マーケティング業界に入ったばかりの頃、こんな悩みを持った(あるいは持っている)ことはありませんか? 今回の記事では、マーケティング初心者だった頃の私が実際に取り組んできた内容についてまとめました。以下のような方に向けて解説していきます。勉強したいけれど、何をしていいのかわからない膨大な情報が流れる中でどうやって自分に必要な情報を取捨選択するの?限られた時間の中で効率的に吸収するためには、どの方法を選ぶべきだろう?私が行ってきた主な学習方法について内容ごとに解説していきます。これからマーケティングに携わる方は、ぜひ参考にしていただけたらと思います。①本を使って体系的に学ぶマーケティング業界は専門用語も多く、抽象的な定義のまま使用されている言葉も多いです。まずは一つ一つの単語の意味を知ること、定義を明確にすることが大事でした。その点では本が最も効果的な学習手段です。また、幅広いマーケティングの領域の中で、自分がどの部分を学んでいるかを把握するのにも、体系立てて学べる「本」はオススメです。そのため、まずはテキストや図解でまとまっているマーケティングに関する本を読み全体像を把握します。合わせて、マーケティングの成り立ち(歴史)やを本質的な概念について学ぶことで新しい知識も整理されます。マーケティング業界に入ったばかりの頃に読んだ中でも、以下の本はオススメです。リスティング広告 成功の法則 / 阿部 圭司リスティング広告(特に検索連動型広告)を学ぶことは、マーケティングの本質を学べると言っても過言ではありません。リスティング広告に携わる中で必ず発生する「顧客の検索意図を考える」という行為は、マーケティングにおいて非常に重要な「顧客理解力」「顧客想像力」を鍛えることができるからです。この本は「広告の配信手法」だけでなく、そういった本質に目を向けるきっかけになる一冊です。もちろん、リスティング広告の「役割」や「仕組み」などの分かりやすい解説も記載されています。最新の媒体情報が網羅されているわけではないですが、リスティング広告に携わるものとしては、必ず読んでおきたい名著です。新版 リスティング広告 成功の法則 / 阿部 圭司インバウンドマーケティング / 高広 伯彦顧客に対して企業が売りたい情報・伝えたい情報を押し付けるように流す「アウトバウンドマーケティング」ではなく、顧客が知りたい情報を適切なタイミングと届け方で顧客に届け、信頼関係を構築しながら自社製品への関心を高めていく「インバウンドマーケティング」について学ぶことは大切です。本書では、従来型の広告やメールがなぜ人々から好まれなくなってきたのか、そしてインバウンドマーケティングという概念がなぜ生まれたのかなど歴史についても語られています。手法からマーケティングを考えるのではなく、顧客ありきでマーケティング手法を考えていくこと、そしてその重要性を学んでおくことは、マーケティング従事者にとってとても大切です。インバウンドマーケティング / 高広 伯彦沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘 / 松尾茂起私がマーケティングを仕事にするようになって、「どの本を読もうか…」と迷った挙句、一番最初に手に取った本です。結果、大正解でした。なぜかというと、マーケティングの専門用語や基礎的な部分について分かりやすく解説されており、また終始コミック仕立てで書かれているため、初心者でも躓くことなく一冊を読み終えることができるからです。SEO、ライティング、コンテンツマーケティング、SNSなど、あらゆる手法についての解説があります。コミカルな描写もありますが、随所にかなり細かい補足説明がされているので初心者が勉強するにはもってこいの一冊です。沈黙のWebマーケティング - Webマーケッター ボーンの逆襲 - アップデート・エディション / 松尾 茂起②トレンドはTwitterやメルマガで情報収集新たな手法や言葉、概念が登場する業界なので、最新情報の収集は欠かせません。ですが、新しい情報を自ら探しにいくと膨大な時間がかかってしまいます。最新情報をキャッチアップするためには、Twitterやメルマガを使います。マーケティング界隈で有名な方、マーケティングについて発信している企業アカウントをフォローしたり、メールマガジンを定期的に購読することで、最新情報に触れられる環境づくりをしています。しかし、フォロー数やメルマガ登録数を増やしすぎると、情報量が多くなり処理しきれなくなります。そこで重要なのが情報の取捨選択です。自分に必要な情報の取捨選択するポイントは、いま支援しているクライアントの役に立つ情報なのかどうかという目線を持つことです。クライアントの課題解決のヒントになるか、今後なりそうかという問いを立てて情報の精査しています。他にも、先輩や上司にどの情報源を信頼しているか、誰をフォローしているのかを聞くのも有効的です。③理解できていない部分を先輩に時間をもらって聞く本やインターネットで情報をインプットしても、理解できない専門的な部分やさらに詳しく知りたい部分が発生します。理解できていない、深掘りしたい部分は適宜メモに取りためて先輩社員に聞いていました。マーケティング手法を本で学習しても、施策を実行する業種やクライアントが持つ個別の課題によって当てはまらないケースもあります。施策が当てはまるケースとそうでないケースを知るには、すでに経験をしている先輩に聞くことが一番効率が良いです。それだけなく、先輩に聞くことで自分には無かった視点を知ることができます。そもそもの勉強方法、課題の設定方法、分析方法など質問内容以前の問題であったり、物事を捉える視野についての学びを得ることができます。質問はなるべく具体的に用意する同じ会社に務めている先輩だからといって、むやみに時間をもらって良いわけではありません。ましてや入社して間もない場合は、当然先輩の方が忙しく、先輩の時間を奪うということは支援しているクライアントの時間を奪うということにもなります。質問する側は、準備をしっかり行い短い時間でも理解を深める準備をする必要があります。「これってどういう意味ですか」のような漠然とした質問だと、答える側は「理解度の確認」「具体的に知りたいことの確認」が必要になり、無駄な時間を要してしまいます。そうならないために「どこまで理解していて」「具体的に何が知りたいのか」など情報を整理して問いを設計します。弊社では、入社して半年くらいまでは定期的に学習のための質問タイムを設けています。先輩に聞く機会があるおかげで、質問する前の準備を行う癖がつきました。質問方法については、下の画像の記事が非常に参考になりました。参考:質問は恥ではないし役に立つ - Qiita - @seki_uk④先輩社員が行っている施策記録を追う先輩社員がすでに行っているマーケティング施策の記録を追うことで、疑似体験的な学びをえることができました。弊社では、クライアントとともに進めている施策について日々記録しています。施策内容、施策の背景、結果および結果に対する原因、改善施策など施策にまつわる記録を閲覧することで多くの学びを得ることができます。たとえば施策内容の妥当性や結果について自分なりに仮説を立てて、結果を確認することで自分の欠けている視点やアイディアに対する内省ができます。実際に支援を行う前に、このような疑似体験をしておくことでアイディアの幅が広がったり、経験(疑似経験)を元にした話ができるようになります。この方法は、誰かの時間を必要とする訳では無いので他の社員にも迷惑をかけることなく、双方にとって効率がよい学習方法なのでオススメです。⑤自社のマーケティング活動に携わる自社のマーケティング施策に携わることで、戦略に対する実行課題を肌で感じることができます。課題の分析から施策の立案の経験にもなりますが、なにより自分で手を動かして実行まで経験できることは非常に多くの学びになります。いかに良いアイディアや優れた施策を描いたとしても、計画通り遂行ができなかったら意味を成しません。そしてマーケティングという武器を用いる場合、遂行の難しさを知っている担当者とそうでない担当者では、計画の段階で差が出ます。自社のマーケティング活動に携わることで、結果に繋げるためにはどこに課題があって、遂行の難易度がどれほど高いのかを肌で感じることができます。実行の難しさを身をもって体感することで、クライアントの支援にも生きてくると思います。⑥実際に現場でマーケティング支援をするWebマーケティングのスキルを向上させたい場合、早い段階から現場に出て実績を積んだ方が早く成長できると考えています。実際に手を動かしてみなければ得られない情報も多く、成長という観点でも現場から得られた学びの方が身につきます。Web広告での例をあげると「広告の品質スコアを上げることでクリック単価が下がるんだ」と頭ではわかっていても「品質の高い広告の作り方がわからない」「ユーザーにクリックしてもらえる広告が思いつかない」ということが起きます。広告を届けたいターゲットをイメージしながら広告を考え、データからユーザーの反応を確認し、改善を繰り返すこと少しずつ感覚をつかんできます。もちろん経験値が浅い場合は、「失敗したらどうしよう」「迷惑かけないか心配だ」など不安がつきもの。だからこそ基礎的な知識をつけたり、先輩にフィードバックをもらうなどの準備が重要です。⑦日々の消費体験から学ぶ日々の消費体験からも多くの学びを得ることができます。日常生活において商品が売れる仕組みや「もっとこうしたら良くなるのでは?」と自分なりの仮説を考えることで、いろんな閃きに繋がりますし何より楽しいです。たとえば、コンビニでふと手に取った商品に対して「なぜこの色のパッケージなのか」「なぜ自分はこの商品が気になったのか」「どうしてこのような訴求なのか」「なんで自分はこの商品を選んでしまったのか」など考える癖をつけます。マーケティングを学ぶほどに「もっとこうしたら良いのでは?」という問いが増えたり「このやり方うまいなぁ」と感心することも増えます。自分が携わっている業界や商材とは全く違うジャンルでも、広告の訴求、HPの利便性、商品の見せ方など、日常生活の中からマーケティングに関わるものすべてにアンテナを張ることで、多くの学びが得られるのでオススメです。さいごにマーケティングにおける学習方法はさまざまです。効果や効率は人によって違うと思いますので、自分にあった学習方法を探すことが一番良いです。今回ご紹介させていただい内容は、私自身にとって学習効率が良くこれからマーケティングを学ばれる方にぜひオススメしたいと思い解説をしました。マーケティングは奥が深く、これから新たなシステムや手法がたくさん登場と思いますので学び終えるということはないと思っています。目の前の課題を解決するためにはどのような方法が最適なのか、あるいはどんな施策が最も結果に繋がるのかを日々考えていれば、おのずと学びが増えてくるとも思っています。記事を書きながら、私自身も改めて課題に対して真摯に向き合い、学びに対して貪欲な姿勢で日々を過ごそうという気持ちになりました。ありがとうございました。