では非常に影響力の大きいプラットフォームと言えます。LINEは冒頭でもお伝えした通り、ニュース、音楽、マンガ、あらゆるサービスを展開しており生活におけるさまざまなシーンで使用されています。そのため、LINEを使用する用途や活用シーンに合わせて広告配信することができれば関心の高いユーザーにアプローチできます。画像引用元:サービス一覧 - LINE株式会社 ※画像を弊社にて加工して掲載LINE広告の特徴LINE広告の最大の特徴は、"LINEを使用するユーザーに広告配信ができるプラットフォーム"という点です。つまりLINEを使用するユーザーの特徴を知ることで、他の広告媒体にはないLINE広告ならではの強みがみえてきます。どんな特徴があるのか、ひとつずつ解説していきます。関連記事:顧客の関心が高いブログを使って、新規の獲得顧客を増やしたWeb広告の改善事例幅広いユーザーにアプローチできるLINEは幅広い年齢層のユーザーに使用されており、他のSNS媒体と違いユーザーの年齢層に偏りが多くないことが特徴といえます。ユーザーの年齢においては10代〜60代以上まで幅広く使用されており、割合も大差がありません。日々のコミュニケーションにおいて欠かせないツールとなっており、広告においても年齢性別問わずアプローチしやすい媒体と言えるでしょう。LINEだからこそアプローチできるユーザーが多いLINEだからこそアプローチできるユーザーが多いことも特徴のひとつといえます。数あるSNSの中でも「LINE」しか使っていないというユーザーが非常に多く、今この記事を読んでくださっている方もLINEだけは必須アプリという認識の方が多いのではないでしょうか。画像引用元:LINE Business Guide - LINE株式会社LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー画像左側の図では普段スマートフォンで利用しているSNSの8割以上をLINEが占めていることがわかります。また「LINE Only 41.2%」とありますが、使用しているSNSがLINEしかないというユーザーが41.2%で、FacebookやTwitterなどではアプローチできない層になります。毎日LINEを使用するユーザーが多いもうひとつの特徴として、LINEは使用される頻度が非常に高いことがあげられます。とくに女性の20~40歳においては毎日使用しているユーザーが約9割以上いることもわかります。これはコミュニケーションツールだからこその特徴といえますが、用途はともあれ毎日利用するアプリに広告を配信できるというのは、期間限定の広告なども見てもらいやすくなるため大きなメリットとなります。画像引用元:LINE Business Guide - LINE株式会社LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニーLINE広告はどこに掲載される?LINE広告はLINEアプリ内のさまざまな箇所に掲載されます。いずれの配信先においても画像とテキスト両方が表示されます。画像引用元:LINE Business Guide - LINE株式会社LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニーLINE広告の掲載先の特徴LINE広告の掲載先は、サービスごとに使用する用途やアクティブ率などが大きく異なります。一部抜粋して特徴をご紹介します。トークリストトークリストは、LINEサービスの中でも最もアクティブ率が高く影響が大きい配信面と言えます。日本ではコミュニケーションを取る上で欠かせないアプリとして定着しており、そのトーク画面最上部に広告が表示されるため、非常に多くのユーザーの目に触れる機会があります。LINE NEWSトークリスト同様、アクティブ率が非常に高いサービスです。配信面はトップページだけでなく記事内にも大きく表示されるためよく目立ちます。LINEの調査によるとLINE NEWSを利用しているユーザーは、一般生活者と比べて「クチコミや評判を参考に商品を選ぶ」という傾向にあることがわかっています。参考:LINE NEWS - LINE fo BusinessLINE VOOMLINE VOOMとは、LINEアプリ内で利用できる動画プラットフォームです。近年はTikTokやYouTubuショート、Instagramリールなどショート動画への注目が集まっています。LINE以外のSNSを利用しないユーザーに対しても、LINE VOOMで動画広告でのリーチができるため、画像で伝わりづらい内容もわかりやすく届けることができます。ウォレットウォレットとは、LINE Payやクーポンなどお金に関する情報を管理できるサービスです。月間の利用者数は5,400万を超えており幅広いユーザーへ広告を配信できます。使用しているユーザーの年齢層は10代~50代以上と幅広く、とくに40代の女性に一番使用されてります。LINE広告 ターゲティングの種類LINE広告は、年齢や性別、推定年収などさまざまな情報をもとにターゲティングができます。下の画像はLINEを使用するユーザーの年齢や職業を統計したデータで、非常に幅広いユーザーから使用されていることがわかります。画像引用元:LINE Business Guide - LINE株式会社LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー注意点として、ユーザーのLINE登録情報やLINEアプリ内の行動履歴をもとに分類しており、あくまでLINEの推察であり必ずしも一致しているとは限りません。以下のターゲティングについてそれぞれ解説をします。オーディエンスセグメント配信オーディエンス配信LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信類似配信オーディエンスセグメント配信年齢・性別などのデモグラフィック情報のターゲティングや、都道府県だけではなく市区町村を指定できる地域ターゲティングができます。また、ゲームや子育てなどそれぞれ興味関心をもとにターゲット指定ができます。それぞれの情報を掛け合わせることもできるため費用対効果が高い配信ができます。オーディエンス配信オーディエンス配信は、過去にWebサイトへ訪問したユーザーに対して配信できるリターゲティングや、過去に購入したユーザーデータをもとに再び購入を促すターゲティングができます。新商品やイベントなどの目的に合わせて効率的な配信ができます。LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信LINE公式アカウントの友だちを対象にオーディエンス作成ができます。LINEならではのターゲティングで現在友だちになっているユーザーだけでなく、ブロック中の友だちへの配信も行えるため「興味はあるけど、通知が頻繁に来るからブロックした」など商品以外の理由で接触ができなくなったユーザーへアプローチが可能です。類似配信類似配信機能は、過去にコンバージョンに至ったユーザーや顧客情報をもとに類似したユーザーへターゲティングできます。オーディエンスサイズを1%~15%まで設定できるため、配信対象をコントロールすることができます。リターゲティングや興味関心ターゲティングなどでは届かなったユーザーへ配信ができます。ターゲティングをしない場合よりも、商品に興味を抱いてもらえる可能性が上がるため、効率的な配信が可能です。LINE広告でかかる費用の仕組みLINE広告には3種類の課金タイプがあり、それぞれ費用の計算方法や発生する条件が異なります。以下タイプごとに解説をします。クリック課金(CPC)クリック課金(Cost Per Click)とは、ユーザーが広告をクリックした際にはじめて料金が発生するという仕組みです。以下の計算で費用が決まります。クリック数 × クリック単価 = 広告費用クリック数と1クリックあたりの単価によって広告費用が決まるため、表示回数が多くてもクリックされない限り費用は発生しません。遷移先として設定しているページを見てもらいたい場合に適しています。インプレッション課金(CPM)インプレッション課金(Cost Per Mile)とは、広告が1,000回表示されるたびに費用が発生します。広告が1,000回表示されるごとの費用をCPMと呼び、以下の計算式で求めます。CPM = 広告費用 ÷ 表示回数 × 1,000ディスプレイ広告などにも採用される課金方式で、より多くの人に広告を見てもらいたい場合に適しています。友だち追加課金(CPF)友だちの追加で費用が発生する課金方式です。上記の課金方式とは違い「友だち追加広告」にて配信を行い、LINE公式アカウントへ友だちを追加のみを目的とした広告です。友だちが追加されるたびに課金されます。以下の配信面へ掲載されます。画像引用:友だち追加広告LINE広告(友だち追加)- LINE for Business LINE広告運用のポイントLINE広告をしばらく運用することで成果が出る配信設定やクリエイティブを把握できるようになります。しかし初期の段階では参考にするデータがないため以下のような点をおさえて配信することをオススメします。まずは自動入札で配信してみる自動入札とは、キャンペーンの目的に応じてLINE広告が自動で入札設定を行ってくれる機能です。手動入札では入札単価を自分で行う必要がありますが、自動入札を使えば配信データをもとに学習が行われ、目的に対して最適な入札調整を自動で行ってくれます。画像引用元:LINE Business Guide - LINE株式会社LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー機械学習の精度は数年前よりも大きく進歩しており、手動で入札調整を行うよりもパフォーマンスが良くなることが多いです。また、LINE広告を行う場合は細かな設定調整をするよりも、クリエィブの検証や改善に力を入れることが良いでしょう。そのため自動入札で管理の手間を減らしながらパフォーマンスを上げていくことをオススメします。配信先を自動配置にするこれからLINE広告を始める方は、配信先を絞りすぎず自動配置の設定をオススメします。自動配置とは、LINE広告がすべての広告枠の中から自動で最適な配信先を選んでくれます。とくにユーザー属性や地域などのターゲットを絞り込む場合、配信先を絞り込むと配信先が狭まりデータが収集できなくなる可能性があるため、自動配置でまずは集計することが望ましです。また、すべての広告枠とはLINEアプリ内の広告だけでなくLINE広告ネットワークという6,000を超えるLINEの関連サービスへの広告配信もできるため、幅広いユーザーへのリーチが可能になります。目を引くクリエイティブにするLINE広告はリスティング広告などの検索広告と違い、ほぼすべての広告に画像が伴います。もちろんターゲティング設定そのものやテキストによる訴求内容自体も重要ですが、LINE広告ではクリエイティブが成果を左右する大きな要因と言えるでしょう。LINEアプリ内のどの配信面であれ基本的に広告が表示される場所には、さまざまな情報があるため配信面の中で「目を引くクリエティブになっているか」「クリックしたくなるクリエティブになっているか」という点がポイントです。画像引用元:【LINE広告】広告&クリエイティブ審査の基本ルール - LINE for Businessクリックした後の遷移先ページやコンバージョン率も重要ですが、まずはクリック率、クリック数を確かめながら広告に興味を持ってくれているかチェックをしましょう。関連記事:顧客の関心が高いブログを使って、新規の獲得顧客を増やしたWeb広告の改善事例LINE広告と相性がいいビジネス広告媒体との相性は「配信してみないと正確にはわからない」という側面があります。なぜなら競合他社の参入率やトレンド、商品・サービスの特徴などさまざまな要因で変化するからです。しかし、LINEというアプリの特徴をもとに、自社の商品・サービスの相性が良いか判断することもできます。LINEを使用する意図やタイミング、ユーザーの特徴から以下の商材は相性が良いと言えるでしょう。幅広い年代をターゲットとする商材LINE広告は幅広い年代をターゲットとする商材と相性がよいです。冒頭にご紹介した通り、LINE広告の特徴は幅広い年齢層のユーザーに利用されている点です。年代を問わない商材や、他の媒体をあまり利用しない年齢層をターゲットとする商材は相性が良いと言えます。たとえば、飲食店の広告を配信する場合、地域ターゲティングを行い「限定クーポン」の広告をすることで多くの人に見てもらえる可能性があります。「幅広い年代が利用」「利用頻度が非常に高い」という点からも相性が良い言えます。検討期間が短い商材また検討期間が短い商材も、LINE広告と相性がよいです。検討期間が短いビジネスとは、化粧品や健康食品、アプリなど比較的安価な商材で、広告を見てから購入までの期間が短い商品です。検討期間が長い商材の場合、広告を見てそのままコンバージョンに繋がる可能性は低く、比較調査、クチコミの確認、資料請求などあらゆる過程を踏みます。一方でアプリなど悩む必要が少ない商材は、広告を見てそのままダウンロード(コンバージョン)に繋がる可能性が高いです。LINEというツールは、連絡、マンガ、ニュースなど隙間時間に利用されることが多いため、検討期間が短く、購入やダウンロードをする精神的な負担が少ない商材は相性が良いといえます。LINE広告を使用する際の注意点LLINE広告の注意点について解説します。これからLINE広告への出稿を考えている方はとくに以下の点を注意しましょう。広告出稿できない業種があるLINE広告には審査があり、ルールや禁止事項が厳しく決められています。以下のサービスにおいては広告出稿ができません。広告出稿した場合アカウント自体が使えなくなる可能性もあるため注意が必要です。・宗教関連・ギャンブル関連、パチンコ等(公営競技・公営くじは除く)・アダルト関連・出会い系、マッチングサイト等(一部当社が認めた場合を除く)・連鎖販売取引・探偵業・たばこ、電子タバコ・武器全般、毒物劇物・政党・公益法人、NPO/NGO、社団法人(一部当社が認めた場合を除く)・生体販売・整骨院、接骨院、鍼灸院等・未承認医薬品⋅医療機器等・消費者金融などの貸金業、質屋(一部当社が認めた場合を除く)・ネット関連ビジネス(情報商材、自己啓発セミナー等)・募金、寄付、クラウドファンディング等の資金調達(一部当社が認めた場合を除く)・その他弊社が不適合と判断した業種⋅業態、商品⋅サービス引用元:LINE広告審査ガイドライン - LINE forBusiness広告出稿あたって細かいルールがあるLINE広告以外にも広告出稿あたってさまざまなルールがありますが、LINE広告はユーザー保護の観点から、厳重にルールを設けています。そのため広告出稿をする前にしっかり確認をしてから出稿する必要があります。画像引用元:【LINE広告】広告&クリエイティブ審査の基本ルール - LINE for Businessたとえば、上記の画像のようにクリエイティブや遷移先ページにLINE友だち追加ボタンを設置する場合「友達」ではなく「友だち」と表記する必要があります。その他にも、アイコン画像を使用する場合も間隔や書体に厳しく制限があります。まとめ本記事では、LINE広告について解説してきました。LINE広告は運用型広告であり、分析・改善を繰り返していくことで最大の効果が発揮されます。効果がすぐに出ないからといって見切りをつけるのではなく、ターゲティングやクリエイティブの検証をしっかり行うことをオススメします。本記事を通して基礎知識を身につけていただき広告運用に生かしていただけたら幸いです。関連記事:顧客の関心が高いブログを使って、新規の獲得顧客を増やしたWeb広告の改善事例