新卒一年目から不動産会社の営業として活躍。若くしてマネージャーとなりチームを率いてきた加賀さん。責任ある仕事を任され順風満帆と言えるタイミングで、長く身をおいた不動産業界を飛び出し、マーケティング支援会社であるアルテナ株式会社へ転職。今回のインタビューでは、加賀さんがマーケティング業界に挑戦しようと考えたきっかけや入社した決め手、個人と会社の両方が成長するためにどのような意識で日々を過ごしているのかを聞きました。目指したのはできることより”やりたいこと”を軸にした転職ーー前職は不動産業界で活躍されていたと思うんですが、そこでの経験を教えてください。数百人規模の不動産会社で、営業一筋でした。入社した翌年からはマネージャーになりました。割と順調なスタートダッシュを切れていたように思います。一件あたりの客単価が高い商材なので、成約すると社を上げてお祭りのように盛り上げてくれ、成約の喜びは大きかったです。自分の成長と共に会社も右肩上がりに大きくなっていたフェーズでやりがいがありました。自分がやってきたノウハウを伝えることで部下が成約できて喜んでくれるなど、自分自身だけでなくチームが活性化していくのも楽しかったですね。ーーかなり順調にキャリアアップしていた印象ですが、なぜ転職を考えるようになったんですか?一番大きな理由は、会社の中での自分の未来を想像できてしまったからです。すごく刺激的な環境で、事業にもやりがいがあり、一緒に働くメンバーも素晴らしい方ばかりでした。ただ、この環境のまま働き続けた先にどんな未来があるのか。多少なり変化はありつつも1年後、3年後の自分が想像できてしまったんです。その一方、自分には変化が激しい今の世の中で通用する手持ちのスキルが無いようにも感じて。会社の看板を無くしたときに、自分には何ができるんだろうと考えるようになりました。もう一つは、不動産、その中でも中古住宅という領域の中で突き詰めてやってきて、単純に飽きてきたのも理由です(笑) もっと視野を広げて、いろんな業種に関わってみたいと思うようになりました。転職するなら30歳になる前にと思い、検討を始めたんです。ーーちょうど30歳手前って考えてしまう時期ですよね。聞いた話によると、検討を始めてから転職が実現するまでには、かなり時間をかけていますね?そうですね。一年以上、時間をかけました。今回が二回目の転職なのですが、新卒で入った不動産の会社から前職へは、同じ不動産の営業という自分ができそうなことを軸に転職しました。今回はできることではなく、やりたいことを軸にしようと決めていたのが一回目の転職との大きな違いです。しかし「やってみたい」という気持ちだけで転職できるほど甘くないのもわかっていましたし、中途半端な気持ちで転職しても誰も得しないことも分かっています。そのため、本当に自分がやりたい事ってなに?という自己分析と、そこにある熱意はあるのか?という覚悟を問うのに時間をかけました。もともと興味があったWeb制作に携わっている方に話を聞いたり、プログラミングの研修を半年間受けてみたりして、自分の特性や気持ちを探っていくうちに、自分はプログラミングのような技術でWEBを綺麗にデザインする、みたいなことよりも、その技術や知識やノウハウを使って”いろんな商売を伸ばすことに関わりたいんだ”とわかってきたんです。最終的に一番最適だと感じたのがマーケティング支援でした。ーーなるほど。そういったきっかけがあって「マーケティング支援」に狙いを定めたんですね。マーケティングに関する会社の中でも、ベンチャーを選んだのはどうしてですか?名古屋にも大きな規模の会社もあると思いますが。前職の経験から、従業員が100人規模になると、ひとり当たりの会社への影響力が薄まる感覚がありました。もちろんひとりひとりの貢献の積み重ねではあるのですが、会社が成長してもどこか自分ごとでない感じを拭えなかったんです。もっと少ない人数でダイレクトに会社の業績成長に貢献できる、そういった挑戦でもあり魅力を持つのはベンチャーだろうなと考えました。やりたい、挑戦したいという気持ちは持ちつつ、これまでの経験やスキルを存分に発揮して、事業成長の一角を担いたいという気持ちも持ち合わせてましたから。ーー入社の決め手は何だったのでしょう?回答になってないですが...一番入りたくない会社像は、やる気がない会社でした(笑)やる気のない会社は採用担当にお会いした時点でわかります。たとえば未来のビジョンを語るときに定型文を読んでいるだけだったり。福利厚生も給料も良くてオフィスが綺麗でも、働いている人のやる気が無ければ意味がない。もともとマーケティングに携わっていたわけではないので、待遇の良し悪しを選べる立場ではないことは十分理解していましたが、やる気の有無だけは妥協するわけには行きませんでした。温度差の違う自分が入社しても迷惑だろうし、自分自身の良さも失われそうなので...(笑)その点、アルテナは代表の古田さんはじめ、最初から違いを感じました。クライアントに貢献したいという熱意もそうですし、僕のような求職者に対する接し方も誠実でした。クライアントさんにもきっと誠実な対応をしているのだろうと想像できた、それが一番の決め手です。入社後も印象は変わっていません。社内外問わず、すごく人を大事にしているし、良いサービスを作ることに対して一切妥協がありません。マーケティングの難しさにやりがいを感じる日々ーー入社してから今までを振り返ってみてどうですか?日々、マーケティングの難しさを痛感しています。最新のテクノロジーやツールを使えばある程度は課題を解決できるのでは?という淡い想像があったのですが、全くそんなことは無かったですね。クライアントワークでも自社マーケティングでも、考え無しに着手した結果は如実に出てしまいます。ありきたりな文章、ありきたりな施策、誰でも想像できることをやっても何の効果もありません。ただ一方で、その難しさが楽しさややりがいに繋がっています。自分のマーケターとしての手札、つまり課題に対抗するスキルが増えている感覚が明確にあります。アルテナの場合は、自社のマーケティングもクライアントに対しても、課題解決につながる可能性がれば手段問わずチャレンジしてみる文化があります。おかげで、入社当初と比べると自分がやれることが数十倍は広がっていますね。ーー短期間で全方位に手札を増やそうとすると勉強するのが大変ですが、加賀さんは手札の増やし方がうまいと感じます。なにかコツはありますか?もともと色々なことに興味があり、これはどういう仕組みなんだろうとか、実際にやってみたいといった好奇心が強いので、性格と職種がうまくマッチしているのかもしれません。ただ、薄く広く手段を広げただけでは効果が出ないので、広げた手札のそれぞれを深く掘っていかないと結果までには繋がらないのが難しいところです。ーー浅く知識を広げるだけでは結果が出ないというのは誰もが悩むところですよね。かなり勉強量が必要ですが、加賀さんはそこに関して辛くはないですか?辛くないですね。ひとりで本やSNSから情報収集するだけでは限界がありますが、社内で壁打ちする中で解決の兆しが見えることも多く、仕事をしている中で自然にノウハウが溜まっていきます。自然に知識やノウハウが増えている感じなので、辛くなることはありません。ただ経験値はそう簡単には貯まらないので、少しでも早く貯めるために工夫しています。具体的にはとにかく失敗談を聞くこと。社内外のエキスパートに事前に相談して、先輩たちの失敗談を聞くようにしています。そうすると「あ、ここが失敗しやすいんだ」とか「こういうところを気をつけた方がいいんだ」とアンテナを張ることができ、成功確率を上げることができます。結果、ゴールに到達するスピード、成長スピードが上がりますね。成功には運の要素もあるのですが、失敗には必ず原因があるので、それを事前に把握するようにしています。先輩の経験を分けてもらう意識は、経験値が少ないときにオススメの方法です。ーーそれは大事な考え方ですね!最後に、今後の目標と、これからどんな人と一緒に働きたいかを教えて下さい。まず今後の目標から。今のアルテナは事業をもっと伸ばしていこうとしているフェーズなので、自分自身も増やした手札のひとつひとつをさらにレベルアップしていきたいです。人数が少なくプレッシャーはありますが、自分の成長が会社の成長に直結している手応えがあるので、個人としてより結果を出せるレベルを目指したいです。イメージとしてはスペシャリストよりもスーパージェネラリストになりたいですね。また僕らのクライアントは事業のフェーズに合わせて課題が変化していくので、僕たちはそれに対応できる支援会社になっていくべきだと思うんですね。今は集客の課題にコミットすることが多いですが、クライアントが事業を成功させるために必要な要素って他にもたくさんあるので。人材とか営業課題とか、いずれは集客以外の困りごとも支援できる形を作っていきたいです。一緒に働きたい人は、、、どんなことに対しても前向きに捉えられる人。未経験者と経験者の差なんて絶対あるじゃないですか。結果が出ない、クライアントと信頼関係を築けない、自社マーケティングがうまくいかない。そういった一見ネガティブに見えることが最初はたくさんあります。そんなときでも悲観的に捉えるのではなく、ある種のチャンスと捉えれたり、改善のための第一歩だと前向きに捉えて、そしてちゃんと行動に起こせる人と一緒に働きたいですね。あと当たり前ではあるのですが、何かがうまく行かなかったときに、環境や周りの誰かのせいにしない人。自分を変えるのが一番早くて安くて簡単ですから。そういう意味でも「前向きに進む力」を持った人と一緒に働きたいですね。文・編集:松下沙彩(note/Instagram)