マーケティング業務の発注先は4社以上が約半数。そのうち6割が「調整だけで」週3時間以上

加賀 恵典

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公開:2026/10/2 最終更新:2026/10/5

マーケティング業務の発注先は4社以上が約半数。そのうち6割が「調整だけで」週3時間以上

広告はA社、サイトはB社、SNSはC社。マーケティングの施策が増えるほど、発注先も自然と増えていきます。

それぞれ得意な会社に任せられるのは心強い一方で、担当者の手元には、こんな細かなやりとりが積み重なっていきます。

  • 各社に同じ情報を伝える
  • 進み具合を揃える
  • 届いた報告を社内向けにまとめ直す

こうした調整に、実際どのくらいの時間がかかっているのか。アルテナでは、マーケティング業務を発注しているパートナーの社数や調整時間、データの見え方などについて、発注する側の担当者に聞いてみました。

そもそも「マーケティングの発注」とは

企業のマーケティングには、たとえば次のような仕事があります。

  • 広告の運用
  • Webサイトの制作
  • SEO(検索対策)
  • SNSの運用
  • 写真や動画の撮影
  • チラシなどの販促物づくり

これらを社内だけでまかなうのは難しいため、領域ごとに得意な会社へ外注している企業が多くあります。

そのとき、発注する側の担当者は、それぞれの会社に商品の説明をしたり、進み具合を確認したり、届いた報告を社内向けにまとめ直したりしています。マーケティング業務を発注しているパートナー同士が直接やりとりする機会は少ないため、情報はどうしても担当者のところに集まります。今回の調査で「調整」と呼んでいるのは、この部分の仕事です。

※ 図はイメージです。実際の発注先の組み合わせは企業によって異なります。

調査結果のポイント

  • マーケティング業務の発注先が4社以上の人は47.0%と、約半数
  • 4社以上の人の60.6%が、調整だけで週3時間以上を使っている(3社以下では29.3%)
  • 自社の商品・サービスの説明を、4社以上にくり返してきた人は67.5%
  • 施策の数字をすべて突き合わせて見られているのは21.2%
  • 発注先を「まとめたい」は55.6%。ただ、まとめる場合にいちばん気になるのは「価格を比べられなくなること」(27.8%)
  • 発注先の数を「正確には把握していない」人も14.6%

調査概要

調査名マーケティング業務を発注しているパートナーに関する実態調査
調査期間2026年9月14日〜9月27日
調査方法インターネット調査
調査対象マーケティング実務または外部発注の窓口を担当する20〜59歳の会社員・経営者
有効回答数222名(うち分析対象151名)
勤務先の規模300名以上 57.6%/100〜299名 23.8%/100名未満 15.9%

※ 分析対象151名は、「外部に発注している領域はない」と回答した42名、発注領域を「その他」のみ選択した6名、全領域を選択した23名の計71名を除いたものです。勤務先の規模は分析対象151名の構成です。
※ 構成比は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

1. いま何社にマーケティング業務を発注していますか?

発注先が分かれている状態を知るために、まずは社数から聞いてみました。

約7人に1人は、発注先の数を把握していない

いまマーケティング業務を発注しているパートナーの数を聞いたところ、最も多かったのは「4〜5社」で27.8%でした。6社以上と回答した方も19.2%います。

また、少し意外だったのは約7人に1人にあたる14.6%が「正確には把握していない」と答えた点です。部署や施策ごとに発注先が分かれていると、全部でいくつの会社とやりとりしているのか、担当者自身も把握しにくくなっているのかもしれません。

マーケティング業務を発注しているパートナーの合計社数(n=151)
※マーケティング業務を発注しているパートナーの合計社数(n=151)

2. 各社との調整に、毎週どのくらい時間を使っていますか?

施策が増えるほど、各社への連絡や進み具合の確認も増えていきます。その時間と、社内で誰がその役割を担っているのかを聞きました。

マーケティング業務の発注先が6社を超えると、多くの担当者が週3時間以上を調整に使っている

マーケティング業務を発注しているパートナー間の情報共有や進行の調整にかかっている時間は、「週1〜3時間程度」が37.8%でいちばん多い結果でした。

  • 週1時間以上:81.1%
  • 週3時間以上:43.4%
マーケティング業務を発注しているパートナー間の調整にかかる時間(1週間あたり/n=143)
※マーケティング業務を発注しているパートナー間の調整にかかる時間(1週間あたり/n=143)

これをマーケティング業務を発注しているパートナーの社数ごとに分けてみると、違いがはっきり出ました。週3時間以上の人の割合は、次のとおりです。

  • 1〜2社:13.3%
  • 3〜5社:47.1%
  • 6社以上:79.3%
※マーケティング業務を発注しているパートナーの社数別 調整時間が週3時間以上の割合

週3時間というと、ひと月でおよそ12時間、まる1日半ほどです。発注先を増やせば専門性は手に入りますが、そのぶん社内での調整も少しずつ増えていく。数字からは、そんな関係が見えてきます。

※ 調整時間の設問で「あてはまるものはない」と回答した8名を除いた143名で集計。社数別の集計では、社数を「正確には把握していない」と回答した人を除いています。社数別の各グループはn=29〜70と小さいため、傾向として見てください。

調整役は「管理職」が最も多い

マーケティング業務を発注しているパートナー間の調整を主に誰がしているかを聞くと、上位は次のとおりでした。

  • 部門の管理職・責任者:29.8%
  • マーケティング専任の担当者:24.5%
  • 他業務と兼務している担当者:17.2%
  • 特に決まっておらず、その都度分担している:15.2%

調整が誰かの役割として決まっていないまま回っている職場も、少なくないようです。

3. 自社の商品・サービスの説明を、これまで何社にしてきましたか?

発注する会社が変わるたびに必要になるのが、自社の商品やサービスについての説明です。

約7割が、同じ説明を4社以上にくり返している

自社の商品やサービスやターゲットについて、これまで何社のマーケティング業務を発注しているパートナーに説明してきたかを聞くと、「4〜5社」が42.4%で最も多く、4社以上に説明してきた人は67.5%にのぼりました。

マーケティング業務を発注しているパートナーが変わるたびに、次のような内容を一から伝え直すことになります。

  • 商品やサービスの特徴
  • お客さま像(ターゲット)
  • これまでの施策の経緯

手間がかかるのはもちろん、相手によって伝わり方に差が出て、施策ごとに打ち出し方が少しずつずれていく原因にもなりそうです。

4. 広告やサイトの数字を、まとめて確認できていますか?

発注先が分かれていると、広告の成果やサイトのアクセスといった数字も、それぞれの会社から別々に届きます。

施策の数字を「すべてつなげて見られている」のは約2割

広告の成果、サイトのアクセス、顧客や売上のデータ。こうした施策ごとの数値を突き合わせて見られているかを聞いたところ、結果は次のとおりでした。

  • すべて確認できている:21.2%
  • 一部はできているが、つながっていない部分がある:48.3%
  • 突き合わせられていない:21.9%

「すべて確認できている」以外をあわせると、約7割の人が、どこかでデータが途切れている状態にあります。

各施策の数値を突き合わせて確認できているか(n=151)
※各施策の数値を突き合わせて確認できているか(n=151)

ちなみに、マーケティング業務を発注しているパートナーの社数ごとに見ても「すべて確認できている」割合にはっきりした傾向はありませんでした。データがつながるかどうかは、発注先の数よりも、数字をまとめて見る人や仕組みがあるかどうかで決まっているのかもしれません。

5. これから発注先は、まとめたいですか?分けたいですか?

最後に、これからの発注のあり方について、担当者自身がどう考えているのかを聞きました。

「まとめたい」は55.6%。ただ、気になるポイントは立場で違う

これからの発注先について、「できるだけまとめたい」「どちらかといえばまとめたい」をあわせると55.6%。「分けたい」側は37.7%でした。まとめたい派がやや多いものの、分けたい派も4割近くいて、どちらか一方に偏っているわけではありません。

もし1社にまとめるとしたら、最も気になることは何か。全体では次の順でした。

  • 価格が妥当か比べられなくなる:27.8%
  • 1社に頼りきりになる:26.5%
  • 専門性が落ちる:17.2%

おもしろいのは、まとめたい派と分けたい派で答えが分かれたことです。

  • まとめたい派:「1社への依存」31.0%がいちばん多く、「専門性の低下」も26.2%
  • 分けたい派:「価格を比べられなくなる」31.6%がいちばん多く、「専門性の低下」は7.0%
1社にまとめる場合に、いちばん気になること(集約意向別)
※1社にまとめる場合に、いちばん気になること(集約意向別)

発注先を分けておきたい人の本音は、専門性へのこだわりよりも、「いつでも比べられる状態にしておきたい」というところにありそうです。

※ 本設問は単一回答で集計しています(最も気になることを1つ選択)。

まとめ

今回の調査では、次のような状況が見えてきました。

  • マーケティング業務を発注しているパートナーが増えるほど、調整に使う時間も増えていく(6社以上では約8割が週3時間以上)
  • 同じ説明を何社にもくり返している
  • 施策の数字がつながっていない

ただ、発注先をまとめればいい、という単純な話でもなさそうです。1社に頼りきりになる不安や、価格を比べられなくなることへの心配も、はっきり数字に出ています。

「まとめるか、分けるか」で考える前に、いまマーケティング業務を発注しているパートナーとのやりとりや数字を、誰がどうつないでいるのか。まずはそこを一度見直してみるのが、第一歩になるのではないでしょうか。

本調査の注意点

・インターネット調査会社のモニターを対象とした調査のため、回答者の属性には偏りがある可能性があります。回答者の勤務先は従業員300名以上が半数を超えています。
・「外部に発注している領域はない」との回答や、全選択肢を選択した回答は、回答の整合性の観点から分析対象外としました。
・社数別などのクロス集計は各グループの回答数が少ないため、結果は傾向として見てください。


調査結果の引用について
本調査の結果を引用・転載される際は、「アルテナ株式会社調べ」と出典を明記してください。

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