私たちに寄せられる相談のうちのひとつに「フォロワーは増えているのに、なぜお問い合わせは増えないの?」といったものがあります。この記事に辿り着いてくださった方の中にも、「自社でInstagramを運用していて、フォロワーは順調に増えたけど、お問い合わせはイマイチ増えなくて...」と悩んでらっしゃる方もいるのではないでしょうか?この状況、改善する術があります。百発百中とはいかないですが、少し考え方を変えるだけで、ある程度再現性高く改善ができるのです。フォロワーを増やせている。ということは、何かしら刺さる投稿ができているはずまず初めに、フォロワーが増えているということは、悪くない投稿や運用ができている可能性が高いという点をポジティブに捉えていただきたいです。(炎上や悪目立ちしているアカウントの場合はその限りではない)フォロワーが増えているということは、お問い合わせにはつながっていないものの、競合の多いInstagram内でうまく認知を取ることができており、何かしらの”魅力”を感じていただいているからフォロワーが増えているはずです。ただ”誰に魅力を感じてもらうべきか”という点において、お問い合わせにつながりにくいユーザーに伝わってしまっているのでしょう。それを、お問い合わせしてくれるような見込み顧客に変えることができれば、お問い合わせは徐々に増えていきます。フォローされるまでの流れを具体的にイメージしてみる先ほどの話をもう少し具体的に理解いただくために、フォローされる流れ(一例)について簡単に解説します。ユーザーは、タイムラインや発見タブ(アプリ内の虫眼鏡マーク)から様々な投稿を閲覧します。その後、気に入ったものや面白いものがあれば、長い時間視聴したり、いいねや保存などのエンゲージメントをします。すると類似の投稿や、過去に見た投稿(長い時間視聴した投稿やエンゲージメントした投稿)、過去に見た投稿と同じアカウントが投稿している別投稿などが、発見タブに表示されやすくなります。すると、発見タブでおすすめされる投稿は、自分好み(自分がよく見ている)の投稿が並ぶようになります。自分好みのアカウントを見つけたり、何度もそのアカウントに接触していると、フォローするようになります。お問い合わせが増えないのは、ターゲット以外からのフォローを増やしているから商品やWebサイトに課題がある可能性を一旦置いておいて、ターゲットからのフォローを集めていくことが出来れば、お問い合わせが増える可能性は高まります。フォロワーが増えているのにお問い合わせが増えないということは、高確率でターゲット以外からのフォローを集めているはずです。そんな時は次の3ステップで運用を見直してみてください。顧客について、改めて調査・分析をしてみること施策によって集まったフォロワーを定期的に目視確認することルールなしに「再生回数」や「フォロワー数」をKGI・KPIとしないこと顧客について、改めて調査・分析をしてみること顧客について改めて調査してみましょう。ターゲットに刺さる施策(=投稿)を考えるには、まずその顧客について誰よりも知らないといけません。年齢や性別などのデモグラフィックデータはもちろん、興味・関心、趣味、嗜好、価値観などのサイコグラフィックデータも調査しましょう。また御社の商品を買うまでにどのようなステップを辿るのか、何が購入を阻害するのか、なども事前に調査し直しましょう。施策によって集まったフォロワーを定期的に目視確認すること顧客の調査を行ったら、それらに刺さるような投稿を考えてみましょう。投稿のアイデアについてはこちらの記事『【Instagram運用】8ヶ月で2.1万フォロワーを獲得。実際に行った分析と施策』が役に立つはずです。投稿を続けていくとフォロワーが増えることがあります。特に投稿が多くの人にリーチするような、所謂「バズ」が起こると、フォロワーは一気に増えます。少しずつ増える場合も、一気に増える場合も、新規のフォロワーは可能な限り目視確認するようにしましょう。自身が狙っているターゲットユーザーからのフォローなのか?それとも全くターゲットと関係のないユーザーからのフォローなのか?大まかにでもいいので把握しておくことで、「この投稿はターゲットに刺さる投稿だった」「この投稿はターゲット以外に刺さってしまったので、別のものを試そう」と判断ができます。ユーザーの中には、匿名だったり、投稿が少なく、ターゲットかどうか判断できない方もいらっしゃいます。しかしすべての方がそうではないので、得られる情報からだけでも、どんなユーザーからのフォローなのかを確認しましょう。経験上、目視確認で増えたフォロワーがターゲットと合致しているかどうかを確認するのが、最も効果的で、早く、確実です。※ただし数十万フォロワーなどのアカウントなどでは、目視確認は現実的ではありません。数千~数万フォロワーのレンジで有効な手段だと考えてください。ルールなしに「再生回数」や「フォロワー数」をKGI・KPIとしないこと企業が行うInstagramの運用は、ビジネスである手前、わかりやすいKGI・KPIを設定せざるをえないことも多く、「フォロワー数」や「リーチ数」「動画の再生回数」を成果指標としている企業も多いでしょう。弊社のクライアントではないですが、知り合いの会社でこんなことがありました。その会社はInstagramの運用を始め、KGIを「フォロワー数」、KPIを「リール動画の再生回数」と設定していました。リール動画を投稿し始め、再生回数が増えるにつれて、フォロワー数は増えていきます。定期的に起こるバズが、さらにフォロワーを増やしていきました。1年ほど運用して、フォロワー数は数万になりました。ですがお問い合わせは一向に増えません。社内では「あの動画、バズったね!」「今回のリール動画の再生回数がすごい!」と盛り上がっているものの、一向に売上に直結するような指標への影響は見られませんでした。そんな時に弊社に相談があり、アカウントのフォロワーを確認してみました。すると、フォロワーの99%が外国人の方々でした。その会社の商圏は、会社から半径20km圏内ですし、オンラインで売る商品でも、外国人の方々に買われる商品でもありません。これでは当然、お問い合わせは増えません。フォロワーを目視確認していれば...とその会社の社長は凹んでいましたが、KGIやKPIを「再生回数」や「フォロワー数」にしてしまうと、誤ったターゲットにリーチし、気付かずKGIの達成を目指し続けてしまう可能性があるのです。そうならないためにもあくまで、ターゲットとなる方々のフォローが増えている前提(ルール)で、再生回数やフォロー数を追いかけましょう。運用方法のまとめまずは顧客を改めて調査・分析し、筋のいい投稿(ターゲットに刺さる投稿)ができるようにしましょう。そして「この投稿(or運用)をするとフォロワーが増える」と発見したタイミングで、できる限り細かくフォロワーを目視確認しましょう。その時点でターゲットからのフォローが集まっていれば同じような投稿を続けて大丈夫ですし、ターゲット外からのフォローの場合は別の投稿を検討する必要があります。ターゲットからのフォローが増え始めたら、KGI・KPIを設定し、運用を継続しましょう。その際にも定期的にフォロワーを確認し、増えているフォロワーはターゲットかどうかをチェックしましょう。関連記事:【Instagram運用】8ヶ月で2.1万フォロワーを獲得。実際に行った分析と施策