EBISUMARTで動的リマーケティング広告をやってみようと思い、公式ヘルプやネット記事を見たものの、書いてある内容が複雑で分からない…。そんな経験はないでしょうか?
それもそのはず、動的リマーケティング広告を配信するためには、カートシステムのURLやデータ構造に合わせた調整、Google Tag Manager(GTM)の知識などが必要になるからです。
本記事では、EBISUMARTを使用したECサイトで、Google広告動的リマーケティング広告のタグ設定をGTMで実装する方法を、画像付きで説明していきます。
動的リマーケティング広告とは
基本的な仕様
動的リマーケティング広告とは、自社の商品を見てくれた人に、閲覧した商品や類似商品を自動的に表示できる広告手法です。Webサイトへの訪問履歴があるユーザーを呼び戻すことで、見込み顧客の獲得や販売につなげることができます。

具体的な仕組みとしては、「ユーザーがWebサイトで閲覧した商品情報」と「広告主が用意する商品フィード(商品名・価格・画像URL・商品IDなどの情報が含まれるデータ)」を照らし合わせることで、レスポンシブディスプレイ広告として配信されます。

また、動的リマーケティング広告とは別に、リマーケティング広告(動的リマーケティング広告に倣って静的リマーケティング広告とも呼ばれる)があります。
一般的に、リマーケティング広告と動的リマーケティング広告の違いはこのようになります。
| 項目 | リマーケティング広告 | 動的リマーケティング広告 |
|---|---|---|
| 配信内容 | 事前に用意した広告 | ユーザーが閲覧・操作した商品情報をもとに出し分け |
| 主な活用シーン | ・商品点数の少ないEC ・ブランド認知向上 ・サービス全体の訴求 etc… | ・複数商品を扱うEC ・ユーザー毎に異なる訴求 ・商品の更新が頻繁 etc… |
| 設定の難易度 | シンプルで導入しやすい | フィードやタグが必要で複雑 |
どちらも「過去にWebサイトを訪れたユーザーを追いかけ、再訪・購買を促す広告」ですが、動的リマーケティングは商品情報を自動的に取得・更新し、ユーザー毎に広告を出し分けるため、運用の手間が大幅に削減できます。
参考:動的リマーケティングについて – Google広告 ヘルプ
配信設定の全体像
動的リマーケティング広告を実際に配信するためには、大きく分けて3つの設定が必要になります。
1. タグの設定
ユーザーが閲覧した商品情報をGoogle広告に送信するためのタグの設定
2. 商品フィードの作成・アップロード
Google広告に商品情報(商品名、価格、画像URLなど)を提供するデータファイルを作成し、Google Merchant CenterまたはGoogle広告の共有ライブラリにアップロード
3. Google広告管理画面での広告作成
Google広告の管理画面にて動的リマーケティングキャンペーンを作成&配信設定
なかでも「1. タグの設定」は、環境に応じた調整が必要なため、具体的な手順をウェブ上で見つけにくく、初めて取り組む方にとっては頭を悩ませるポイントになります。
本記事では、カートシステムにEBISUMARTを用いた場合の「1. タグの設定」を、GTMで設定する方法について、焦点を絞って解説していきます。
カートシステムに応じたタグ設定が必要な理由
動的リマーケティング広告は、ユーザーが閲覧・操作した商品に応じて広告を出し分けるため、「ユーザーが閲覧した商品の商品ID」を取得する必要があります。
しかし、商品IDが記載されているURL構造やデータ構造などはカートシステムごとに異なるため、商品IDを取得するための設定は使用しているカートシステムに依存します。
通常、商品IDは商品ページURLに記載されていますが、商品ページURLもカートシステムによって下記のような違いが生じます。
- カートシステムA:https://altenas-ecmall.com/products/{ABC123}.html
- カートシステムB:https://altenas-shop.com/products/detail/{商品名}
- カートシステムC:https://altenas-online.com/items/{12345678}
※商品IDは{}で記載
このように、カートシステムによって商品IDの位置は「html拡張子の前」や「URL末尾」など異なる場所に配置されたり、形式についても「ランダムな文字列」「商品名」「数値」など様々なパターンが存在します。
また、カートシステムのバージョンや契約プラン、商品ページへの流入経路などによっても異なるケースがあるため、動的リマーケティングのタグ設定を行う際は、こういった個別のパターンに対応する必要があります。
カートシステムに関わらず必要な前提条件
前述の通り、動的リマーケティング広告はユーザーが閲覧した商品情報をWebサイトから取得する必要がありますが、前提として「Webサイトから取得する商品情報」の形式と「広告主が用意する商品フィード」の形式は一致している必要があります。
これらの形式が異なる場合、正しいマッチングが行われず「意図しない商品が表示される」「広告が配信されない」といった問題が起こり得ます。そのため、動的リマーケティング広告を設定する前に、商品IDの形式を確認しておきましょう。
参考:レスポンシブ広告のフィードを作成する – Google広告 ヘルプ
EBISUMARTを用いる場合のGTMタグ設定
EBISUMARTの商品詳細ページURLは、流入経路に応じて下記の2パターン存在するため、両方に対応するようなタグを設定する必要があります。
商品詳細ページのURL
▼カテゴリの商品一覧ページから商品詳細ページに遷移
▼検索窓から表示した商品一覧ページから、商品詳細ページに遷移
下記手順に沿って設定していきましょう。
1. URLから商品IDを取得
1-1. GTMにて、[タグ] > [新規] を選択

1-2. 適当な名前を設定(画像では”動的リマケ_商品ID取得”で設定)し、[タグの設定]を選択

1-3. [カスタムHTML] を選択

1-4. 下記のHTMLタグを貼り付け、 [トリガー] を選択
<script>
var prodid = '';
var m = window.location.pathname.match(/^/(?:item/([^/]+)|category/[^/]+/([^/]+)).html/);
if (m) { prodid = m[1] || m[2]; }
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
window.prodid = prodid;
dataLayer.push({
'ecomm_prodid': window.prodid,
'event': 'dynamic_remarketing'
});
</script>

1-5. 商品詳細ページで発火するトリガーを選択

※画像のトリガー設定(トリガータイプ:カスタムイベント、イベント名:view_item)を利用するには、予めイベントの設定が必要になります。イベントの設定を行う方法は下記の記事をご参考ください。
参考:タグマネージャを使用したGoogleアナリティクス(Google Analytics4)のイベント設定方法 – EBISUMART サポートサイト
1-6. タグを [保存] して終了

2. 商品IDをタグに使用するための変数を設定
先ほど設定したカスタムHTMLタグは、取得した商品IDをGTMに送信する役割を担っています。しかし、その情報をGTMで使用するためには、送信されたデータを受け取る「箱(変数)」が必要になります。
例えると、商品IDという「荷物」をカスタムHTMLタグが「配送」し、GTM内の変数という「受け取りボックス」で受け取るようなイメージです。この「受け取りボックス(変数)」を設定することで、後にGoogle広告へ商品IDを送れるようになります。

変数は下記の手順に沿って設定していきましょう。
2-1. GTMにて、[変数] から「ユーザー定義変数」の [新規] を選択


2-2. 変数の名前を「ecomm_prodid」に設定し、[変数の設定] より [データレイヤーの変数]を選択

2-3. [データレイヤーの変数名]にも「ecomm_prodid」を設定して [保存] を選択

3. タグとトリガーの設定
ここまでで、商品IDを取得するHTMLタグの設置と、その情報を受け取る変数の設定が完了しました。ここでは、変数で受け取った商品IDをGoogle広告に伝える「タグ」と、どのタイミングで商品IDを送信するかを決める「トリガー」を設定していきます。
3-1. GTMにて、[タグ] > [新規] を選択

3-2. 適当な名前を設定(画像では”Google広告_動的リマーケティング”で設定)し、[タグの設定] > [Google広告] > [Google広告のリマーケティング] を選択


3-3. 広告管理画面からコンバージョンIDを取得し、[コンバージョンID] に入力。カスタムパラメータで [手動で指定] を選択し、「キー」と「値」に対して下記表の組み合わせで入力
| キー | 値 |
|---|---|
| ecomm_prodid | {{ecomm_prodid}} |
| ecomm_pagetype | product |

※コンバージョンIDの取得手順は、下記の記事をご参照ください
参考:コンバージョンIDを取得する手順 – タグ マネージャー ヘルプ
3-4. [トリガー] より、画面右上の [+] を選択


3-5. 適当な名前(画像では「イベント_Google広告_動的リマーケティング」)を設定し、[トリガーの設定] より [カスタムイベント] を選択

3-6. [イベント名] に「dynamic_remarketing」と入力し、[保存] を選択。タグの設定も同様に保存

4. プレビューで動作確認
最後に、GTMのプレビュー機能を用いて動作確認を行います。
4-1. GTMにて、画面右上の [プレビュー] を選択

4-2. 新たに開いたタブでWebサイトのURLを [ウェブサイトのURL] に入力し、[リンク] を選択

4-3. 新たに開いたTag Assistantウィンドウで、カテゴリページ経由で商品詳細ページにアクセスし、URLに記述されている商品IDをメモ
4-4. 手順4-2で開いたタブの画面左端に表示される「dynamic_remarketing」を選択

4-5. [配信されたタグ] に表示される、今回設定したタグ(画像では「Google広告_動的リマーケティング」)を選択

4-6. 右上のラジオボタンで [値] が選択されていることを確認し、画面中央の「value」に記載されている値が手順4-3でメモした商品IDと一致しているかを確認

4-7. 手順4-3に戻り、検索結果経由の場合も同様に確認できたら完了
まとめ
今回は、EBISUMARTでGoogle動的リマーケティング広告を配信するために、GTMを用いて設定する方法をご紹介しました。動的リマーケティング広告は、商品点数が多いECや、ホテル・不動産など検討期間が長く複数回のWebサイト訪問が期待できる商材との相性が良い傾向にあります。
一見複雑に見える設定も、手順を追って進めれば決して難しくありません。本記事を参考に、動的リマーケティング広告の配信にチャレンジしてみてください。