岐阜県山県市でバーベキュー場「バーベキューハウスひぐらし」を営む、合同会社蜩さま。代表の小森さんは、ご自身が生まれ育った山県市から20~30代の若い世代が離れていく様子を見て「少しでもこの自然豊かで魅力の詰まった山県市に、人が少しでも残れば...戻ってこればうれしい」と思い、町おこしの一環でバーベキューハウスひぐらしを立ち上げました。今回は、立ち上げ時の課題であった「集客」に関する弊社との取り組みについて、代表の小森さんにお話を伺いました。※インタビューの内容は、アルテナ株式会社設立以前の話(代表 古田の個人事業主時代)も含まれております。アルテナ株式会社設立に伴い、現在はご支援を法人に引き継いでおります。その点ご了承くださいませ。ーーー本日はよろしくお願いします。バーベキューハウスひぐらしについて、改めてどんな場所か教えてください。小森:ひぐらしは岐阜県山県市にあるバーベキュー場です。名古屋から高速に乗って1時間ほどで来ていただくことができます。施設を囲んでいる山々は本当に綺麗ですし、お客さまのテーブルから歩いて30秒ほどで透明度の高い武儀川に出ることもできます。都会や街ではなかなか見れないような綺麗な景色に加えて、鮎やマスが飛び跳ねる様子を見たり、子どもたちが大喜びする虫や昆虫に直接触れていただくことができる、自然との距離が近いバーベキュー場です。都会のバーベキュー場も素敵ですが、都会では味わえない体験ができるので、オープン当初より名古屋をはじめ遠方から多くのお客さまに足を運んでいただいてます。とりあえず動き出したバーベキュー場作り。一方で集客の不安は次第に大きくなり...。ーーー弊社に相談いただく前の御社の状況、課題を教えてください。小森:「よし!バーベキュー場を作るぞ!」と意気込んで作り始めたはいいものの、どうやったらひぐらしに人が来てくれるのか、オープンしたらちゃんと人が来てくれるのか?そんな不安がありました。場所もかなり山奥ですし、わたしたちはインターネットやSNSに明るいわけではありません。友人・知人にひぐらしの説明をしたところで、広く知っていただくには限界があります。HPもない、SNSもない、予約する方法もなければ知ってもらう方法もない状態です。過去にチラシ(≒フライヤー)を配ったこともあります。地元の飲食店やお店を中心にチラシを置かせていただいたんですが、反響は全くありませんでした。どうやって集客するかはもちろん、どんなコンセプトでこのバーベキュー場を知ってもらえれば来てくださるのか?も私たちはわかりませんでした。何がこの施設の魅力で、それをどう表現するのか?がわからなかったんです。ーーーご相談いただいたきっかけはなんでしょうか?小森:知り合いからの紹介ですね。知り合いに相談した時に古田さん(アルテナ株式会社)の名前があがったのですぐに連絡先を教えてもらい、相談させてもらいました。当時はオープンまで時間が迫っていたので、かなり焦っていたんです。オープンしたところで人が集まらなければ急いで作った意味も無くなってしまいます。またバーベキュー場は1年の半分ほど(当施設は主に4月〜9月)しか営業できません。ここを逃すことはできないので、急いで連絡しました。古田さんと話すと、早速私たちにあったコンセプトや集客方法の素案を考えてくださったので、すぐに依頼することに決めました。ーーー実際に取り組みが始まって、どうでしたか?小森:まず最初に「施設のどこをお客さまに推すのか?」といったコンセプトを明確にしていただいたのが良かったです。私はそこまで詳しくありませんが、ひぐらしが狙っていた20~30代の方々はInstagramで情報収集し、コミュニケーションを取っていました。他の多くのバーベキュー場はいわゆる「インスタ映え」を狙っていることが多く、施設内にキラキラした装飾をつけたり派手な料理を用意していたんです。ただ私たちはそのあたりは苦手です。そういった感性を羨ましいな、と思う部分もありますが、やはり私たちの施設の良さはなんといっても「自然の豊かさ」です。「自然の豊かさ」が他の施設にはない強みですし、都会や街の方々がわざわざこの土地に来る理由になるだろう、という話を古田さんにしていただきました。「私たちは何を売るべきか?」という点をハッキリしていただけたのは大変助かりました。それに合わせてWebサイトからInstagram、広告などすべて考えましたから、売るべきものが間違わなくて良かったとつくづく思います。また、Webサイトは私たちのスキルを鑑みて設計してくれたのが良かったです。たとえば私たちはITに明るくありません。複雑な飲食店用の予約システムを入れても使いこなせないですし、メールやお問い合わせフォームから連絡いただいても何度もやり取りすることになってしまいます。古田さんはそういった状況も加味して「お問い合わせは、電話だけでいいのではないですか?」と提案してもらいました。電話なら慣れてますし、私たちでも対応できます。そうやってスキルに合わせて提案してくださったのが良かったですね。ーーーありがとうございます。ひぐらしのスタッフの方々は本当に人柄が素敵なんですよね。スキルの理由だけでなく、せっかくならお客さまに、最初からスタッフの方々の人柄にも触れてほしいと思いました。地元を離れて都会に出た方が、実家に帰る時に両親に電話するような感覚でひぐらしの方々と電話してもらえたらな、と思ったんです。実際にオープンするとGoogleビジネスプロフィールのクチコミにもそういった声が多く、予約の時からお客さまにスタッフの方々の人柄に触れていただく機会を設けて良かったと感じています。※バーベキューハウスひぐらしのGoogleビジネスプロフィールのクチコミはこちらからーーーWebサイトが公開され、各施策が始まってから、お問い合わせ状況はどうでしたか?小森:初月に600件以上のお電話が入りました。当バーベキュー場の規模としては十分すぎるくらいのご予約数です。電話を取れなかったものもありますし、既存のお客さまからの電話もありますが、とりあえず初月から一気にお問い合わせが入りました。アルテナさんが計測してくれているものだと692件でしたっけ?非常に多くの方に知っていただけた感覚があります。今でもほとんどはWebサイト経由のご予約です。毎年リピーターの方も増えていますが、オープン初月から今でも、新規のお客さまにたくさんご予約いただけるのは本当にありがたいです。スタートダッシュを決めた裏にある、選択した2つの施策。ーーーご一緒する中で印象的だったことはありますか?小森:1つは先ほどの「私たちは何を売るべきか?」という点をハッキリしていただけたことです。もうひとつは、やるべき施策を2つに絞ってくれたこと。Instagramの運用「国内最大級のバーベキュー場情報サイト『BBQ GO!』(現在は閉鎖)」の運用細かいところだとGoogleビジネスプロフィールやWebサイトの更新もありますが、この2つに集中したのが良かったです。狙っている方々は食べログやぐるなびを使わないですし、(掲載したことはありますが)岐阜のフリーペーパーなども読まない。Instagramでお出かけ先や飲食店・娯楽施設を探している方が圧倒的に多いので、そこで私たちはポジションを取ろうとなりました。Instagramではいわゆる「インスタ映え」を狙わずに、自然の豊かさを全面に押し出したのも正解でしたね。※画像引用元:バーベキューハウスひぐらしのInstagramよりまた『BBQ GO!』の運用を行った経緯ですが、最初GoogleやYahoo!で検索したらひぐらしが出てくるようにならないかな?と思っていたんです。ただ当時は屋号名で検索してくれる方がいないので、「バーベキュー場 岐阜」などと検索された時に自社のWebサイトを出したい。検索ニーズへの対策としてリスティング広告を出す話もありましたが、古田さんから『BBQ GO!』への掲載を提案いただきました。※画像:日本最大級のバーベキュー場情報サイト『BBQ GO!』(現在は閉鎖)古田(アルテナ株式会社):バーベキュー場で友人や家族とBBQをするというのは夏の間の一大イベントだと思うんです。ということは会場選びは失敗できない。つまり他の施設と間違いなく比較され、慎重に検討されます。その中でわざわざリスティング広告で「バーベキュー場 岐阜」というキーワードを狙って、先に知っていただく必要あるのかな?と思いました。どうせ比較されるのであれば、広告経由でWebサイトを訪問しても離脱しますし、広告費もかかる。なんなら比較しやすい「BBQ GO!」で会場を探す方がお客さまには便利で、先にひぐらしのWebサイトを見たとしても忘れてしまう可能性があるなと思いました。それであれば「BBQ GO!」の中でひぐらしの「自然の豊かさ」を押し出した方が間違いなく差別化にもつながると思っていたんです。そしてWeb広告の費用もかからないですし、「BBQ GO!」への掲載費用もかからない。実際に「BBQ GO!」に掲載されている同エリアのBBQ場は「映え」を狙ったものが多かったです。その点、ひぐらしは全く違うポイントを推していたのでかなり目立ちました。小森:ほとんどのお客さまが、Instagramか「BBQ GO!」でひぐらしを知ってくださり、WebサイトとGoogleビジネスプロフィールでより深く知ってくださる。そしてご予約いただく、という流れになっています。細かい施策は他にもありますが、古田さんたちが上手いことやってくれてましたね(笑)ーーーそれ以外で弊社が役に立っていることは?マーケティングに関わるどのジャンルでも相談できるのが良いですね。椎茸の原木をネット販売できないか?とかECサイトの相談をすることもありました。また大手ビールメーカーさんが連絡をくださって、ビールを大量に提供していただいたことがあります。その時にどうやって配るのがいいだろうか?みたいな相談もさせていただいたり、マーケティングのことはもちろん、ひぐらしに関わる事を広く相談させてもらっています。この土地の魅力をマーケティングの力でより多くの人に届けたい。ーーーどのような企業にアルテナをおすすめしたいですか?小森:私たちのような「まず何からやればいいか分からない」という企業ですね。企業も施設も最初のスタートダッシュを切れるかどうか?が非常に大切です。従業員を雇っていたり、仕入れをしている場合はなおさら。集客ができないとすぐに会社は潰れてしまうので、自分たちでもがくのも大切ですが、最初からプロに依頼してみるというのも検討しても良いはずです。ーーーありがとうございます!では最後に、ひぐらしの今後の展望を教えてください。小森:まずは今年の夏も、ひぐらしに来てくださる方に満足して帰っていただけるようにするのが第一です。今実はぶどうを作っているので、ひぐらしに来てくださったお客さまにお渡しできるようにしたい。あとは、たけのこごはんを作って振る舞ったり、流しそうめんも準備しているのでやりたい(笑) 地元のものをたくさん使って、景色も、食べ物も、人も、存分にひぐらしでの時間を満喫してほしいと思っています。多くの方にこの土地を知っていただいて、あわよくば住んでいただけたら嬉しいですね。そのためにまずは、ひぐらしを通じて多くの方々にこの土地の良さ、自然の豊かさを伝えたいな、と思っています。※画像引用元:バーベキューハウスひぐらしのInstagramより